この数年来、食品工業及び科学技術の高速発展に伴い、新食品原料は食品研究企業の注目を引き、数多くの新食品原料は開発され、応用されます。食品安全を保障するため、新食品原料が市場進入する前に、安全性評価を受けて安全性を確保しなければなりません。
新食品原料の使用を規範するために、EU、アメリカ、オーストラリア・ニュージーランドなどを含む数多くの先進国は相応した法規制を制定し、新食品原料を管理します。企業が中国国内外の新食品原料管理規定をしっかり理解できることを目的として、CIRSは法規制、定義、管理方式三つの方面から分析して比較いたします。
1. 法規制
新食品原料に対して各国の主要管理法規制は以下の通りです。
表1 新食品原料に対して各国の主要管理法規制
国/地域 | 法規制 |
中国 | |
EU | Regulation (EU) 2015/2283 of the European Parliament and of the Council |
アメリカ | Federal Register Notice – the GRAS Final Rule (81 FR 54960) Code of Federal Regulations – Title 21 |
オーストラリア・ニュージーランド | Australia New Zealand Food Standards Code – Standard 1.5.1 – Novel foods Food Standards Australia New Zealand Regulation of novel foods (July 2017) |
2. 定義
表2 各国新食品原料の名称及び定義
国/地域 | 名称 | 定義 |
中国 | 新食品原料 (2013年以前は「新資源食品」と呼ぶ) | 中国において伝統的な食習慣がなし、下記の通りです。 1) 動物、植物及び微生物 2) 動物、植物及び微生物から分離した成分 3) 元の構造に変化が生じた食品成分 4) 新しく研究開発したその他の食品原材料
注:新食品原料は食品原料の特性があるべき、栄養要求に合致し、無毒、無害且つ人体健康に急性、亜急性、慢性又はその他の潜在的な危険有害性がありません。 |
EU | Novel Food | 1997年5月15日以前、EU域内に「大規模人類食用」歴史がなし、大体は以下の通りです。 1) 動物、植物、微生物、真菌、藻類及び鉱物から由来、組成、分離、製造された食品 2) 細胞培養及び組織培養で組成、分離、製造された食品 3) 新工程、新構造の食品(ナノ食品、分子修飾食品、新分子構造食品、及び元の成分、構造に変化が生じた食品、ビタミン、ミネラルなどを含む) 4) 普通食品としてのサプリメント
特殊状況:EUのNovel Foodは、「第三国由来の伝統食品」という類別があります。具体的には、上述した「3) 新工程、新構造の食品」及び「4) 普通食品としてのサプリメント」以外の食品類別を指します。 |
アメリカ | 新食品原料の定義がなくて、「GRAS」(generally recognized as safe、一般に安全と認められる)の基準で管理する | GRAS (generally recognized as safe)に収載される物質に対して以下の要求があります。 1) 同物質は安全的であり、又は予期条件下に安全的であること 2) 同物質の安全性は資格ある専門家に評価されて認可されたこと 3) 同物質の安全性評価は基礎或は根拠があること。例えば、「科学手順」に基づくこと、或は「普遍的な使用歴史」があること
注:「科学手順」:資格ある専門家を集め、既存の科学文献及び試験結果に対して安全性評価を行った後、「食品安全・応用栄養センター(CFSAN)」に申請資料を提出して判断します。 |
オーストラリア・ニュージーランド | Novel Food | 公的健康及び衛生安全に対して評価する必要ある非伝統食品を指します。以下を含みますが、これらに限りません。 1) 植物、動物、及びその組成 2) 植物或は動物の抽出物 3) 草薬又はその抽出物 4) マクロ的な飲食成分 5) 単一的な科学実体 6) 微生物又はプロバイオティクス 7) 新たな由来から製造された食品、或は食品領域に使用したことがない加工工程を使用して製造された食品 |
上述した国/地域の新食品原料定義は「伝統的な食習慣」或は「食用歴史」を言及します。ただし、「食用歴史」に対して各国の定義も異なります。詳細は以下の通りです。
表3 各国の伝統的な食習慣/非伝統食品の定義
国/地域 | 相関内容 | 定義 |
中国 | 伝統的な食習慣 | 中国ある省域内に30年以上の定型又は非定型の包装食品として製造経営の歴史を有し、しかも、「中華人民共和国薬局方」に収載していません。 |
EU | 食用歴史 | 1997 年5月15日以前、EU範囲内に「大規模人類食用」 (human consumption to a significant degree)歴史がありません。
特殊状況:「第三国由来の伝統食品」の安全食用歴史とは、関連した食品の安全性は成分データで証明され、しかも、1個以上の第三国に25年以上の大規模人類連続食用習慣があることを指します。 |
アメリカ | 普遍的な使用歴史 | 1958年1月1日以前、当物質は相当数量の人類に確実的な使用歴史があります。
注:1958年1月1日以前の使用過程中に、当物質が健康に不利な影響があることを発見された場合、或は普遍的な使用ではない場合、その他の手続きに従って申請しなければなりません。 |
オーストラリア・ニュージーランド | 非伝統食品 | 1) オーストラリア又はニュージーランドに人類食用歴史がない食品 2) 食物から由来の物質であり、ただし、当物質は食物中の成分として以外、オーストラリア又はニュージーランドに人類食用歴史がない 3) その他の物質、又は当物質の由来はオーストラリア又はニュージーランドに人類食用歴史がない |
表3から見ると、一般的に、伝統的な食習慣は年限或は特定期日を利用して管理されます。中国、EU、オーストラリア及びニュージーランドの法規制が規定する「伝統的な食習慣」、「大規模人類食用歴史」、「非伝統食品」は新食品原料を定義する基礎であり、基礎の上にその他の方面を合わせて物質が新食品原料に属するかどうかを判断します。また、アメリカの法規制が規定する「1958年1月1日以前の使用状況」は物質がGRASに収載できるかどうかを判断する根拠の一つであり、「食用歴史」がない場合、「科学手順」に従って判断しなければなりません。
3. 管理方式
中国
管理機構:国家衛生健康委員会(NHC)
管理方式:申請を提出して、審査認可を受ける
主な流れ:
1) 申請者は登録申請を提出し、国家衛生健康委員会政務大庁は申請資料を受け取ります。
2) 資料揃った後、国家食品安全評価中心(CFSA)は技術審査を行います。
3) 技術審査を通過した後、国家食品安全評価中心(CFSA)は社会意見を募集します。
4) 国家衛生健康委員会(NHC)は国家食品安全評価中心(CFSA)の審査結論に基づいて決定し、認可公告を公表します。
EU
管理機構:欧州委員会 (European Commission)
欧州食品安全局 (European Food Safety Authority、EFSA)
食品常務委員会(Standing Committee for Foodstuffs)
管理方式:申請を提出して、承認を取得する
主な流れ:
EU域内の食品 | 「第三国由来の伝統食品」 |
1) 欧州委員会は申請資料を受け取り、申請の有効性を評価します。 2) 1ヶ月以内、EFSAに引き継いで安全性評価を行います。 3) EFSAは有効申請を受け取り、9ヶ月以内に意見を通過します。 4) 欧州委員会は意見公布した7ヶ月以内に、食品常務委員会に実施法案の草案を提出し、EU域内に当新食品原料を販売許可し、EUリストを更新します。 | 1) 欧州委員会は申請資料を受け取り、申請の有効性を評価します。 2) 欧州委員会が有効通知を公布した4ヶ月以内に、EU加盟国或はEFSAは欧州委員会に当食品原料の市場販売に対して合理的な安全性反対意見を提出できます。 3) 1ヶ月以内、EFSAに引き継いで安全性評価を行います。 4) EFSAは有効申請を受け取り、6ヶ月以内に意見を通過します。 5) 欧州委員会は意見公布した3ヶ月以内に、実施法案の草案を提出し、EU域内に当新食品原料を販売許可し、EUリストを更新します。 |
アメリカ
管理機構:アメリカ食品医薬品局 (U.S. Food and Drug Administration, FDA)
食品安全・応用栄養センター(The FDA Center for Food Safety and Applied Nutrition, CFSAN)
管理方式:FDAにGRAS申請を提出する
主な流れ:いかなる機構や個人も、FDAに申請を提出できます。
1) 申請者は既存の科学文献及び試験結果に基づき、資格ある専門家を集めて評価を行った後、CFSANに申請資料を提出します。
2) CFSANは物質の普遍存在性、利用可能性、普遍接受性という3つの方面から評価します。
3) 「FDA has no questions」という結論を取得したら、当物質はGRASリストに収載できます。
オーストラリア・ニュージーランド
管理機構:オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(Food Standards Australia New Zealand、FSANZ)
新食品諮問機関(Advisory Committee on Novel Foods, ACNF)
管理方式:申請を提出して、承認を取得する
主な流れ:
1) 申請者は当物質が新食品原料に属するかどうかについてACNFからの意見を聴取します。
2) 当物質が食品属性に合致したことを確定した後、「非伝統食品」に属するかどうかを再確定します。
3) 申請物質の類別を確定した後、ACNFは当物質の安全性評価が必要かどうかを確定します。
4) 安全性評価が必要であれば、FSANZの手順に従って評価します。評価を通過したら、新食品原料リストに収載します。
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