フッ素化ガスHFCsのグローバル管理

2016年10月、モントリオール議定書の締約国は、ルワンダの首都でキガリ改正を合意し、18種類のハイドロフルオロカーボン(以下、HFCs)が規制物質として収載されました。キガリ改正によって計画された削減スケジュールによると、2019年から、大部の先進国はHFCsの削減を開始し、2036年までに基準限度からHFCsを85%削減します。中国を含む発展途上国の大多数は、2024年にHFCsの生産と消費を凍結し、2029年に基準限度から10%削減し、2045年までに80%削減する予定です。

キガリ改正に規制された物質のリストは以下のとおりです。

中文名

和訳名参考

商品名

GWP

1,1,2,2-四氟乙烷

1,1,2,2-テトラフルオロエタン

R134

1100

1,1,1,2-四氟乙烷

1,1,1,2-テトラフルオロエタン

R134a

1430

1,1,1-三氟乙烷

1,1,1-トリフルオロエタン

R143

353

1,1,1,3,3-五氟丙烷

1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン

R245fa

1030

1,1,1,3,3-五氟丁烷

1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン

R365mfc

794

1,1,1,2,3,3,3-七氟丙烷

1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン

R227ea

3220

1,1,1,2,2,3-六氟丙烷

1,1,1,2,2,3-ヘキサフルオロプロパン

R236cb

1340

1,1,1,2,3,3-六氟丙烷

1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン

R236ea

1370

1,1,1,3,3,3-六氟丙烷

1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン

R236fa

9810

1,1,2,2,3-五氟丙烷

1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン

R245ca

693

1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-十氟戊烷

1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロペンタン

R43-10mee

1640

二氟甲烷

ジフルオロメタン

R32

675

五氟乙烷

ペンタフルオロエタン

R125

3500

1,1,1-三氟乙烷

1,1,1-トリフルオロエタン

R143a

4470

甲基氟

フッ化メチル

R41

92

1,2-二氟乙烷

1,2-ジフルオロエタン

R152

53

1,1-二氟乙烷

1,1-ジフルオロエタン

R152a

124

三氟甲烷

トリフルオロメタン

R23

14800

ヨーロッパ

2014年、欧州委員会はフッ素化ガスに関するFガス規制とも呼ばれる規制(EU)No 517/2014を発行しました。規制の対象となるのはHFCsだけでなく、パーフルオロカーボンや六フッ化硫黄などの温室効果ガスでもあります。REGULATION(EC)No842 / 2006の増強版として、Fガス規制は2015年1月1日に正式に発効され、関連する企業が影響を受けます。

HFCsの管理内容は、主に以下のとおりです。

  1. HFCsを含む、またはその機能はHFCsに依存する特定の製品および装置の供給禁止。
  2. HFCsまたはその機能を含むHFCsの製品および装置のラベル。
  3. 特定のHFCsの固有の目的、およびF-gasを予め充填(プリチャージ)機器の関連する管理と制御。
  4. ハイドロフルオロカーボン(HFCs)の市場投入に関する規制と監督。

HFCs(付属書I、セクション 1)に基づき、EUは割当制度を採用して総量規制を行います。割当を得るのは主に以下の3つのグループです。

  1. EU域内のガス生産者。
  2. EU域内のガス輸入者。
  3. EU域内のORを通じて割当申請を行う非EUガス生産者。

また、すべてのEUの生産/輸入プリチャージ機器(冷蔵庫など)の事業者も授権されてからガス生産者/輸入者から相応の割当を取得する必要があるし、または授権によって設備生産者から割当を取得して、EU市場に相応のプリチャージ設備(冷蔵庫など)を投入できます。このため、EU市場に投入されたHFCsの総量も厳格に制限できます。

2015年に市場に投入されたHFCsを基準値として、最終的に2030年にEU域内のHFCsの市場投入量を2015年の21%まで制限します。

表1 EU市場で年間HFCs最高量の計算比率

時間(年)

計算比率

2015

100%

2016-17

93%

2018-20

63%

2021-23

45%

2024-26

31%

2027-29

24%

2030

21%

以上の制限措置以外、Fガス規制には他の要求があります。

  • Fガス製品の漏洩検査と、検査員のトレーニングと資質及び検査報告に管理する。
  • Fガス製品の寿命が終わったら、含まれたFガスを適切に処理する必要がある。
  • いかなる生産、使用などが付属書Iと付属書II物質に関わる場合、用途によって異なる内容を報告する必要がある。

米国

2021年5月、米国環境保護庁は、温室効果ガスに関連する規制であるAIM法について社会意見を公募しました。該法はまた、米国におけるキガリ改正の実施の現れでもあります。

AIM法の主な目的は、米国でのHFCsの生産と使用を削減し、最終的に2036年以降の生産と消費されたHFCsは基準値の15%しかないことを目指しています。基準値は、1989年のHCFCsとCFCsの生産量及び2011-2013年度のHFCsの生産量と消費量を参考にして、それぞれ異なる係数を乗じて算定します。

管理対象としての物質は、ギガリ改正に収載された同分異性体を含む18種類の化合物であります。AIM法は各企業の割当を設定することにより、実施総量を管理します。その割当は具体的な生産量や消費量ではなく、HFCsの換算当量に基づいています。

現在の計画によれば、EPAは割当は3つのタイプであります。

  • 生産割当(production allowance)
  • 消費割当(consumption allowance)
  • アプリケーション固有の割当(application-specific allowances)

生産は消費の構成要素として定義されているため、生産企業は両者を同時に申請する必要があり、輸入する時には消費割当のみを申請する必要があります。

EPAは、2017年から2019年にHFCs化合物を生産し、且つ2020年に引き続きHFCs化合物を生産している企業に生産割当を割り当てることと、2017年から2019年にHFCs化合物の生産または輸入、且つ2020年にHFCs化合物を生産または輸入する会社に消費割当を割り当てることを計画しています。新しいHFCs業務に従事する輸入者に対しても、割当の一部を申請することができるが、新たな生産者は、EPAが新しいHFCs工場の建設を推奨しないため、申請できません。また、複数の子会社が関連業務に従事している場合は、各子会社の割当を計算するのではなく、本社の名義で割当が得ることになります。

米国EPAは2021年9月23日にAIM正式法案を発表する予定で、2021年10月1日までに関連割当を計算して決定し、遅くとも10月1日にこれらの割当を発行する予定です。

中国

2021年6月17日、中国の国連駐在代表団は国連事務総長に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書『キガリ改正』」(以下「キガリ改正」)の受諾書を提出しました。該法は2021年9月15日に中国に発効します。「中国で規制されるオゾン層破壊物質リスト(改訂意見募集稿)」の意見募集に関する書簡の発表と、EUと米国の相関法案から見ると、中国もHFCsの割当制度の施行することが分かります。

キガリ改正によると、中国では遅くとも2029年に上記HFCsの使用を削減します。条例草案では、オゾン層物質(ODS)と水素フッ素化物(HFCs)の2種類の物質をそれぞれ管理し、生産・使用・販売・輸出入などの事業ではすべてこの条例の影響を受けます。

その最終目的は、冷却剤、発泡剤、消火剤、溶剤、洗浄剤、加工補助剤、殺虫剤、エアロゾル、膨張剤などの制御用途としてのODSの生産と使用を段階的に廃絶することであり、それに冷却剤、発泡剤、消火剤、溶剤、洗浄剤、エアロゾルなどの制御用途であるHFCs関連製品の生産と使用を段階的に削減するためのであります。

下記の活動に従事するには割当許可証を申請する必要があります。

  1. ODSとHFCsの生産。
  2. 総量規制を実行する免除された制御用途の使用。
  3. ODSとHFCsの輸出入。

以下の活動に従事する場合は、本条例の規定に従って届出をしなければなりません。

  1. ODSとHFCsとその混合物の販売。
  2. 総量制御免除制御用途以外の制御された用途の使用と原料用途の使用。
  3. ODSとHFCsを含む冷凍設備、冷凍システムまたは消火システムを含む修理経営活動(以下、修理と略称する)に従事すること。
  4. ODSとHFCsの回収、再生再利用または廃棄などの経営活動を主要業務とするもの。

草案の規定により割当を申請する企業は毎年10月31日までに国務院生態環境主管部門に翌年度の割当許可証申請表を提出しなければなりません。主管部門は毎年12月20日までに申請単位の翌年度割当に対する審査と公示を完成し、条件に合致した場合、翌年度の割当許可証を発行し、公告します。

輸出入が「輸出入規制対象オゾン層破壊物質とHFCs名録」に収載されたODSとHFCsは、本条例の規定により国家ODSとHFCs輸出入管理機構に割当を申請しなければなりません。

届出が必要な単位(使用と販売を含む)は毎年11月30日に主管機関に翌年度の届出を行うべきです。

以上のように、高GWP冷媒を段階的に廃絶するのは必然的なことであります。中国の企業は研究開発能力や対外協力を強化し、高効率低GWPの新型冷媒を早速に開発し、あるいは生産して製品の入れ替えを行うべきであります。市場全体には、企業製品の輸出が現地のORに申請割当を委託してから、EUにHFCsを輸出することができます。米国に輸出する場合、現地に会社を設立するか、輸入者から関連割当を申請するかを考えられます。

以前は米国で冷媒輸入に従事していた子会社がある場合には、法規実施後は積極的に割当申請を行わなければなりません。中国でHFCsガスを生産または輸入する企業は、法規ニュースに注目し、関連管理条例の実施後、即時的に相応の法規義務を履行し、一定の期間内に関連する生産と経営活動は大きな影響を受けないことができます。

欧米・中国では、繊維、皮革製品、家具、カーペット、コンビニエンスフード包装の表面防汚処理剤の生産に使用されるPFOAおよびPFOS関連化合物の規制詳細は、ヨーロッパ・米国・中国でのPFOAとPFOSの管理をクリックしてご覧ください。



 

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