2019年全年、中国国家衛生健康委員会(NHC)は新規食品原材料の認可に関する公告を1件だけ(2019年第2号公告)を公表し、ラクトバチルスクルヴァトゥス、アシタバ、ビワの花を含む総計3件の新規食品原材料を認可しました。また、中国国家衛生健康委員会(NHC)及び中国国家食品安全リスク評価中心(CFSA)のウェブサイト情報によりますと、2019年全年、中国国家衛生健康委員会(NHC)は総計6件の新規食品原材料登録申請を受理し、総計7件の新規食品原材料意見募集稿を公表し、審査が終止された2件の食品原材料を公表しました。CIRSは2019年中国新規食品原材料の受理状況及び審査認可状況をまとめて紹介いたします。
1. 2019年に登録申請を受理した新規食品原材料(6件)
2019年全年、中国国家衛生健康委員会(NHC)は総計6件の新規食品原材料登録申請を受理しました。中に、2019年6月12日に受理された「鐵皮石斛原球茎」の新規食品原材料登録申請は、既に2019年11月25日にCFSAの技術審査を通過し、現時点は社会意見募集中です。その他5件の新規食品原材料登録申請はまだ技術審査中、或は資料追加中だと考えられます。
NO. | 受理時間 | 受理番号 | 名称 |
1 | 2019年5月5日 | 卫食新申字(2019)第0001号 | キシラン Xylan |
2 | 2019年6月12日 | 卫食新申字(2019)第0002号 | 鐵皮石斛原球茎 Dendrobium Officinale Protocorm |
3 | 2019年10月10日 | 卫食新申字(2019)第0003号 | 食葉草 Rumex dapibus herba by. |
4 | 2019年12月9日 | 卫食新申字(2019)第0004号 | ラクトバチルス・ケフィラノファシエンスZW3 Lactobacillus kefiranofaciens ZW3 |
5 | 2019年12月9日 | 卫食新申字(2019)第0005号 | イイギリ油 Idesia polycarpa oil |
6 | 2019年12月13日 | 卫食新申字(2019)第0006号 | ラクトバチルス・ラムノサス MP108 Lactobacillus rhamnosus MP108 |
2. 2019年に社会意見募集を開始した新規食品原材料(7件)
2019年全年、CFSAの技術審査を通過し、社会意見募集を開始した新規食品原材料は総計7件があります。しかし、現時点まで、この7件の原料はまだ正式に認可されていません。
(1) 赶黄草(公告案)
名称 | 赶黄草 |
ラテン学名 | Penthorum chinense Pursh. |
情報 | 由来 ユキノシタ目 タコノアシ属 食用部位 茎と葉 |
製造工程略述 | 人口栽培の赶黄草の地上部分を選択、洗浄、湿潤、切製、乾燥などの工程で製造する |
食用推奨量 | ≤8 g/日 |
説明 | 1. 乳幼児、少年児童、妊婦及び乳母を適用除外者とし、ラベル及び取扱書に適用除外者及び食用制限量を記載しなければならない 2. 食用方式 水などに浸して飲用 3. 食品安全標準は中国現行の茶、又は代用茶の食品安全国家標準に基づいて執行する |
公告時間/リンク | 2019年1月14日 |
(2) β-1,3-グルカン(公告案)
名称 | β-1,3-グルカン | |
英語名称 | β-1,3-glucan | |
情報 | 由来 蔗糖 構造式
分子式 (C6H10O5)n,n≥615 | |
製造工程略述 | 蔗糖を原料とし、リゾビウム・ピュセンス(Rhizobium pusense)で発酵、エタノール沈殿、濾過、分離、乾燥、粉砕などの工程で製造する | |
食用推奨量 | ≤3 g/日 | |
品質要求 | 性状 | 類白色~淡黄色粉末 |
β-1,3-グルカン(g/100g) | ≥90 | |
水分(g/100g) | ≤4 | |
灰分(g/100g) | ≤5 | |
タンパク質(g/100g) | ≤3 | |
説明 | 1. 乳幼児、妊婦及び乳母を適用除外者とし、ラベル及び取扱書に適用除外者及び食用制限量を記載しなければならない 2. 食品安全標準は「GB 28304 - 2012 食品安全国家標準 食品添加剤 可得然胶」に基づいて執行する | |
公告時間/リンク | 2019年5月22日 | |
受理時間 | 2016年12月08日に受理され、卫食新申字(2016)第0012号 |
(3) ラクトバチルス・ヘルヴェティクスR0052(公告案)
名称 | ラクトバチルス・ヘルヴェティクスR0052 |
ラテン名称 | Lactobacillus helveticus R0052 |
説明 | 1. 乳幼児食品に使用可能な菌種として認可される 2. 食品安全標準は関連した中国国家標準の要求に合致しなければならない |
公告時間/リンク | 2019年5月22日 |
受理時間 | 2013年9月30日に受理され、卫食新进申字(2013)第0030号 |
(4) ビフィドバクテリウム・インファンティスR0033(公告案)
名称 | ビフィドバクテリウム・インファンティスR0033 |
ラテン名称 | Bifidobacterium infantis R0033 |
説明 | 1. 乳幼児食品に使用可能な菌種として認可される 2. 食品安全標準は関連した中国国家標準の要求に合致しなければならない |
公告時間/リンク | 2019年5月22日 |
受理時間 | 2013年9月30日に受理され、卫食新进申字(2013)第0032号 |
(5) ビフィドバクテリウム・ビフィダムR0071(公告案)
名称 | ビフィドバクテリウム・ビフィダムR0071 |
ラテン名称 | Bifidobacterium bifidum R0071 |
説明 | 1. 乳幼児食品に使用可能な菌種として認可される 2. 食品安全標準は関連した中国国家標準の要求に合致しなければならない |
公告時間/リンク | 2019年5月22日 |
受理時間 | 2013年9月30日に受理され、卫食新进申字(2013)第0031号 |
(6) 鐵皮石斛原球茎(公告案)
名称 | 鐵皮石斛原球茎 |
ラテン名称 | Dendrobium Officinale Protocorm |
情報 | 由来 ラン科、セッコク属、鐵皮石斛(Dendrobium officinale Kimura et Migo) |
製造工程略述 | 組織栽培された鐵皮石斛の茎部から取得した原球茎や丛芽を使用し、収集、乾燥などの工程で製造する |
食用推奨量 | 乾燥品≤3.5g/日 |
説明 | 1. 乳幼児、妊婦及び乳母を適用除外者とし、ラベル及び取扱書に適用除外者及び食用制限量を記載しなければならない 2. 食品安全標準は中国現行の茎類野菜に関する食品安全国家標準に基づいて執行する |
公告時間/リンク | 2019年11月25日 |
受理時間 | 2019年6月12日に受理され、卫食新申字(2019)第0002号 |
(7) 蝉花子実体(人工栽培)(公告案)
名称 | 蝉花子実体(人工栽培) |
情報 | 由来 ノムシタケ科、コリネスポラ属、蝉花子実体(人工栽培) |
製造工程略述 | 蝉花(Isaria cicadae Miq.)菌種を培養基に接種して人工栽培を行い、果実収集、乾燥などの工程で製造する |
食用推奨量 | 乾燥品≤3g/日 |
説明 | 1. 乳幼児、妊婦、乳母及び食用菌アレルギー者を適用除外者とし、ラベル及び取扱書に適用除外者及び食用制限量を記載しなければならない 2. 食品安全標準、汚染物制限量は中国現行の食用菌に関する食品安全国家標準に基づいて執行する。マイコトキシンアフラトキシンB1、アフラトキシンB2、アフラトキシンG1、アフラトキシンG2、デオキシニバレノール、オクラトキシンA、ゼアラレノン及びビューベリシンを検出してはならない |
公告時間/リンク | 2019年11月25日 |
3. 2019年に認可された新規食品原材料(3件)
2019年全年、正式に認可された新規食品原材料は総計3件があります。受理期日から見ると、この3件の新規食品原材料の登録申請周期は2-3年となります。
(1) ラクトバチルス・クルヴァトゥス
名称 | ラクトバチルス・クルヴァトゥス |
ラテン名称 | Lactobacillus curvatus |
説明 | 1. 使用範囲 発酵肉製品、発酵乳及び乳製品(乳幼児食品は除外する)となる。 2. 乳幼児を適用除外者とし、ラベル及び取扱書に適用除外者及び食用制限量を記載しなければならない 3. 食品安全標準は関連した中国国家標準の要求に合致しなければならない |
受理時間 | 2015年12月21日に受理され、卫食新进申字(2015)第0009号 |
意見募集開始期日 | |
正式認可期日 |
(2) アシタバ(明日葉)
名称 | アシタバ(明日葉) |
ラテン名称 | Ashitaba stem and leaf |
情報 | 由来 セリ科、シシウド属、アシタバ(Angelica keiskei) 食用部位 茎と葉 |
食用推奨量 | 新鮮品≤50g/日(乾燥品の食用推奨量は新鮮品に基づいて換算する) |
説明 | 1. 乳幼児、妊婦及び乳母を適用除外者とし、ラベル及び取扱書に適用除外者及び食用制限量を記載しなければならない 2. 食品安全標準は中国現行の野菜に関する食品安全国家標準に基づいて執行する |
受理時間 | 2016年10月28日に受理され、卫食新申字(2016)第0010号 |
意見募集開始期日 | |
正式認可期日 |
(3) ビワの花
名称 | ビワの花 |
ラテン名称 | Loquat flower |
情報 | 由来 バラ科、ビワ属、ビワ(Eriobotrya japonica (Thunb.) Lindl.) 食用部位 花 |
製造工程略述 | ビワの花を原料とし、茎除去、洗浄、乾燥する |
食用推奨量 | 乾燥品≤8g/日 |
説明 | 1. 乳幼児、妊婦及び乳母を適用除外者とし、ラベル及び取扱書に適用除外者及び食用制限量を記載しなければならない 2. 食品安全標準は中国現行の干し野菜(葉菜類)に関する食品安全国家標準に基づいて執行する |
受理時間 | 2017年7月10日に受理され、卫食新申字(2017)第0004号 |
意見募集開始期日 | |
正式認可期日 |
4. 2019年に審査終止した食品原材料(2件)
CIRSの統計によりますと、2019年に審査終止目録に収載された新規食品原材料は総計2件があり、関連した審査終止意見は以下の通りです。新規食品原材料登録の申請企業にとって、審査終止(「実質同等」及び「地方伝統食用習慣」)という結果を取得したら、「認可取得」と同様です。
NO. | 名称 | 審査意見 | 受理期日及び受理番号 |
1 | 金線蘭 (クレマチス) | 同製品は地方伝統食用習慣があるので、「中華人民共和国食品安全法」第29条に基づき、審査終止となる。 | 2011.06.01,卫食新申字(2011)第0013号 2013.09.30,卫食新申字(2013)第0040号 |
2 | アシタバ汁粉 | 中国国家衛生健康委員会(NHC)の公告(2019年第2号公告)に基づき、「アシタバ」は既に新規食品原料として認可された。「アシタバ汁粉」は製造工程以外、その他の指標は「アシタバ」の新規食品原材料認可の公告に基づいて執行(製品の品質標準は企業の品質標準要求に基づいて執行)する。 | 2013.09.27,卫食新进申字(2013)第0025号 |
まとめ
新食品原料(新資源食品)は「三新食品」(新規食品原材料、新規食品添加物、新規食品接触物質)の一員として、その登録申請要求は最も複雑であり、中国当局の審査も最も厳しいです。一般的に、当局受理から正式認可までは2-3年ぐらいの時間が掛ります。中に、当局受理から社会意見募集開始まではせめても1年の時間が掛かります。
ただし、2019年に社会意見募集を開始した新規食品原材料の状況から見ると、短い時間を掛かって受理され、CFSAの技術審査を通過し、社会意見募集を開始した新規食品原材料もあります(例えば、鐵皮石斛原球茎は2019年6月12日に受理され、2019年11月25日に社会意見募集を開始し、僅かな半年を掛かります)。
新規食品原材料登録に所要な周期は、製品自身の特性、使用/食用歴史状況、申請者の十分な研究開発資料、安全性評価資料の準備などに関わります。申請企業は関連した法規制及び政策の規定と執行をしっかり把握し、新規食品原料の登録申請をしっかり準備すべきだと考えております。
※ 2008年以降、中国国家衛生健康委員会は新食品原料(新資源食品)を大体360件を受理し、総計128件を認可し、総計47件を審査終止します。中国新規食品原材料認可リスト及び審査終止リストを確認したい方はCIRSの「新食品原料中国市場進入指南」をご確認ください。
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