2023年6月13日、EU消費者安全科学委員会(SCCS)は香料成分「サリチル酸ベンジル」(Benzyl salicylate、CAS番号:118-58-1、EC番号:204-262-9)に関する初歩的な意見(SCCS/1656/23)を発表しました。意見公募は2023年8月24日までです。
SCCSの評価結論は以下の通り:
(1)SCCSは提供されたデータに基づき、サリチル酸ベンジルの潜在的な内分泌かく乱性に関する問題を考慮し、サリチル酸ベンジル連合会が提出した書類に提供されたサリチル酸ベンジルの最高安全使用濃度を認めていますか。
提供と評価されたデータに基づき、潜在的な内分泌撹乱性に関する問題を考慮して、SCCSはサリチル酸ベンジルが本意見表1で提供された最大濃度に達した場合に安全であると考えています。
表1:化粧品中のサリチル酸ベンジルの最大使用濃度
化粧品製品タイプ | 最大使用濃度%
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アルコール類香水(スプレーおよびノンスプレー) | 4
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洗い流す類皮膚・ヘア製品(洗い流す類ボディ製品を除く) | 0.5
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洗い流す類ボディ製品 | 1.3
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洗い流さない類皮膚・ヘア製品(ノンスプレー/ノンエアロゾルタイプ)(ボディクリームを除く) | 0.5
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洗い流さない類ヘア製品(スプレータイプ/エアロゾルタイプ) | 0.5
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洗い流さない類ボディ製品(ノンスプレータイプ/スプレータイプ/エアロゾルタイプ) | 0.7
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フェイシャルメイクアップ製品及びクレンジング製品 | 0.2
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オーラルケア製品 | 0.004
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消臭製品(スプレータイプ/エアロゾルタイプ)
| 0.91
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(2)あるいは、SCCSは化粧品中のサリチル酸ベンジルの最大安全使用濃度をどのくらいと考えていますか。
(3)SCCSは化粧品にサリチル酸ベンジルの使用に更なる科学的関心を持っていますか。
サリチル酸ベンジルの既存のデータは内分泌作用の可能性を示していますが、潜在的な内分泌効果を引き起こす証拠はありません。SCCSのミッションは環境面ではありません。そのため、この評価にはサリチル酸ベンジルの環境中での安全性は含まれません。
CIRSグループが自主研究開発した中国化粧品原料法規データベース(化粧品コンプライアンス)(妆合规)の検索情報により、サリチル酸ベンジルが芳香剤、紫外線吸収剤としてよく使用され、「中国使用済み化粧品原料目録」(2021版)、「日用香料準使用リスト」に組み入れられ、洗い流す類製品の最高過去使用量は0.37012%、洗い流さない類製品の最高過去使用量は0.3175%です。