中国における新規化学物質の登録について
「新化学物質環境管理登録指南」においては、申請に際して提出すべきデータは、原則として試験報告書に基づくことが求められております。ただし、実験によるデータの取得が困難である等の特別な事情がある場合には、定量的構造活性相関(Quantitative Structure-Activity Relationship: QSAR)、類似物質によるRead-across、公表された信頼性の高い文献、または公的に認められたデータベース等に基づく非試験データの提出も認められております。
なお、非試験データを提出する場合には、当該手法を用いた理由、使用方法、データの出典およびその妥当性に関する根拠等について、十分な説明する必要があります。
QSAR モデルによる予測データの使用に関する要件:
- 90 日間反復投与毒性
- 生殖毒性/発生毒性(2 種類以上の試験結果)
- 毒物動態(トキシコキネティクス)に関する特性
QSARモデル予測データの品質要件
申請データがQSARモデル予測に由来する場合、以下の条件を同時に満たし、関連する説明資料を提出する必要があります:
1) QSARモデルは科学的妥当性および有効性を有すること
すなわち、明確に定義された毒性エンドポイントまたは環境指標を有し、モデルアルゴリズムが明示されていること、適用可能なアプリカビリティドメインを持ち、適切な当てはまり(フィッティング)、安定性および予測能力が確認されていることが必要です。可能な限り、予測のメカニズムについての説明がなされていることが望まれます。
2) 対象となる新規化学物質がQSARモデルの適用範囲内に含まれていること
3) QSARモデルの予測結果が、新規化学物質の環境管理に十分に利用可能であること
(例:新規化学物質の有害性の特定、分類、または環境リスク評価等に活用可能であること)
4) QSARモデルによる予測のプロセスが公開され、透明性が確保されていること
詳細なプロセス文書を提出する必要があります。これには、分子構造パラメータ、モデルアルゴリズム、適用範囲、モデルの当てはまり、安定性および予測性能など、モデルの構築および検証に関する文書に加え、モデルの使用方法および予測結果の導出に関する手続きの文書等が含まれます(ただし、これらに限定されません)。
EU REACH登録
QSAR予測
REACH規則附属書XIによると、有効なQSARから得られた結論は、特定の有害特性の有無を示すことができます。以下の条件が満たされる場合、QSARの結果は実験試験の代わりに使用できます:
• 科学的妥当性が確立されたQSARモデルから結論が得られること。
• 物質がQSARモデルの適用範囲内に適切に収まっていること。
• 結果が分類、表示、リスク評価などの目的に十分であること。
• 適用される方法の十分に信頼できる文書が提供されていること。
実務においてQSARモデルソフトウェアを用いて化学物質を予測する場合、予測結果の信頼性と妥当性を評価する必要があります。主にQMRF(QSAR Model Reporting Format)およびQPRF(QSAR Prediction Reporting Format)を含むQSAR予測報告書は、ECHA(欧州化学機関)の関連ガイダンス文書に従って発行されるべきです。
EUは、動物実験代替法の推進において最前線に立っており、OECD 497方法の迅速な採用も含まれます。この方法は、皮膚感作性の予測には2つのインビトロ法(OECD 442C + OECD 442E)の結果に加えてQSARモデル予測の結果が必要であると規定しており、QSARモデルの重要性も示しています。
その他の国の化学物質登録
他の国の化学物質規制登録プロセスにおいても、QSARモデルソフトウェア予測は、データギャップを埋めるための重要な手段です。韓国のK-REACH(通常、1-10トン/年のレベル)、英国のUK-REACH、トルコのKKDIK規制などの規則には、QSARモデルを用いてデータギャップを埋めることを許可する関連規定が含まれています。それらの関連要件はEU REACH規則と比較的類似しています。
当社のサービス
• 90日間反復投与毒性QSAR予測報告書(中国新規化学物質登録)
• 生殖/発生毒性データQSAR予測報告書
• 毒性動態QSAR予測報告書
• 皮膚感作性インビトロ法+QSARモデル予測(OECD 497)
• その他の物理化学的/毒性学的/生態毒性学的エンドポイント
