2024年3月11日、EU消費者安全科学委員会(SCCS)はサリチル酸ヘキシル(CAS/EC No.6259-76-3/228-408-6)に関する最終的な意見(SCCS/1658/23)を発表しました。サリチル酸ヘキシルに関する初期的な意見は2023年11月9日に発表されました。
SCCSの評価結論は以下の通り:
(1)SCCSは提供されたデータに基づき、CMR Cat.2分類(Reg.1272/2008の付録VIで導入される予定)を考慮して、サリチル酸ヘキシルが書類中の最大使用濃度に達した場合に安全であると考えていますか。
提供されたデータに基づき、潜在的な内分泌撹乱性に関する問題を考慮して、SCCSはサリチル酸ヘキシルが本意見表1で提供された最大濃度に達した場合に安全であると考えています。
表1 提出書類中の化粧品におけるサリチル酸ヘキシルの最大使用濃度
化粧品製品タイプ、身体部位 | 最大使用濃度% |
ヒドロキシ香精 | 2 |
洗い流す類製品 | 0.5 |
洗い流さない類製品 | 0.3 |
オーラルケア製品(歯磨き粉、うがい薬) | 0.001 |
(2)SCCSは化粧品にサリチル酸ヘキシルの使用に更なる科学的関心を持っていますか。
申請者は子供が化粧品を使用する具体的な情景(皮膚接触曝露)を提供しておらず、特定の曝露パラメータ(体重、製品使用量、体表面積など)における年齢別の違いも考慮されていません。しかしながら、成人の安全マージン(MoS)が100をはるかに上回っていることに着目し、この年齢層の子供が使用する製品カテゴリーを考慮すると、3歳から10歳の子供の安全マージンも100を上回ることになります。SCCSは環境を扱っていません。そのため、今回の評価ではサリチル酸ヘキシルの環境に対する安全性はカバーされていません。
CIRSグループが自主研究開発した中国化粧品原料法規データベース(化粧品コンプライアンス)(妆合规)の検索情報により、サリチル酸ヘキシルは既に「中国使用済み化粧品原料目録」に組み入れられ、洗い流さない類製品の最高過去使用量は0.24%です。