ヨーロッパ・米国・中国でのPFOAとPFOSの管理

パーフルオロオクタンスルホン酸とその塩、及びパーフルオロオクチルスルホニルフルオリド(以下、PFOSと略称)は、疎油性と疎水性の両方もつことから、繊維、皮革製品、家具、カーペットなどの防汚表面処理剤の製造などに幅広く利用されています。ペルフルオロオクタン酸とその塩および関連化合物(以下、PFOAと略称)は主に、家庭用品(焦げ付き防止調理器具鍋など)の表面処理やコンビニエンスフードの包装に使用されています。

上記の2種類の製品は難分解性、生物蓄積性と毒性があるため、それぞれ異なる時期にストックホルム条約に制限されており、全世界で厳格に管理されています。特定の除外用途や特定の用途を除い、市場上では徐々に廃絶されています。以下はこの二つの物質のヨーロッパ、米国、中国における管理状況を分析してみます。

ヨーロッパ:

ヨーロッパにおいては、ストックホルム条約の附属書に収載されている物質を管理するための規制である残留性有機汚染物質に関する条約(以下、POPsと略称)があり、主な目的は以下の通り:

  • 難分解性有機汚染物質の生産、市場投入及び使用を禁止又は厳格に制限する
  • 工業副産物としての難分解性有機汚染物質の環境排出を最小限に抑える
  • 制限された難分解性有機汚染物質の保管が安全に管理されていることを確保する
  • 難分解性有機汚染物質からなる、または汚染された廃棄物を環境に無害化処理するようになる。

POPsの対象物質はこちらを参照。

PFOSなどは、2010年に厳格に管理されており、製造・市場投入・使用は禁止されています。

2020年に、PFOAの含有製品はPOPs規制に追加されています。同様に、少数の除外用途または特定の用途を除い、他の用途は製造・市場投入・使用が禁止されています。

実際、EUではPFOSとPFOAの2種類の製品は淘汰され、厳格に管理された物質であり、EUに輸出する場合、製品または製品成分がPOPsに記載されているかどうかに特に注意を払う必要があります。

米国:

ヨーロッパや中国とは異なり、米国の主要なPFOSメーカーである3Mは、2004年にPFOSの含有製品の販売・使用を完全に停止しました。もう一つの主要メーカーであるDuPontは、PFOAの製造と使用を段階的に廃絶することをEPAと合意しました。EPAのPFOAの自主削減計画によると、他のメーカーは2015年にPFOA排出量をゼロに達成しました。 したがって、米国には現在、PFOSとPFOAを含有する製品を管理するための規制がありません。現在、主にEPAが主導されるPFAS(PFOSとPFOAに焦点を当てる)に対する若干の計画を策定しました。

  1. 安全飲料水中のPFOSとPFOAの量を管理する。
  2. 特定のPFASの含有製品を有毒物質名録に追加され、PFOA及び関連化合物はSNURによって管理される。
  3. PFOSとPFOAを「包括的環境対策・補償・責任法(CERCLA)」の危険物質として追加される。

2020年2月、「安全飲料水法(Safe Drinking Water Act)」によると、EPAはPFOSとPFOAを管理することを提案しました。当初の計画は、飲料水中のPFOSとPFOAに関する重要な情報を州または地域のコミュニティに提供することであり、最終的に積極的な監督が必要な場合、EPAはPFOSとPFOAの全国的な飲料水監督管理を確立する予定です。

2020年2月、環境保護庁はPFOSやPFOAなどを含む172のPFAS化学物質のリストを発表し、これらの化学物質は有毒物質放出目録の報告対象となっています。 EPAの有害物質排出目録計画は、関連する化学物質の排出と汚染防止活動に関する情報を公衆に提供できる重要なツールです。異なる業界の米国の工場の各部門は、環境に放出された各化学物質の総量、またはリサイクル、エネルギー回収、および廃棄によって管理された量を毎年報告する必要があります。

2015年1月21日、米国環境保護庁は重要新規利用規則(SNUR)を提案し、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)および関連化学物質(製品の構成部分としてのを含む)の製造者(および輸入業者)、加工業者はいかなる製品でこれらの化学品の新利用用途を開始または回復する前に、少なくとも90日前に米国環境保護局に通知する必要があります。SNURsは、EPAが重要な新用途に関連するリスクを評価し、必要であれば、関連イベントが発生する前に、それを監督管理することを強調します。

同時に、多くの州法でもPFOSとPFOAが規制されています。カリフォルニア州の65号令を例にすると、地方の法令として、米国に輸出する際には通常関連する要件を満たす必要があります。2017年には、PFOSとPFOAが規制対象として追加されております。

中国:

現在、輸出入の一環として、中国は主に「中国で厳格に制限する有毒化学品名録」を通じてストックホルム条約に制限された物質を管理しています。最新の2020版では、パーフルオロオクタンスルホン酸とその塩およびパーフルオロオクチルスルホニルクロリド(PFOS/F)がすでに条目1に追加されています。該当製品を輸入または輸出するには、輸出入許可書を申請する必要があり、また、その用途が「ストックホルム条約」の許可用途であることが必要です。PFOAが「ストックホルム条約」に追加されるのが遅いため、「中国で厳格に制限する有毒化学品名録」にはまだ制限されていません。今後、PFOAが名録に追加収載される可能性が高いと考えられます。

また、PFOSは「優先制御化学品名録」(第一組)に追加され、PFOAは優先制御化学品名録」(第二組)に追加され、いずれも「国が激励する有毒有害原料(製品)代替品目録」に収録されました、代替されることが推奨されているものです。

「産業構造調整指導目録(2019年本)」によると、パーフルオロオクチルスルホニル化合物(PFOS)およびパーフルオロオクタン酸(PFOA)とそれらの塩の代替品と代替技術の研究開発と応用は激励類技術であり、PFOSとPFOAの2種類の製品の廃絶を客観的に推進しました。認められる用途のPFOS及びPFOAの生産装置は制限類に属し、これらの製品の拡大生産も制限されています。

また、PFOS(認められない用途)はすぐに廃絶すべき製品とみなされ、生産段階と輸出入段階では、厳格に制限されています。PFOAは政策面では激励されない製品であり、将来的には廃絶製品として管理される可能性があります。

このため、中国ではPFOSはすでに生産と輸出入の段階から厳格に管理されており、PFOAも厳しく管理される見込みです。

以上のように、ヨーロッパ・米国・中国においては、PFOSとPFOAの二種類の製品は事実上、今後、厳格な規制が行われます。企業は適時に関連する法規に留意し、早めに代替案を作成し、自社の製品が影響を受けることを避ける必要があります。



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