2019年12月2日、中国国家市場監督管理総局は「栄養素補助剤健康食品原料目録(意見募集稿)(2019年版)」(以下は「原料目録意見募集稿」と略称する)、及び「栄養素補助剤健康食品が表示可能な保健機能目録(意見募集稿)(2019年版)」(以下は「機能目録意見募集稿」と略称する)を公表し、社会意見募集を開始しました。意見募集締切日は2019年12月31日です。
現行の「健康食品原料目録(一)」(以下は「現行原料目録」と略称する)、及び現行の「健康食品が表示可能な保健機能目録(一)」(以下は「現行機能目録」と略称する)に比べて、今回2つの意見募集稿の変更点は以下の通りです。
一、原料目録の変更点
● 栄養素を1種増やします
現行原料目録に比べて、原料目録意見募集稿の栄養素種類は22種から23種までに増え、「β-カロチン」を増やします。「現行原料目録」に基づき、今回新増された「β-カロチン」は栄養素「ビタミンA」の化合物由来の一種です。「原料目録意見募集稿」に基づき、「β-カロチン」は栄養素「ビタミンA」の化合物由来の一種であり、一類の栄養素として補充可能です。また、各種類の「β-カロチン」の国家標準根拠、適用範囲及び毎日使用量なども規定します。
原料名称 | 毎日食用量 | ||||||
栄養素 | 標準根拠 | 適用範囲 | 機能成分 | 適合対象者 | 最低値 | 最高値 | 機能 |
β-カロチン | 「GB 8821 -2011 食品安全国家標準 食品添加剤 β-カロチン」 | 大人 | β-カロチン(mg) | 大人 | 1.5 | 5 | β-カロチン補充 |
「GB 28310 – 2012食品安全国家標準 食品添加剤 β-カロチン(発酵法)」 | 大人 | 大人 | 1.5 | 5 | |||
「GB 31624 -2014食品安全国家標準 食品添加剤 天然カロチン」 | 大人 | 大人 | 1.5 | 7 |
● 化合物由来を7種増やします
現行原料目録に比べて、原料目録意見募集稿は栄養素の化合物由来を7種増やします。具体的な状況は以下の通りです。
栄養素 | 新増する化合物 | 標準根拠 | 適用対象者 |
カルシウム | クエン酸リンゴ酸カルシウム | 「GB 1903.18 – 2016 食品安全国家標準 食品栄養強化剤 クエン酸リンゴ酸カルシウム」 | 4歳以上の一般対象者 |
マグネシウム | グルコン酸マグネシウム | 「GB 1903.29 – 2018 食品安全国家標準 食品栄養強化剤 グルコン酸マグネシウム」 | 全ての対象者 |
鉄 | ピロリン酸鉄 | 「GB 1903.16 – 2016 食品安全国家標準 食品栄養強化剤 ピロリン酸鉄」 | 全ての対象者 |
クエン酸鉄 | 「GB 1903.37 – 2018 食品安全国家標準 食品栄養強化剤 クエン酸鉄」 | 全ての対象者 | |
亜鉛 | 酢酸亜鉛 | 「GB 1903.35 – 2018 食品安全国家標準 食品栄養強化剤 酢酸亜鉛」 | 全ての対象者 |
セレニウム | セレニウム化カラギーナン | 「GB 1903.23 – 2016 食品安全国家標準 食品栄養強化剤 セレニウム化カラギーナン」 | 4歳以上の一般対象者 |
葉酸 | (6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸、グルコサミン塩 | NHFPC 2017年第8号公告 | l 妊婦、乳母以外の一般対象者に限定 l 製品剤型は固体製品と限定する |
コリン | 塩化コリン | 「GB 1903.36 – 2018 食品安全国家標準 食品栄養強化剤 塩化コリン」 | 全ての対象者 |
● 化合物の標準根拠を2種更新します
栄養素 | 化合物名称 | 現行原料目録 | 原料目録意見募集稿 |
カルシウム | 酢酸カルシウム | 「GB 15572 -1995 食品添加剤 酢酸カルシウム」 | 「GB 1903.15 – 2016 食品安全国家標準 食品栄養強化剤 酢酸カルシウム」 |
クエン酸カルシウム | 「GB 17203 – 1998 食品添加剤 クエ酸カルシウム」 | 「GB 1903.14 – 2016 食品安全国家標準 食品栄養強化剤 クエ酸カルシウム」 |
● ビタミンK2の機能成分計算方式を1種変更します
栄養素 | 化合物名称 | 現行原料目録 | 原料目録意見募集稿 |
ビタミンK | ビタミンK2(発酵法) | ビタミンK(フィロキノンの量で計算する、µg) | ビタミンK2(7-メナジオンの量で計算する、µg) |
二、保健機能目録の変更点
● 保健機能釈義が増やされ、健康食品ラベルに表記する可能
現行機能目録に比べて、機能目録意見募集稿には保健機能釈義が増やされます。健康食品ラベルに相応した1種又は多種の栄養成分機能表示の標準用語を使用することができます。機能の釈義に対していかなる形式の修正、追加、または組み合わせをしてはいけません。
新増する保健機能の釈義は以下の通りです。
保健功能 | 釈義 |
カルシウム補充 | カルシウムは人体の骨と歯の主要構成部分であり、多くの生理機能にカルシウムの参与が必要である。 カルシウムは骨と歯の主要成分であり、骨密度を維持する。 カルシウムは骨と歯の発育に役立つ。 カルシウムは骨と歯を固くする。 |
マグネシウム補充 | マグネシウムはエネルギー代謝、組織形成と骨発育の重要成分である。 |
鉄補充 | 鉄は赤血球形成の重要成分である。 鉄は赤血球形成に必須の元素である。 鉄はヘモグロビンの生成に必須である。 |
亜鉛補充 | 亜鉛は児童の成長発育に必須の元素である。 亜鉛は食欲の改善に役立つ。 亜鉛は皮膚の健康によい。 |
ビタミンA補充 | ビタミンAは暗視力の維持に役立つ。 ビタミンAは皮膚と粘膜の健康維持に役立つ。 |
ビタミンD補充 | ビタミンDはカルシウムの吸収を促進させる。 ビタミンDは骨と歯の健康に役立つ。 ビタミンDは骨の形成に役立つ。 |
ビタミンB1補充 | ビタミンB1はエネルギー代謝に欠かない成分である。 ビタミンB1は神経システムの正常的な生理機能の維持に役立つ。 |
ビタミンB2補充 | ビタミンB2は皮膚と粘膜の健康維持に役立つ。 ビタミンB2はエネルギー代謝に欠かない成分である。 |
ビタミンB6補充 | ビタミンB6はタンパク質の代謝と利用に役立つ。 |
ビタミンB12補充 | ビタミンB12は赤血球の形成に役立つ。 |
ナイアシン補充 | ナイアシンは皮膚と粘膜の健康維持に役立つ。 ナイアシンはエネルギー代謝に欠かない成分である。 ナイアシンは神経システムの健康維持に役立つ。 |
葉酸補充 | 葉酸は胎児の脳と神経システムの正常発育に役立つ。 葉酸は赤血球の形成に役立つ。 葉酸は胎児の正常的な発育に役立つ。 |
ビタミンC補充 | ビタミンCは皮膚と粘膜の健康維持に役立つ。 ビタミンCは骨、歯肉の健康維持に役立つ。 ビタミンCは鉄の吸收を促進させる。 ビタミンCは抗酸化効果がある。 |
パントテン酸補充 | パントテン酸はエネルギー代謝と組織形成の重要成分である。 |
ビタミンE補充 | ビタミンEは抗酸化効果がある。 |
● 保健機能ノートに「β-カロチン補充」が増やされます
現行機能目録に比べて、機能目録意見募集稿の保健機能は変更ありませんが、保健機能ノートに「β-カロチン補充」を増やし、原料目録意見募集稿に増やされた新栄養素「β-カロチン」と一致します。
CIRSの考え
現行原料目録に比べて、原料目録意見募集稿は栄養素を1種(β-カロチン)増やし、化合物由来を7種増やし、現行化合物の標準根拠を5種増やします。製造企業選択可能な製品原料及び原料サプライヤーは多くなります。また、機能目録意見募集稿は保健機能に対する釈義を追加し、企業は相応した1種又は多種の栄養成分機能表示の標準用語を選択して健康食品ラベルに表記することができます。製品の宣伝に積極的な意義があると考えております。
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