化学産業がCBAMの対象となる可能
Source: CIRS

5月17日午後、欧州議会の環境委員会(ENVI)は、賛成49票、反対33票、棄権5票で、炭素国境調整メカニズム(CBAM)の炭素税の設置に関する規制案の報告書を可決しました

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現在、欧州議会による公開された情報から見て、ENVIによって起草されたこのCBAM立法報告書は、欧州議会の立場を表して、昨年7月に欧州委員会によって発表されたCBAM草案と比べ、対象範囲は広くなり、施行時間も早くなります。

より幅広い対象範囲

欧州委員会によってCBAM草案の付属書1で提案されている5産業(電力、鉄鋼、セメント、アルミニウム、肥料)を除き、欧州議会は、石油精製、水素製造、有機化学品、ポリマーなどの炭素集約型産業もCBAMの対象とすることを提案しました。

欧州議会はまた、欧州産業のCO2のコストをより適切に反映するために、間接排出(その電力を使うユーザー〈企業や家庭など〉に、電力消費量に応じてCO2排出量を割り当てて計算したもの)の排出量も含まれており、CBAMの対象となることと考えています。

より早い施行時間

欧州議会は、CBAMは2023年1月1日から実施される予定であり、移行期間は2024年までで、欧州委員会の提案より1年早い、2030年までにEU-ETSのすべての産業に完全に施行される必要があり、欧州委員会の提案より5年早いだと述べました。

より公平なメカニズム

EU-ETSで保護されているEU業界に与えられているすべての無償配分が、2030年に完全に廃止された後、CBAMはEU-ETSの業界全体にサービスを提供します。欧州議会は、二重保護を回避するために、CBAMとEU-ETSの間の一貫性が不可欠であることを強調しました。

EUレベルでの統一されたCBAM機関の設立は、27の加盟国機関の設立よりも効率的で、透明性があり、費用対効果が高いです。EUの気候目標と国際的な承諾の達成に役立つために、炭素税からの収入については、後発開発途上国(LDCs)での製造業の脱炭素化支援のための資金提供になります。

3月に欧州理事会が提出されたWTOの適合性と所得配分の問題について、欧州議会はEU-ETSの無料配分を廃止し、炭素税からの収入は後発開発途上国(LDCs)での製造業の脱炭素化支援のための資金提供になることが、EU企業の不満を引き起こす可能性があります。

草案が発表された一年後の現在、ENVIは最終的に合意に達してCBAMの規制草案を策定し、6月6日から6月9日まで欧州議会によって投票されました。可決された場合、欧州議会、欧州理事会、および欧州委員会は、EU炭素税法案の最終版の決定について交渉します。しかし、最近、エネルギーの独立性の問題がますます深刻になっている国際的な状況において、EUの地元産業の利点を損なう急進的な計画であるENVIが円滑に投票を通過されるかどうかについては依然として不確実性が高いです。

化学産業に対するCBMAの影響

EU CBAMが一旦実施されると、世界初の「炭素税」となり、世界中で新たな貿易紛争を引き起こす可能性があります。化学産業が炭素税の対象となると、関連する化学製品の輸出コストを増加させ、産業に圧力をかけるでしょう。中国の輸出業者は、EU CBAMの動向、特にその実施範囲に細心の注意を払い、事前に炭素削減に備える必要があります。

 

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