化粧品の輸出入における絶滅危惧野生動植物種の問題について
Source: CIRS

「絶滅危惧野生動植物種の国際貿易条約」、「中華人民共和国絶滅危惧野生動物輸出入管理条例」、「野生動植物輸出入証明書管理弁法」に基づき、野生動植物及びその製品を輸出入する場合、野生動植物輸出入証明書の管理を実行します。野生動植物輸出入証明書には輸出入許可証明書と種許可証明書が含まれます。「輸出入野生動植物種商品目録」(以下、商品目録と略称する)に輸出入を制限する絶滅危惧野生動植物及びその製品を輸出入する場合、商品目録の中で国家が重点保護されている野生動植物及びその製品を輸出する場合、輸出入許可証明書の管理を実行します。輸出入が前項の商品目録に含まれるその他の野生動植物及びその製品は、種証明管理を実行します。

輸出入貿易において、絶滅危惧種に関わる商品で処罰されることは珍しくなく、特に化粧品の分野では、製品の原材料が絶滅危惧種に関わり、法律法規に基づいて輸出入許可証明書や種許可証明書を提供していないため、税関の取り締まりを受けることが多いいです。以下に絶滅危惧種を含む化粧品の輸出入処罰事例4件をまとめ、企業にリスク警告を提供します。

【事例1】

2021年3月5日、上海税関は絶滅危惧種の野生動物「チョウザメ」の成分を含む化粧品を押収しました。この貨物は上海のある会社が出国を申告し、申告品名は「あるブランドの保湿、なだめるキャビア濃縮エキスパック」で、数量は4290件でした。中にはチョウザメの子みそエキスが含まれており、チョウザメは「絶滅危惧野生動植物種国際貿易条約」(CITES)の付録に収載されているため、関連化粧品メーカーは絶滅危惧種の輸出許可証明書を提出しなければなりません。関係者は、出国備案貨物の関税番号の申告が不正確で、許可証明書の監督に影響を与えた疑いがあり、上海税関の密輸防止部門の調査を受けることになりました。

【事例2】

2021年5月12日、皇崗港からある輸入化粧品が入国しました。この化粧品中の第一項目の商品は高麗人参成分を含んでおり、この成分は「絶滅危惧野生動植物種の国際貿易保護条約」の付録に記載された種に該当し、この企業は「絶滅危惧種輸入許可証明書」を提供できず、「非<輸出入野生動植物種商品目録>の種証明書」も提供できず、税関に摘発され、通関申告書の納税価格は12.6万元であり、行政処罰罰金は1.44万元でした。

行政処罰の根拠:「中華人民共和国税関行政処罰実施条例」第十五条(三)項の規定により、国際許可証の管理に影響を与える場合、貨物価値の5%以上30%以下の罰金に処します。

【事例3】

2021年6月、新港税関は絶滅危惧種のイチョウ葉エキスを含むシャンプー、計1.7万本が押収されました。新港税関は広州のある貿易会社が輸入を申告したシャンプーを検査した際、企業が規格番号を申告した際にイチョウ成分を申告しておらず、製品には実際にイチョウ葉エキスが含まれていると発見しました。イチョウは国家一級重点保護植物に属し、「絶滅危惧種輸入許可証明書」や「種証明書」を審査する必要があるが、企業は提供できず、すでに報告をごまかす手段で税関の監督管理を逃れている疑いがありました。

【事例4】

2021年10月、黄島税関は絶滅危惧種の成分を含む102セットの化粧品を押収しました。税関職員が輸入化粧品の検査を行ったところ、高麗人参、冬虫夏草、鹿の角のエキスなどの成分が含まれていると発見しました。その中で、高麗人参、冬虫夏草は「国家重点保護野生植物リスト」に収録され、鹿の角は「絶滅危惧野生動植物種の国際貿易条約」に関連しています。「中華人民共和国絶滅危惧野生動植物輸出入管理条例」などの法律法規に基づき、企業がこの種類の化粧品を輸入するには絶滅危惧種輸出入許可証明書または種許可証明書を提出しなければなりません。企業が関連証明を提供できなかったため、税関は法に基づき差押え、後続部門に貨物を引き渡して処理しました。

CIRS Groupの化粧品コンプライアンスプラットフォーム()は、従来の中国化粧品原料法規データベースを基礎とし、絶滅危惧野生動植物リストデータベースを新たに発表しました。プラットフォームは従来の「絶滅危惧野生動植物種の国際貿易条約(CITES)」に加え、最新の「国家重点野生植物保護名録(2021)」と「国家重点野生動物保護名録(2021)」を更新し、企業が日常的な配合研究開発と輸出入の段階でリスクを事前に回避できるよう支援しています。