新食品添加物登録申請状況のまとめ(2021.01.01~2021.06.30)
Source: CIRS

2021年1月1日から2021年6月30日まで、中国国家衛生健康委員会(NHC)は「三新食品」(新食品原料、新規食品添加物、新規食品接触物質)の形式で総計3件の公告(2020年第9号2021年第2号2021年第5号)を公表し、新食品原料、新規食品添加物及び新規食品接触物質を含む総計37件の登録申請を認可しました。中に、新規食品添加物(使用範囲拡大の申請も含む)は総計17件があります。

また、中国国家衛生健康委員会(NHC) 及び中国国家食品安全リスク評価中心(CFSA)のウェブサイト情報によりますと、2021年上半期、中国国家衛生健康委員会(NHC)は総計25件の新規食品添加物登録申請を受理し、総計22件の新規食品添加物(使用範囲拡大の申請も含む)意見募集稿を公表しました。

CIRSは2021年上半期中国新規食品添加物の受理状況及び審査認可状況をまとめて紹介いたします。


1. 2021年上半期に登録申請を受理した新規食品添加物(25件)

2021年上半期、中国国家衛生健康委員会(NHC)は総計25件の新規食品添加物登録申請(使用範囲拡大の申請も含む)を受理しました。全ての受理番号は「卫食添新申字」の形式で示しますので、中国国産か輸入製品か区別できません。

中に、β-グルカナーゼ(卫食添新申字(2021)第0003号)、植物カーボンブラック(卫食添新申字(2021)第0006号)は既に2021年4月13日に不認可決定書を発出し、ソルビン酸カリウム(卫食添新申字(2021)第0011号)は既に2021年6月18日に不認可決定書を発出しました。

NO.

受理時間

受理番号

名称

1

202018

食添新申字(2021)0001

グルタミナーゼ

2

202018

食添新申字(2021)0002

アドバンテーム

3

2020111

食添新申字(2021)0003

β-グルカナーゼ

4

2020120

食添新申字(2021)0004

カードラン

5

2020120

食添新申字(2021)0005

グルタミントランスアミナーゼ

6

2020125

食添新申字(2021)0006

植物カーボンブラック

7

2020125

食添新申字(2021)0007

スクラロース

8

202033

食添新申字(2021)0008

パプリカオイル樹脂

9

202033

食添新申字(2021)0009

パプリカレッド

10

202033

食添新申字(2021)0010

パプリカレッド

11

202038

食添新申字(2021)0011

ソルビン酸カリウム

12

2020315

食添新申字(2021)0012

植物カーボンブラック

13

2020318

食添新申字(2021)0013

植物源組み換え人乳ラクトフェリン

14

2020319

食添新申字(2021)0014

マルトジェニックアミラーゼ

15

2020322

食添新申字(2021)0015

リパーゼ

16

2020322

食添新申字(2021)0016

ラクターゼ

17

2020326

食添新申字(2021)0013

ホスホリパーゼ A1

18

2020412

食添新申字(2021)0017

スクラロース

19

2020517

食添新申字(2021)0018

クルクミン

20

2020527

食添新申字(2021)0019

二酸化ケイ素

21

202061

食添新申字(2021)0020

キノリン黄色淀

22

202062

食添新申字(2021)0021

プルラン

23

202064

食添新申字(2021)0022

アセスルファムカリウム

24

202064

食添新申字(2021)0023

アセスルファムカリウム

25

2020616

食添新申字(2021)0024

ナイシン


2. 2021年上半期に技術審査を通過して社会意見を募集した新規食品添加物(22件)

2021年上半期、CFSAの技術審査を通過し、社会意見を募集した新規食品添加物は総計22件があります。中に、食品工業用酵素製剤は12件あり、新規食品用香料は1件あり、使用範囲拡大の食品添加物は8件あり、使用範囲拡大の食品工業用加工助剤は1件あります。中に、ほぼは2020年に受理された登録申請となります。(詳しくは2020年新食品添加物登録申請状況のまとめにてご確認ください)

1) 社会意見を募集した新規食品工業用酵素製剤(12件)

NO.

名称

由来

ドナー

認可状況(2021630日まで)

1

4-α-グルカノトランスフェラーゼ

4- α- glucanotransferase

エアリバチルスパリダス

Aeribacillus pallidus

2021218に社会意見募集を開始した

2

α-アミラーゼ

Alpha-amylase

アスペルギルスニガー

Aspergillus niger

Rhizomucor pusillus

3

ポリガラクチュロナーゼ

Polygalacturonase

トリコデルマリーゼイ

Trichoderma reesei

アスペルギルスツビンゲンシス

Aspergillus tubingensis

4

ペクチンエステラーゼ

Pectin esterase

トリコデルマリーゼイ

Trichoderma reesei

アスペルギルスツビンゲンシス

Aspergillus tubingensis

5

ホスホイノシチドホスホリパーゼC

Phosphoinositide Phospholipase C

バシラスリケニフォルミス

Bacillus licheniformis

シュードモナス

Pseudomonas sp.

6

ホスホリパーゼC

Phospholipase C

バシラスリケニフォルミス

Bacillus licheniformis

バチルスチューリンゲンシス

Bacillus thuringiensis

7

キシラナーゼ

Xylanase

トリコデルマリーゼイ

Trichoderma reesei

テルモポリスポラフレクソーサ

Thermopolyspora flexuosa

8

グルコアミラーゼ

Glucoamylase

アスペルギルスニガー

Aspergillus niger

Gloeophyllum trabeum

9

リパーゼ

Lipase

トリコデルマリーゼイ

Trichoderma reesei

フザリウムオキシスポルム

Fusarium oxysporum

10

プロテアーゼ

Protease

アノキシバチルス

Anoxybacillus caldiproteolyticus

2021412に社会意見募集を開始した

11

グルタミナーゼ

Glutaminase

バシラスリケニフォルミス

Bacillus licheniformis

バシラスリケニフォルミス

Bacillus licheniformis

12

キシラナーゼ

Xylanase

トリコデルマリーゼイ

Trichoderma reesei

アスペルギルスツビンゲンシス変種

Aspergillus niger var. tubingensis

※ 食品工業用酵素製剤の品質規格要求は「GB 1886.174 食品安全国家標準 食品添加剤 食品工業用酵素製剤」の規定に合致しなければなりません。

2) 社会意見を募集した新規食品用香料(1件)

NO.

名称

機能

食品分類番号

食品名称

最大使用量(g/kg

認可状況(2021630日まで)

1

ソーマチン

食品用香料

食用香料に調製された後に各種食品に使用(「GB 2760 - 2014」表B.1の食品類別は除外)

製造必要から、適量使用

2021412に社会意見募集を開始した

3) 社会意見を募集した使用範囲拡大の食品添加物(8件)

NO.

名称

機能

食品分類番号

食品名称

最大使用量(g/kg

認可状況(2021630日まで)

1

スクラロース

甘味料

08.03.01

ソースミート、シチューミート類製品

0.35

2021218に社会意見募集を開始した

2

アドバンテーム

甘味料

14.04

炭酸飲料

0.006

2021412に社会意見募集を開始した

3

グルタミントランスアミナーゼ

安定剤

固結剤

01.02.02

風味発酵乳

0.3

01.06.01

非熟化チーズ

4

カードラン

安定剤

固結剤

増粘剤

08.02.01

半料理の肉製品(生肉に調味料を添加)

製造必要から、適量使用

14.06.03

即食コーヒー

16.03

コラーゲンケーシング

5

パプリカレッド

着色料

08.02.01

半料理の肉製品(生肉に調味料を添加)

製造必要から、適量使用

6

ショ糖脂肪酸エステル

乳化剤

01.05.01

クリーム

2.5

7

パプリカレッド

着色料

16.07

その他(コンニャクゲル製品のみ)

製造必要から、適量使用

2021528に社会意見募集を開始した

8

パプリカオイル樹脂

増味料

着色料

16.07

その他(コンニャクゲル製品のみ)

製造必要から、適量使用

4) 社会意見を募集した使用範囲拡大の食品工業用加工助剤(1件)

NO.

名称

機能

使用範囲

認可状況(2021630日まで)

1

白鉱油

離型剤

潤滑剤

新鮮酵母製品の加工工程(最大使用量は「1.5 g/kg」となる)

2021528に社会意見募集を開始した


3. 2021年上半期に認可された新規食品添加物(17件)

2021年上半期、中国国家衛生健康委員会(NHC)は総計17件の新規食品添加物を認可しました。中に、新規食品工業用酵素製剤は6件あり、新規食品栄養強化剤は1件あり、新規食品工業用酵素製剤は1件あり、使用範囲拡大の食品添加物は6件あり、使用範囲拡大の食品栄養強化剤は1件あり、使用範囲拡大の食品工業用加工助剤は2件あります。

1) 認可された新規食品工業用酵素製剤(6件)

NO.

名称

由来

ドナー

受理、社会意見募集、認可公告(2021630日まで)

1

β-アミラーゼ

beta-amylase

バシラスリケニフォルミス

Bacillus licheniformis

バチルスフレクス

Bacillus flexus

2020312日に受理され、受理番号は「食添新申字(2020)0006」となる

2020713に社会意見募集を開始した

202117に正式に認可された

2

α-アミラーゼ

Alpha-amylase

バシラスリケニフォルミス

Bacillus licheniformis

サイトファガ菌

Cytophaga sp.

受理状況に関する情報は不明

2020927に社会意見募集を開始した

2021220に正式に認可された

3

プロテアーゼ

Protease

バチルスサブティリス

Bacillus subtilis

サームスエクアティカス

Thermus Aquaticus

受理状況に関する情報は不明

20201112に社会意見募集を開始した

2021220に正式に認可された

4

ラクターゼ

Lactase

バチルスサブティリス

Bacillus subtilis

ビフィドバクテリウムビフィダム

Bifidobacterium bifidum

2020526日に受理され、受理番号は「食添新申字(2020)0026」となる

2020927に社会意見募集を開始した

2021220に正式に認可された

5

プロテアーゼ

Protease

バチルスサブティリス

Bacillus subtilis

バシラスアミロリケファシエンス

Bacillus amyloliquefaciens

受理状況に関する情報は不明

20201225に社会意見募集を開始した

2021425に正式に認可された

6

ホスホイノシチドホスホリパーゼC

Phosphoinositide phospholipase C

シュードモナスフルオレッセンス

Pseudomonas fluorescens

土から分離されるホスホイノシチドホスホリパーゼC遺伝子をエンコーディングする微生物

2020721日に受理され、受理番号は「食添新申字(2020)0042」となる

20201225に社会意見募集を開始した

2021425に正式に認可された

※ 食品工業用酵素製剤の品質規格要求は「GB 1886.174 食品安全国家標準 食品添加剤 食品工業用酵素製剤」の規定に合致しなければなりません。

2) 認可された新規食品栄養強化剤(2件)

NO.

名称

食品分類番号

食品名称

使用量(g/kg

受理、社会意見募集、認可公告(2021630日まで)

1

ビタミンK2(合成法)

01.03.02

調製粉乳(児童用調製粉乳のみ)

420 μg/kg~750 μg/kg

受理状況に関する情報は不明

202061に社会意見募集を開始した

202117に正式に認可された

調製粉乳(妊婦、産婦用調製乳のみ)

340 μg/kg~680 μg/kg

3) 認可された新規食品工業用加工助剤(1件)

NO.

名称

機能

使用範囲

受理、社会意見募集、認可公告(2021630日まで)

1

亜酸化窒素

推進剤

起泡剤

01.05 クリーム(ライトクリーム)及びその類似品の加工工程

02.02 水油状脂肪乳化製品(植物性ミルクのみ)の加工工程

02.02 類以外の脂肪乳化製品、ミックス及び(或は)調味される脂肪乳化製品(植物性クリームのみ)の加工工程

2020721日に受理され、受理番号は「食添新申字(2019)0031」となる

202061に社会意見募集を開始した

202117に正式に認可された

4) 認可された使用範囲拡大の食品添加物(6件)

NO.

名称

機能

食品分類番号

食品名称

最大使用量(g/kg

受理、社会意見募集、認可公告(2021630日まで)

1

ガティガム

乳化剤

13.05

その他の特殊膳食用食品(10歳以上の対象者に適用される特殊医学用途調整食品に限り)

3.0

2018511日に受理され、受理番号は「食添新申字(2018)0011」となる

2020713に社会意見募集を開始した

202117に正式に認可された

2

アルギン酸ナトリウム

安定剤

13.05

その他の特殊膳食用食品(13ヶ月齢-10歳の特殊医学用途調整食品中のアミノ酸代謝異常調整食品に限り)

1.0(13-36ヶ月齢の対象者に適用される製品)

2020120日に受理され、受理番号は「食添新申字(2020)0005号」となる

二回社会意見募集した

202061に社会意見募集を開始した

2020927に社会意見募集を開始した

202117に正式に認可された

製造必要から、適量使用(37ヶ月齢-10歳の対象者に適用される製品)

3

二酸化ケイ素

固結防止剤

04.04.03

その他の豆製品(豆腐花粉のみ)

15.0

2020430日に受理され、受理番号は「食添新申字(2020)0018」となる

2020927に社会意見募集を開始した

2021220に正式に認可された

4

トマト紅色素

着色剤

05.02.02

ガムベースキャンデー以外のキャンデー

0.25

202085日に受理され、受理番号は「食添新申字(2020)0044」となる

20201112に社会意見募集を開始した

2021220に正式に認可された

12.10.02

半固体複合調味料

0.125

5

カードラン

増粘剤

04.01.02.05

ジャム

製造必要から、適量使用

二回受理された

2020817日に受理され、受理番号は「食添新申字(2020)0046」となる

20201023日に受理され、受理番号は「食添新申字(2020)0060」となる

二回社会意見募集した

2020927に社会意見募集を開始した

20201112に社会意見募集を開始した

2021220に正式に認可された

04.04.01.05

新型豆製品(大豆タンパク及びその膨化食品、大豆素肉)

06.05.02.04

粉圓(タピオカボール)

16.07

その他(コンニャクゲル製品のみ)

6

タマリンド多糖類ガム

増粘剤

04.01.02.05

ジャム

5.0

受理状況に関する情報は不明

2020927に社会意見募集を開始した

2021220に正式に認可された

04.01.02.08.05

果物ケーキ類

20.0

14.02.03

フルーツ、野菜の汁(果肉)類飲料

3.0(即飲状態で計算する。固体飲料は希釈倍数に基づいて使用量を換算する)

5) 認可された使用範囲拡大の栄養強化剤(1件)

NO.

名称

食品分類番号

食品名称

使用量(g/kg

受理、社会意見募集、認可公告(2021630日まで)

1

6S-5-メチルテトラヒドロ葉酸カルシウム

13.05

13.01~13.04以外のその他の特殊膳食用食品(妊婦及び乳母の栄養補充食品、スポーツ栄養食品に限り)

使用量は「GB 31601-2015食品安全国家標準妊婦及び乳母の栄養補充食品」及び「GB 24154-2015食品安全国家標準運動栄養食品通則」中の「葉酸」に関する要求に合致しなければならない

受理状況に関する情報は不明

2020927に社会意見募集を開始した

2021220に正式に認可された

6) 認可された使用範囲拡大の食品工業用加工助剤(2件)

NO.

名称

機能

使用範囲

受理、社会意見募集、認可公告(2021630日まで)

1

ブタン

推進剤

ベーカリー食品用スプレーリリースオイルの加工工程

202086日に受理され、受理番号は「食添新申字(2020)0045」となる

20201112に社会意見募集を開始した

2021220に正式に認可された

2

リン酸(湿法)

精製脱ガム、発酵用栄養物質

油脂加工工程、発酵工程

2020616日に受理され、受理番号は「食添新申字(2020)0032」及び「食添新申字(2020)0033」となる

20201112に社会意見募集を開始した

2021220に正式に認可された


まとめ

2021年上半期新規食品添加物の社会意見募集状況と認可状況から見ると、新規食品工業用酵素製剤の数量が多い(登録認可総件数の35.3%を占め、社会意見募集総件数の54.5%を占める)です。また、2021年上半期にもただ1件の新規食品工業用加工助剤(亜酸化窒素)を認可しました(2015年以来、食品工業用加工助剤領域は総計17件の登録申請を認可しましたが、その他16件の認可は全て使用範囲拡大の申請となります)。

新規食品添加物の登録申請は三つの段階に分けられます。
  • NHCは申請を受理します。
  • CFSAは技術審査を行い、社会意見を募集します。
  •  NHCは正式に認可します。

一般的に、新規食品添加物の登録申請に1年ぐらいの時間が掛かります。それに対し、使用範囲拡大の申請に所要な時間は少し短いです。新規食品添加物の登録申請が順調的且つ速やかに認可されるために、企業は申請する前に全面的に準備すべきだと考えております。

※ 中国当局ウェブサイドの変更及びデータ移行の原因で、上述したまとめは漏れる恐れもあります。当文章は参考用のみとなり、詳細は中国当局のウェブサイトをご確認ください。






お問い合わせ

service@cirs-group.com