2021年5月、スイス連邦公衆衛生総局はWTOにスイス化学品政令Chemoの改訂に関する通報を提出しました。新法規により、EU REACHで未登録の物質（新規物質及び既存化学物質）はスイス市場に入る前にスイスの主管当局に申告しなければなりません。
スイスはEUの加盟国ではないため、EU REACHに適用されません。新法規は、いままでスイスに化学品を輸出する企業が新規物質（EINECS名録に収載されていない物質）のみ申告すれば（Chemo、SR 813.11）、スイス市場に進出することができるという状況を変えます。
新法規によると、化学物質の申告範囲は新規物質からEU REACHに未登録のすべての化学物質に広がった以外、REACHの付属書IVとVの免除条項は依然として適用されます。そうなると、スイスの化学品法規制がEU REACH法規制と全面的に統合されます。つまり、企業はEU REACHの登録を完成した後、スイスで再申告をする必要がなくなるます。
ただし、以下の条件を満たすことが必要：
a.物質がスイスでのトン数はEU REACH登録の上限を超えてはいけない。例えば、EU REACHで10-100 t/aの登録を完成したが、スイス本国の化学物質の申告が完了していない場合、企業の最大輸入量は年間100トン
b. EU REACHで、厳密に制御された条件を満たす中間体登録（SCC）を完了したが、理化、毒性学及び生態毒性学の関連データがない場合、該当物質はスイスで厳密に制御される中間体（SCC）のみとして使用でき、その他の用途は違法とみなされる
c.生産者や輸入者が物質をすでにEU REACHで登録し、並びに欧州経済領域で流通していることが証明できる場合、該当物質はスイスで流通することもできるが、REACHでの免除条件を満たしていない限り、REACHの登録トン数を超えてはいけない
上記のWTOの通報の公衆評議の締め切りは2021年7月11日です。最終改訂案が可決されば、スイスの新規化学品法規制は2022年2月15日に発効し、8月15日に正式に実行されます。
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