2025年 台湾地区GHS法規アップデート【詳細解説版】
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世界各国のGHS制度との整合性を図るため、国連GHS第8改訂版の内容を参照し、台湾地区の労働部職業安全衛生署が主導して、「化学品の分類及び表示-総則」シリーズ規格(CNS 15030、CNS 15030-1~CNS 15030-29)の改訂を行いました。

2025年4月25日、台湾地区では最新改訂版の「化学品の分類及び表示-総則」(CNS 15030:2025)が公布され、従来のCNS 15030:2015に取って代わりました。内容に大きな変更はなく、詳細な規定についてはCNS 15030-1~CNS 15030-29の規格文書を参照する必要があります。2008年の初版発行以来、近年では以下の表に示すような複数回の改訂が行われています。

No.

旧版

新版

更新日

主な更新内容

1

CNS 15030:2015

CNS 15030:2025

2025.4.25

国連GHS第8改訂版を参照

CNS 15030-28/CNS 15030-29を追加

2

CNS 15030-1:2008

CNS 15030-1:2024

2024.10.24

分類試験ガイドラインの詳細化

3

CNS 15030-2:2015

CNS 15030-2:2024

2024.10.24

発火性ガスの定義追加

可燃性ガスの分類を「1A、1B、2級」に更新

発火性ガス及び化学的不安定ガスを「1A類」に統合

4

CNS 15030-3:2015

CNS 15030-3:2024

2024.10.24

規格名称を「エアゾール及び加圧下化学品」に変更

エアゾール分類基準の詳細化、危険性関連の用語を更新

加圧下化学品に関する内容を新規追加

5

CNS 15030-4:2015

CNS 15030-4:2024

2024.10.24

引用規格の更新

6

CNS 15030-5:2015

CNS 15030-5:2024

2024.10.24

基本的に変更なし

7

CNS 15030-6:2008

CNS 15030-6:2015

2015.1.26

詳細な判定ロジック図を新規追加

8

CNS 15030-7:2015

CNS 15030-7:2024

2024.10.24

基本変更なし

9

CNS 15030-8:2008

未改訂

未改訂

未改訂

10

CNS 15030-9:2008

未改訂

未改訂

未改訂

11

CNS 15030-10:2008

未改訂

未改訂

未改訂

12

CNS 15030-11:2008

CNS 15030-11:2015

2015.1.26

引用規格と判定ロジック図の追加

13

CNS 15030-12:2008

CNS 15030-12:2024

2024.10.24

詳細な判定ロジック図を新規追加

14

CNS 15030-13:2008

未改訂

未改訂

未改訂

15

CNS 15030-14:2008

CNS 15030-14:2024

2024.10.24

酸化性固体の試験基準と判定ロジック図の追加

16

CNS 15030-15:2008

CNS 15030-15:2024

2024.10.24

詳細な判定ロジック図を追加

17

CNS 15030-16:2015

CNS 15030-16:2024

2024.10.24

基本変更なし

18

CNS 15030-17:2008

CNS 15030-17:2025

2025.2.24

SDS(安全データシート)の記載要件の詳細化、判定ロジック図の追加

19

CNS 15030-18:2008

CNS 15030-18:2025

2025.2.24

段階的分類方法の新規追加

ヒト及び動物データの分類内容を拡充

詳細な判定ロジック図を追加

20

CNS 15030-19:2008

CNS 15030-19:2025

2025.2.24

段階的分類方法の新規追加

詳細な判定ロジック図を追加

21

CNS 15030-20:2015

CNS 15030-20:2025

2025.2.24

基本的に変更なし

22

CNS 15030-21:2008

CNS 15030-21:2025

2025.2.24

1A・1B類の判定基準値を明確化

詳細な判定ロジック図を追加

23

CNS 15030-22:2008

CNS 15030-22:2025

2025.2.24

1A・1B類の判定基準値を明確化

詳細な判定ロジック図を追加

24

CNS 15030-23:2015

CNS 15030-23:2025

2025.2.24

生殖毒性の定義を更新

25

CNS 15030-24:2008

CNS 15030-24:2025

2025.2.24

引用規格の追加
吸入毒性ガイド値の範囲を国連GHSと整合

詳細な判定ロジック図を追加

26

CNS 15030-25:2008

CNS 15030-25:2025

2025.2.24

引用規格の追加

新規用語・定義の追加‘

27

CNS 15030-26:2008

CNS 15030-26:2025

2025.2.24

詳細な判定ロジック図を追加

28

CNS 15030-27:2008

CNS 15030-27:2025

2025.2.24

国連関連文書の引用を拡充

詳細な判定ロジック図を追加

29

CNS 15030-28:2015

CNS 15030-28:2025

2025.2.24

基本的に変更なし

30

該当なし

CNS 15030-29:2025

2025.2.24

鈍性化爆発物の分類を新規追加

国連GHS第8改訂版の情報規則を引用

台湾,GHS,化学品,法规

加圧化下学品の表示について

今回のCNS標準の更新では、国連GHS第8改訂版の内容および分類判定ロジックがさらに広範に採用されております。改訂文書には移行期間や修正期限についての明記はされていないため、企業は速やかに対応を進める必要があります。特に、以下のような分類項目における重要な変更点には注意が必要です:

  • 可燃性ガス(分類基準の更新:1A/1B/2級)
  • エアロゾルおよび加圧下化学品(新規定義・表示要件の追加)
  • 急性吸入毒性の有害性(ガイド値範囲の国連GHS整合化)
  • 鈍性化爆発物(新規分類の追加)