この数年、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド、nicotinamide mononucleotide、略称:NMN、β-NMN)及びその製品は「抗老化」の効能で業界企業および消費者の大注目を引きます。2022年5月、尚科生物医薬(上海)有限公司(SyncoZymes (Shanghai) Co., Ltd.)のNMN原料は米国FDAに新規ダイエタリーサプリメント成分(new dietary ingredient、略称:NDI)として認可し、サプリメントへの使用は可能になりました。世界初めです。ただし、最近、米国FDAはその立場を変わり、NMNはサプリメントとして使用、販売してはならないことを指摘しました。その原因は、NMNは既に新薬として研究しているとのことです。
1. 米国FDA:認可から撤回に変わり、制限性条項との衝突が原因
この数年、NMNをNDIとして米国FDAに申請提出した企業が多いです。ただし、ほぼは「安全性根拠不足」などの原因で拒否されました。2022年5月、尚科生物医薬(上海)有限公司のNMN原料は正式認可(NDI 1247)し、NMNが米国サプリメント製品にての法規制適合使用を開始しました。
ただし、2022年10月11日、FDAは内蒙古金達威薬業有限公司(Inner Mongolia Kingdomway Pharmaceutical Limited (Kingdomway))が提出したNDI申請への返答によりますと、NMNはサプリメントの定義範囲に属しなくて、サプリメントとして販売してはならないことを指摘しました。
その原因について、FDAの返答内容によりますと、NMNは米国「食品、薬品と化粧品法」(FD&C)中のサプリメントに関する定義を違反するとのことです。同法案に基づき、サプリメントは、新薬として研究を授権し、大量的な臨床研究を行い、しかも、研究の存在を公開した成分を含みません。新薬認可する前に既にサプリメントとして市場販売した場合は除きます。そして、最後、FDAの審査で、NMNはサプリメントとして市場販売してはならないことを確認しました。
由来:米国食品医薬品局(FDA)
上述条項のため、2022年11月4日、尚科生物医薬(上海)有限公司もFDAより「元NDI撤回」のお知らせを受けました。2022年11月22日、尚科生物医薬(上海)有限公司は、米国FDAお知らせを受ける際から、既に相関する専門家、弁護士、業界協会などの方と積極的に連絡し、合理的なルートでFDAと更なる交渉し、FDAの決定を撤回し、NMN原料がサプリメントとして米国市場にての販売権利を回復することを努力するとの声明を公布しました。
今回、FDAのこの決定は、NMNの安全性と関係なくて、サプリメントに対する米国の排除性条項が原因だと見られます。或は、新薬研究への保護性政策とも言えます。ただし、一般的に、新薬研究はほぼ秘密なので、例え米国食品安全・応用栄養センター(CFSAN)であっても、知らないことはよくあります。そして、NMNがNDIとして米国FDAに認可された後、相関する医薬品企業の利益に影響する可能性が高いと考えております。
2. こうすると、GRAS申請は相変わらず可能か
GRAS申請の使用範囲はサプリメントを含みません。NMNのGRAS申請は食品添加物用途に適し、FFD&C法案第201(s)条中の「食品添加物」の定義に合致する必要です。以下二つの原因で、今回の事件はNMNのGRAS申請に影響無いと考えております。
① FFD&C法案第201(s)に基づき、「食品添加物」の定義も、「サプリメント」の定義と同じくて「除外」のリストがあります。ただし、「食品添加物」の「除外」リストは「新薬認可」を含みません。
② 成分は21 CFR 170.3(o)中に列記する一種または多種の、物理的または技術的な効能効果に使用しなければなりません。そして、NMNはナイアシン(ビタミンB3)の活性がありますので、170.3(o)(20)に列記する「栄養補充効果」に合致できます。
概して言えば、現時点、NMNは米国サプリメントに使用不可ですが、今回の事件は、NMNが普通食品への使用申請(GRAS申請)に影響無いです。
3. まとめ
NMNが米国サプリメント製品への「禁用」指令は、相関業界に対してはショックに間違いません。CIRSが把握できる情報によりますと、NMNサプリメントの製造企業も相関する協会も、米国FDAとの交渉を積極的に推し進め、NMNがサプリメントに使用できないというピンチを変わることを図ります。CIRSは今回の事件の最新進捗をフォローし続きます。
勿論、米国FDAの指令は、米国域内に製造、販売するNMNサプリメント製品だけに適用します。NMNが世界中ほかの国にての製造、販売に影響ありません。また、今回の争いも、NMNのGRAS申請に影響ありません。
この数年、NMNは話題原料として、世界中の大注目を引いています。中国当局も、NMNの法規制適合性問題について何回の公告を公布しました。現時点、中国において、NMNはまだ認可されていないので、食品としての製造も販売もできません。また、中国国家市場監督管理総局(SAMR)の公的返答内容によりますと、NMNは食品原料としての定位および安全性はまだ不明確で、食品安全国家標準もありません。新食品原料として安全性評価を行うこと、或は食品安全国家標準を明確することをお勧めします。