中国「食品安全法」によりますと、食品は「一般食品」と「特殊食品」の2種類に分けられる。中に、健康食品、乳幼児用調製食品及び特殊医学用途調整食品を特殊食品として分類される。乳幼児用調製食品(乳幼児用調製粉ミルク)は明らかな特徴があるので、消費者が理解しやすくて区分できる。だが、健康食品、特殊医学用途調整食品及び一般食品の概念が混淆的に理解されることがよくある。その区別をより深く理解できること、また食品研究開発及びマーケティング事業へのサポートを目的に、一般食品、健康食品、特殊医学用途調整食品及び薬品に関する内容を比較して紹介する。
1.概念
分類 | 定義 |
一般食品 | 人の食用又は飲用に提供される各種完成品又は原料である。一般食品は一般人に向け、人体に栄養素を提出し、色、香り、味、形などの食感官要求を満たす。 |
健康食品 | 保健機能を有し、疾病治療が目的ではなく、人に急性、亜急性、もしくは慢性的な危害を与えないというものである。中国健康食品業界によりますと、健康食品は栄養補助剤と機能性健康食品に分類される。 |
特殊医学用途調整食品* | 1)食事制限2)消化吸収障害3)新陳代謝異常4)特定の疾病状態にある対象者向け、栄養素又は食事に対する特殊な需要を満たすために、特別な加工調整で作られた調整食品を指す。医師又は臨床栄養士の指導のもとで使用する必要がある。 |
薬品 | 人の疾病の予防、治療、診断に用いるための目的性を持ち、人の生理機能を調節し、かつ適応症、効能治療、用法又用量を明記した物質を指す。 |
* 現在、中国の既存特殊医学用途調整食品は以下のように分類される。
2.製品用途
分類 | 主な用途 |
一般食品 | 人にエネルギー及び栄養素を提供し、人体の正常な代謝を維持する。 |
健康食品 | 人体機能の調節を目的として、血糖値を下げること、栄養素・ミネラルの補給などのような製品の保健効能を強調する。 |
特殊医学用途調整食品 | 栄養摂取を補助して、患者の疾病治療、回復及び人体機能の維持をサポートする。保健効能ではなく、栄養サポートの提供を目的とする。 |
薬品 | 疾病の予防、診断及び治療に用いる。 |
3.配合特徴
分類 | 配合特徴 |
一般食品 | 該当栄養物質を含め、無毒無害。 |
健康食品 | I.効能成分又は代表的な成分を含め、規定の1日当たりの摂取量であれば人体に対して毒性副作用を出ることがなし。 II.一般食品原材料、新規食品原材料、伝統によって食品でありながら漢方薬とみなされる物質(以下、「食薬両用物質」と略称する)などは健康食品に使用することができる。 |
特殊医学用途調整食品 | I.栄養素(タンパク質、脂肪、炭水化物、栄養素、ミネラルなど)が豊富に含まれ、異なる疾病状態にある対象者の特殊な栄養需要を満たす。 II. GB25596/GB29922の関連規定に適合する配合設計で、標準規定以外のその他の生物活性物質の添加が禁止される。 |
薬品 | 活性成分が豊富に含まれ、規定用量による一定範囲の毒性副作用が出ることが許可される。 |
- 乳清タンパク質(粉末):一般食品原材料として、一般食品、健康食品、特殊医学用途調整食品に使用できる。
- ケツメイシ(决明子):食薬両用物質として、一般食品、健康食品に使用できるが、特殊医学用途調整食品に使用できない。
- ロディオラ(紅景天):健康食品に使用でき、一般食品、特殊医学用途調整食品に使用できない。
4.摂取方法及び摂取量
分類 | 摂取方法/用法 | 摂取量/用量 |
一般食品 | 飲み薬 | 規定摂取量なし |
健康食品 | 飲み薬 | 1日当たりの摂取量が明記されること |
特殊医学用途配合食品 | 飲み薬又は経管チューブ | 医師又は臨床栄養士の指導のもとで使用すること |
薬品 | 飲み、注射、塗布など多数の摂取方法がある | 用量制限があり、使用は医師の指導によること |
5.製品形態(剤形)
分類 | 形態(剤形) |
一般食品 | 飴、チョコレート、飲み物、お菓子などの一般食品であるべき形態 |
健康食品 | 錠剤、カプセル、内服薬、顆粒剤などがあり、飲み物、お菓子、飴などの一部の一般食品の形態もある |
特殊医学用途調整食品 | 一般食品に類似し、よくある形態は粉末、液体 |
薬品 | 錠剤、カプセル、注射剤、丸剤、外用塗り薬、外用膏剤など |
6.登録・届出要求
分類 | 管理方式 | 関連法規 |
一般食品 | 登録又は届出要求がなし | / |
健康食品 | 登録又は届出 | |
特殊医学用途調整食品 | 登録 | |
薬品 | 登録 | 薬品登録管理弁法 |
7. ラベル表示
分類 | ラベル表示 |
一般食品 | I.栄養含有量がGB28050の規定要求に適合する場合、食品ラベルに含有量又は効能を示すことができる。表示用語は関連規定に従わなければならない。 II.保健効能、或は疾病予防や治療の作用を掲げてはならない。 |
健康食品 | I.血糖低下、ビタミンCの補給などの許可された特定保健効能が表示できる。 II.疾病予防や治療の作用を掲げてはならない。 |
特殊医学用途調整食品 | I.配合/栄養学の特徴を説明し、製品の類別によって適用対象者や特殊医学状況を記載する。 II.保健効能、或は疾病予防や治療の作用を掲げてはならない。 |
薬品 | 適応症または主な効能を記載する。 |
8.まとめ
上述した内容によりますと、健康食品及び特殊医学用途調整食品は食品の大きな分類であり、使用目的、製品安全性などの方面で薬品と全く異なっている。薬品は疾病の予防又は治療に用いるが、食品はそのような効能がない。薬品は人体に一定範囲の副作用が出ることが許可されるが、食品は人に急性、亜急性、もしくは慢性的な危害を与えないことが求められる。
一般食品、健康食品及び特殊医学用途調整食品に関するよくある区別が下表の通りである。食品企業は、製品研究開発やラベル設計などの業務を展開する場合、まず該当食品の定義及び用途を明確にしなければならない。市場ポジショニングによって開発製品を決定し、適合性に関する宣伝活動を行うことが重要だと考える。
内容 | 一般食品 | 健康食品 | 特殊医学用途調整食品 |
保健効能の表示 | 不可 | 可 | 不可 |
疾病の予防又は治療 | できず | できず | できず |
主な用途はエネルギーと栄養素の提供 | はい | いいえ | はい |
経口以外の摂取方法 | 無し | 無し | 有り、経管チューブ |
適用対象者又は摂取量制限 | 無し | 有り | 有り |
医師又は臨床栄養士の指導のもとで使用すること | 不要 | 不要 | 必要 |
食薬両用物質の使用 | 可 | 可 | 不可 |
人体に一定範囲の副作用が出ることの許可 | 不許可 | 不許可 | 不許可 |