2024年6月24日、中国国家食品安全リスク評価センター(CFSA)は技術審査を通過した9件の新規食品添加物を公布し、社会意見募集を開始しました。中に、
- 新規食品添加物は1件:ステビア配糖体(発酵法)
- 新規食品工業用酵素製剤は3件:グルコアミラーゼ、セリンプロテアーゼ、リパーゼ
- 新規食品用香料は1件:4-ヒドロキシ-2,5-ジメチル-3-(2H)-フラネオール
- 新規食品栄養強化剤は2件:2'-フコシルラクトース(2’-FL)、ラクト-N-テトラオース(LNT)
- 使用範囲、使用量拡大の食品添加物は2件:シクラミン酸ナトリウム、ステビア配糖体
今回の意見募集締切日は2024年7月25日です。
新規食品添加物(1件)
ステビア配糖体(発酵法)
名称:ステビア配糖体(発酵法)
英語名称:Steviol glycosides from fermentation
使用量、使用範囲、品質規格要求
ステビア配糖体(発酵法)の使用範囲、使用量は「GB2760-2024 食品安全国家標準 食品添加剤使用標準」に従って執行。単独使用でき、或はステビア配糖体、ステビア配糖体(酵素法)と混合使用でき、使用制限量はステビオールの当量で計算。
本品質規格要求は、ブドウ糖を原材料として、遺伝子組換え大腸菌BL21(DE3)で発酵した後、殺菌、樹脂処理、濃縮、結晶化、乾燥などの工程で製造される食品添加物ステビア配糖体(発酵法)に適用。ステビア配糖体(発酵法)の製造菌は安全性評価に合格し、しかも、付録Aの要求に合致しなければならない。
付録C ステビア配糖体(発酵法)の製造に用いられる製造菌
食品添加物 | 由来 | ドナー |
ステビア配糖体(酵素法) | Escherichia coli BL21(DE3) | (Taxus canadensisa)a (Stevia rebaudianab)b (Arabidopsis Thalianac)c (Oryza sativad)d |
- Aは、「geranylgeranyl pyrophosphate synthase」のドナー。
- bは、「pyrophosphoric acid synthase、kaurenoic acid synthase、kaurenoic acid oxidase, and cytochrome P450 oxidoreductase and glycosyltransferase」のドナー。
- cは、「cytochrome monooxygenase」のドナー。
- dは、「glycosyltransferase」のドナー。
新規食品工業用酵素製剤(3件)
酵素製剤 | 由来 | ドナー |
グルコアミラーゼ Glucoamylase | Aspergillus niger | Penicillium oxalicum |
セリンプロテアーゼ Serine protease | Fusarium venenatum | Fusarium oxysporum |
リパーゼ Lipase | Komagataella phaffi | Aspergillus oryzae |
- 食品工業用酵素製剤の品質規格要求は「GB 1886.174 食品安全国家標準 食品添加剤 食品工業用酵素製剤」に合致しなければならない。
新規食品用香料(1件)
4-ヒドロキシ-2,5-ジメチル-3-(2H)-フラネオール
名称:4-ヒドロキシ-2,5-ジメチル-3-(2H)-フラネオール
英語名称:4-Hydroxy-2,5-dimethyl-3-(2H)-furanone
品質規格要求:本品質規格要求は、ラムノースを原材料として製造される食品添加物4-ヒドロキシ-2,5-ジメチル-3-(2H)- フラネオールに適用。その他の内容は「GB28365 食品安全国家標準 食品添加剤 4-ヒドロキシ-2,5-ジメチル-3-(2H)- フラネオール」に従って執行。
新規食品栄養強化剤(2件)
2'-フコシルラクトース
名称:2'-フコシルラクトース(2’-FL)
英語名称:2’-fucosyllactose, 2’-FL
使用量、使用範囲、品質規格要求:2'-フコシルラクトースの使用量、使用範囲、品質規格要求は中国国家衛生健康委員会(NHC)2023 年第 8 号公告に従って執行(付録Cの2'-フコシルラクトースの製造菌情報は除く)。当栄養強化剤の製造菌は以下の通り。
2'-フコシルラクトースの製造菌情報
食品添加物 | 由来 | ドナー |
2'-フコシルラクトース 2’-fucosyllactose | Escherichia coli BL21(DE3) | (Bacteroides fragilis)a |
Escherichia coli BL21(DE3) | (Escherichia spp.)a |
- aは、「α-1,2-フコシルトランフエェラーゼ」のドナー
ラクト-N-テトラオース(LNT)
名称:ラクト-N-テトラオース(LNT)
英語名称:Lacto-N-tetraose, LNT
使用範囲および使用量:
食品分類番号 | 食品名称 | 使用量 | 説明 |
01.03.02 | 調製粉ミルク (児童用粉ミルクに限り) | 0.23-1.82 g/L (純品で計算。即食状態で計算。粉末製品は希釈倍数に基づいて使用量を換算) | 2'-フコシルラクトース、ラクト-N-ネオテトラオース、オリゴガラクトース、オリゴフルクトース、ポリフルクトース、ラフィノースと共に使用する時、該類物質の総量は「≤64.5 g/kg」となる。 |
13.01.01 | 乳児調製食品 | ||
13.01.02 | 後期乳児及び幼児調製食品 | ||
13.01.03 | 特殊医学用途乳児調整食品 |
- 品質規格要求:本品質規格要求は、乳糖などを原材料として、発酵、純化、乾燥などの工程で製造される栄養強化剤ラクト-N-テトラオースに適用。ラクト-N-テトラオースの製造菌は安全性評価に合格し、しかも、付録Cの要求に合致しなければならない。
付録C ラクト-N-テトラオースの製造菌情報
食品添加物 | 由来 | ドナー |
ラクト-N-テトラオース Lacto-N-tetraose | Escherichia coli BL21 star (DE3) | (Neisseria spp)a (Salmonella spp.)b |
- aは、「β-1,3-N-acetylglucosamine aminotransferase」のドナー
- bは、「β-1,3-galactosyltransferase」のドナー
使用範囲、使用量拡大の食品添加物(2件)
NO. | 名称 | 食品分類番号 | 食品名称 | 最大使用量(g/kg) | 説明 |
1 | シクラミン酸ナトリウム | 01.02.02 | 風味発酵乳 | 0.65 | シクラミン酸の量で計算 |
16.07 | その他(コンニャクゲル製品に限る) | 1.0 | |||
2 | ステビオ配糖体 | 01.03.02 | 調製粉乳と調製クリームパウダー | 0.3 | ステビオールの当量で計算 |
01.06.04 | プロセスチーズ | 0.4 | |||
04.03.02.03 | 食用菌と食用藻類の漬物 | 0.23 | |||
06.07 | インスタント米麺製品 | 0.4 |
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