2020年10月31日、中国国家市場監督管理総局(SAMR)は「保健食品理化及び衛生学指標試験と評価技術指導原則(2020年版)」(以下は、「2020年版指導原則」と略称する)を公表し、公表期日から正式に施行しました。
2018年7月に「保健食品試験と評価技術規範(2003版)」(以下は、「2003版技術規範」と略称する)は廃止された後、保健食品の効能評価、毒理評価、効能成分検査などを含む主要な技術指導規範はずっと公表されていませんでした。今回の「2020年版指導原則」は効能成分検査に対する重要的な補充です。企業が「2020年版指導原則」をしっかり把握することを目的として、この度、CIRSは主要内容、適用範囲、主要検査方法などの方面から、「2020年版指導原則」を分析して紹介します。
1. 主要内容及び適用範囲
主要内容 | 保健食品及びその原料、補助原料の物理化学及び衛生指標検査と評価の基本要求、効能成分/特性成分試験方法、溶剤残留と禁用成分の測定要求を規定します。 |
適用範囲 | 保健食品の登録申請及び届出申請に関する試験に適用します。 |
解読
「2003版技術規範」に比べて、「2020年版指導原則」は溶剤残留の測定と禁用成分の測定を増やします。
原料は植物抽出物である場合、或は原料や補助原料の加工過程中に使用し、有機溶剤を間接的に混入する場合、その有機溶剤は「GB 2760 食品安全国家標準 食品添加剤使用標準」付録C中の「食品工業用加工助剤使用規定規定」の要求、或は相関規定の要求に合致しなければなりません。企業は製品品質制御の需要に応じて、「2020年版指導原則」中の「第三部分 溶剤残留の測定」中の測定方法を引用し、溶剤残留試験を原料或は製品の技術要求の一部として規定することができます。
禁用成分の測定は相応した保健食品類別製品の効能試験サンプルの登録試験要求として、「2020年版指導原則」の「第四部分 禁用成分の測定」中の相関規定の要求に合致しなければなりません。
2. 主要内容
(1) 効能成分/特性成分の試験方法
NO. | 効能成分/特性成分の試験方法 |
1 | 保健食品中「サリドロシド」及び「チロソール」の測定 |
2 | 保健食品中「ニンニク素」の測定 |
3 | 保健食品中「アロイン」の測定 |
4 | 保健食品中「L-カルニチン」の測定 |
5 | 保健食品中「α-リノレン酸」及び「γ-リノレン酸」の測定 |
6 | 保健食品中「ジンセノサイド」の測定 |
7 | 保健食品中「プロシアニジン」の測定 |
8 | 保健食品中「ヌクレオチド」の測定 |
9 | 保健食品中「ロバスタチン」の測定 |
10 | 保健食品中「クェルセチン」、「ケンペロール」、「イソラムネチン」の測定 |
11 | 保健食品中「テアニン」の測定 |
12 | 保健食品中「チョウセンゴミシ」、「デオキシシサンドリン」、「チョウセンゴミシ B」の測定 |
13 | 保健食品中「アデノシン」の測定 |
14 | 保健食品中「総ジンセノサイド」の測定 |
15 | 保健食品中「総フラボノイド」の測定 |
16 | 保健食品中「キトサンの脱アセチル化度」の測定 |
17 | 保健食品中「総アントラキノン」の測定 |
18 | 保健食品中「10-ヒドロキシ-2-デセン酸」の測定 |
19 | 保健食品中「ジペノサイド XL IX」の測定 |
20 | 保健食品中「総トリテルペン」の測定 |
21 | 保健食品中「コルジセピン」の測定 |
22 | 保健食品中「D-マンニトール」の測定 |
23 | 保健食品中の効能成分/特性成分の食品安全国家標準の試験方法 |
(2) 溶剤残留の測定
「2020年版指導原則」は保健食品中のn-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、n-ヘキサン、メチルベンゼン、P-キシレン、o-キシレン、スチレン、1,2-ジエチルベンゼン、ジビニルベンゼンという総計9種の溶剤残留のガスクロマトグラフィー方法を規定します。
(3) 禁用成分の測定
「2020年版指導原則」は保健食品に使用恐れがある禁用成分及び試験方法をまとめて規定します。禁用成分及び試験方法は監督管理機構の規定に基づいて更新し続きます。
解読
「2020年版指導原則」が提出した効能成分/特性成分の検験方法は推薦方法です。申請企業が製品に対して効能成分/特性成分の試験を行う際は、製品に適合する試験方法を選択すべきです。「2003版技術規範」に比べて、「2020年版指導原則」はチロソール、総アントラキノン、10-ヒドロキシ-2-デセン酸、ジペノサイド XL IX、総トリテルペン、コルジセピン、D-マンニトールなどの効能成分/特性成分の試験方法を増やし、一部の効能成分/特性成分の試験方法を削除します。また、保留される効能成分/特性成分の試験方法も一定的に修訂されます。製品に相関した効能成分/特性成分を含有する場合、企業は相応した試験方法をきちんと研究して理解し、最新版の試験方法を参照して試験を行わなければなりません。
CIRSの分析
「2003版技術規範」は保健食品の指標に対して技術指導を規定し、その内容は保健食品の効能学評価手順及び試験方法規範、保健食品の毒理学評価手順及び試験方法、保健食品の効能成分及び衛生指標試験規範を含みます。「2003版技術規範」は2018年7月から廃止され、同規範を試験根拠とする試験(検験)報告は保健食品登録の技術審査資料になってはいけなくなるため、登録類保健食品の試験と申請に極大的な影響をもたらします。
この度、SAMRは「保健食品及びその原料の安全性毒理学試験と評価技術指導原則(2020年版)」、「保健食品原料用菌種の安全性試験と評価技術指導原則(2020年版)」及び「保健食品理化及び衛生学指標試験と評価技術指導原則(2020年版)」を正式に公表しました。これらの法規制の施行に伴い、保健食品申請に必要な毒性学試験、効能成分試験などは公的な試験方法があります。ただし、「保健食品効能試験評価方法」はまだ公表されていません。
保健食品試験の相関法規制の完善に伴い、残された「保健食品効能試験評価方法」もまもなく公表されるはずだと思っております。
お問い合わせ
service@cirs-group.com