2023年10月7日、中国国家衛生健康委員会(NHC)は2023年第8号「三新食品」公告を公布し、4件の新食品原料、6件の新規食品添加物、5件の新規食品接触物質を認可しました。詳細状況は以下の通りです。
CIRSより申請代行した幾つの物質も、この度、正式認可しました。
● 新食品原料(4件)
1. 桃膠
名称 | 桃膠 |
英語名称 | Peach gum |
基本情報 | 由来:バラ科スモモ属植物モモ(Prunus persica (L.) Batsch) |
製造工程 | モモから分泌したゲル状物を原材料として、摘み取り、選択、晒し、洗浄、乾燥などの工程で製造される。 |
摂取推奨量 | ≤30 g/日 |
品質規格要求 | 粗多糖(g/100g):≥60 水分(g/100g):≤15 灰分(g/100g):≤2 |
説明 | 1. 乳幼児、妊婦、乳母は不適用となり、ラベル及び説明書に不適用対象者および食用制限量を記載しなければならない。 2. 食品安全指標は以下規定に満たさなければならない: 鉛Pb/(mg/kg):≤0.5 ヒ素As/(mg/kg):≤0.5 オクラトキシンA/(μg/kg):≤5.0 大腸菌群/(CFU/g):≤100 カビ・酵母/(CFU/g):≤150 黄色ブドウ球菌/(/25g):0 サルモネラ/(/25g):0 |
2. タイガーナッツ
名称 | タイガーナッツ |
英語名称 | Tiger nut |
基本情報 | 由来:カヤツリグサ科カヤツリグサ属植物ショクヨウガヤツリ/タイガーナッツ(Cyperus esculentus L. var. sativus Boeck.) 食用部位:地下茎 |
説明 | 食品安全指標は中国現行食品安全国家標準「ナッツと種子類食品」の規定に従って執行。 |
3. ロイコノストック・メセンテロイデス亜種クレモリス
名称 | ロイコノストック・メセンテロイデス亜種クレモリス |
英語名称 | Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris |
説明 | 1. 「食品に使用可能な菌種リスト」への収載を認可し、使用範囲は乳および乳製品、果物野菜製品、穀物製品の発酵加工を含み、乳幼児食品を含まない。 2. 食品安全指標は以下規定に満たさなければならない: 鉛Pb/(mg/kg):≤1.0(ドライベースで計算) ヒ素As/(mg/kg):≤1.5(ドライベースで計算) サルモネラ/(/25g)(mL):0 黄色ブドウ球菌/(/25g)(mL):0 リステリア・モノサイトゲネス/(/25g)(mL) :0 |
4. ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩
名称 | ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩 |
英語名称 | Pyrroloquinoline quinone disodium(PQQ)salt |
基本情報 | CAS NO.:122628-50-6 分子式:C14H4N2Na2O8 分子量:374.17 構造式: |
製造工程 | メチロボラス・グルコソトロフス(Methylovorus glucosotrophus)を発酵菌種として、発酵、抽出、純化、結晶、乾燥などの工程で製造される。 |
摂取推奨量 | ≤20 g/日 |
品質規格要求 | 性状:赤褐色粉末 ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩含有量(ドライベースの量で計算)/(g/100g):≥98.0 水分/(g/100g):≤12.0 |
説明 | 1. 使用範囲及び最大使用量:飲料(40 mg/kg、固体飲料は溶けた後の液体重量で換算) 2. 乳幼児、妊婦及び乳母は不適用となり、ラベル及び説明書に適用除外者を記載しなければならない。 3. ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩含有量の試験方法は、中国NHC「2022年第1号」公告にてのピロロキノリンキノン二ナトリウム塩含有量試験方法(付録A)を参照。 4. 食品安全指標は以下の要求に合致しなければならない。 鉛Pb/(mg/kg):≤0.5 ヒ素As/(mg/kg):≤1.0 カドミウムCd/(mg/kg):≤0.1 水銀Hg/(mg/kg):≤0.1 一般生菌数/(CFU/g):≤1,000 大腸菌群/(MPN/g):≤3.0 カビ・酵母/(CFU/g):≤100 黄色ブドウ球菌/(/25g):0 サルモネラ/(/25g):0 |
● 新規食品添加物(6件)
1. 新規食品工業用酵素製剤(1件)
名称 | 由来 | ドナー |
セリンプロテアーゼ Serine protease | バシラス・リケニフォルミス Bacillus licheniformis | ノカルディオプシス・プラシナ Nocardiopsis prasina |
※ 食品工業用酵素製剤の品質規格要求は「GB1886.174 食品安全国家標準 食品添加剤 食品工業用酵素剤」の規定に合致しなければならない。
2. 新規食品栄養強化剤(3件)
① 乳酸マグネシウム
- 英語名称:Magnesium lactate
- 使用範囲および使用量:「乳酸マグネシウム」の使用範囲および使用量は「GB 14880 食品安全国家標準 食品栄養強化剤使用標準」に定める「マグネシウム」の状況と一致する。
- 品質規格要求:本品質規格要求は、乳酸と酸化マグネシウム(或は炭酸マグネシウム)の反応で製造される栄養強化剤乳酸マグネシウムに適用します。
② 2'-フコシルラクトース
- 英語名称:2’-fucosyllactose(2’-FL)
- 使用範囲および使用量
食品分類番号 | 食品名称 | 使用量 | 説明 |
01.03.02 | 調製粉ミルク (児童用粉ミルクに限り) | 0.7-2.4 g/L (純品で計算。即食状態で計算。粉末製品は希釈倍数に基づいて使用量を換算) | ラクト-N-ネオテトラオース、オリゴガラクトース、オリゴフルクトース、ポリフルクトース、ラフィノースと共に使用する時、該類物質の総量は「≤64.5 g/kg」となる。 |
13.01.01 | 乳児調製食品 | ||
13.01.02 | 後期乳児及び幼児調製食品 | ||
13.01.03 | 特殊医学用途乳児調整食品 |
- 品質規格要求:本品質規格要求は、乳糖などを原材料として、発酵、純化、乾燥などの工程で製造される栄養強化剤2'-フコシルラクトースに適用します。2'-フコシルラクトースの製造菌は安全性評価に合格し、しかも、付録Cの要求に合致しなければならない。
付録C 2'-フコシルラクトースの製造に用いられる製造菌
栄養強化剤 | 由来 | ドナー |
2'-フコシルラクトース (2'-FL) | 大腸菌K-12 DH1 MDO E. coli K-12 DH1 MDO | ヘリコバクター菌(Helicobacter spp.)a |
大腸菌K-12 MG1655 E. coli K-12 MG1655 | ヘリコバクター菌(Helicobacter spp.)a | |
大腸菌BL21(DE3) E. coli BL21(DE3) | ナイセリア菌(Neisseria spp.)a | |
aは、「α-1,2-フコシルトランスフェラーゼ(α-1,2-fucosyltransferase)」のドナーとなる。 |
③ ラクト-N-ネオテトラオース
- 英語名称:Lacto-N-neotetraose, LNnT
- 使用範囲および使用量
食品分類番号 | 食品名称 | 使用量 | 説明 |
01.03.02 | 調製粉ミルク (児童用粉ミルクに限り) | 0.2-0.6 g/L (純品で計算。即食状態で計算。粉末製品は希釈倍数に基づいて使用量を換算) | 2'-フコシルラクトース、オリゴガラクトース、オリゴフルクトース、ポリフルクトース、ラフィノースと共に使用する時、該類物質の総量は「≤64.5 g/kg」となる。 |
13.01.01 | 乳児調製食品 | ||
13.01.02 | 後期乳児及び幼児調製食品 | ||
13.01.03 | 特殊医学用途乳児調整食品 |
- 品質規格要求:本品質規格要求は、乳糖などを原材料として、発酵、純化、乾燥などの工程で製造される栄養強化剤ラクト-N-ネオテトラオースに適用します。ラクト-N-ネオテトラオースの製造菌は安全性評価に合格し、しかも、付録Cの要求に合致しなければんらない。
付録C ラクト-N-ネオテトラオースの製造に用いられる製造菌
栄養強化剤 | 由来 | ドナー |
ラクト-N-ネオテトラオース | 大腸菌K-12 DH1 MDO E. coli K-12 DH1 MDO | ナイセリア菌(Neisseria spp.)a と ヘリコバクター菌(Helicobacter spp.)b |
aは、「β-1,3-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(β-1,3-N-acetylglucosaminyltransferase)」のドナーとなる。 bは、「β-1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼ(β-1,4-galactosyltransferase)」のドナーとなる。 |
3. 使用範囲使用量拡大の食品添加物(2件)
NO. | 名称 | 英語名称 | 機能 | 食品分類番号 | 食品名称 | 最大使用量(g/kg) | 説明 |
1 | 乳酸カルシウム | Calcium lactate | 安定剤 固結剤 酸味料 | 04.02.02.03 | 野菜漬け | 10.0 | / |
04.02.02.04 | 野菜の缶詰 | 3.0 | / | ||||
2 | サンザンガム | Sanzan Gum | 増粘剤 安定剤 凝固剤 | 01.01.03 | 調製乳 | 0.5 | / |
14.03.03 | 複合蛋白飲料 | 0.75 | 即食状態で計算。固体飲料は希釈倍数に基づいて換算。 | ||||
14.08 | 風味飲料 | 0.5 |
● 新規食品接触物質(5件)
1. 使用範囲使用量拡大の食品接触材料及び製品用添加物(3件)
NO. | 名称 | CAS NO. | 使用範囲 | 最大使用量(%) |
1 | C.I. pigment black 7; Carbon black | 1333-86-4 | プラスチック:PEEK | 0.5 |
2 | Copolymer of acrylamide with methacryloyloxyethyltrimethylammonium chloride, itaconic acid, and N, N '- methylene bisacrylamide | 214495-32-6 | 紙と板紙 | 1.5 (乾燥重量で計算) |
3 | 2- (Vinyloxy) -1,2,3-propanecarboxylic acid tributylester | 77-90-7 | インク (食品と間接接触) | 10 |
2. 新規食品接触材料及び製品用樹脂(2件)
NO. | 名称 | CAS NO. | 使用範囲 | 最大使用量(%) |
1 | 1,4-Benzenedicarboxylic acid, polymer with sebacic acid and 1,2-ethanediol | 25067-21-4 | コーティングとコーティングフィルム | 製造必要に応じて適量使用 |
2 | Polymers of methacrylic acid with butyl methacrylate, ethyl acrylate and methyl methacrylate, and polymers of hydroquinone with 4,4-methylenebis (2,6-dimethylphenol) and chloromethylepoxyethane with N, N-dimethylethanolamine | ― | コーティングとコーティングフィルム | 20 (コーティング処方で計算) |
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