最近、欧州食品安全機関(European Food Safety Authority,EFSA)の公的サイトは最新版のQPSリストを公布しました。今回の更新は、6つの微生物のQPS認証を追加し、1つの微生物のQPS認証を撤回します。
中国国家衛生健康委員会(NHC)より公布した「三新食品」認可公告の解読資料から見ると、微生物類新食品原料の解読資料の中に「QPSリスト」がよく見られます。それでは、QPSリストは何でしょうか。微生物類が中国にての新食品原料登録申請と何か関係がありますか。この度、CIRSはQPSリスト紹介、QPSリスト今回の更新内容、QPSリストが中国新食品原料登録申請への意義、という三つの方面から紹介します。
1. QPS:EU微生物菌種安全性評価体系
QPSの全称は「Qualified Presumption of Safety」となり、「安全性適格推定」の意味です。QPSは、EUが2007年に正式提出した管理体系であり、食品および飼料に添加する微生物に対する市販前のリスク評価です。EFSA傘下のBiological Hazards (BIOHAZ)はQPS認証の審査・更新を行い、認証済みの菌種はQPSリストの形式で公布します。また、QPSリストは半年ごとに更新し、3年ごとに修訂意見を公布することになります。
- 評価対象:主は飼料添加物、食品酵素、食品添加物、調味品、新規食品、植物保護製品に使用する微生物を含みます。企業はリストに収載されていない微生物を食品製造に使用する時、申請を提出して微生物の安全性を評価する必要です。QPSは、悠久なる安全使用歴史が有る微生物を評価し、伝統的な食用習慣が無い菌種なら、EU新規食品(Novel food)の登録手続きを完成しなければなりません。
- 評価内容:分類学地位、知識体系、病原性、最終用途という四つの肝心内容を含みます。リストに収載される菌種はほぼ各種用途に使用可能で、使用範囲を限定される菌種もあります。「制限条件」追記の方法でQPSリストに収載されて使用認可することは、菌種使用の安全性を確保でき、資源利用の最大化も実現できます。
2. QPSリスト今回の更新内容
- 内容更新:2019年10月から2022年9月まで、BIOHAZは総計323件の意見を貰い、中に、飼料添加物関連は217件あり、食品酵素、食品添加物、調味品関連は54件あり、植物保護製品関連は14件あり、新規食品関連は38件あります。
由来:EFSAより公布したQPSリスト修訂意見
- 1つの微生物のQPS認証を撤回
バチルス・ベレゼンシス(BACILLUS VELEZENSIS)が アミノグリコシド製品を製造する能力が無い、との認証を撤回します。相関する原文は以下の通りです。
由来:EFSAより公布したQPSリスト修訂意見
- 6つの微生物のQPS認証を追加
この度、6つの微生物はQPS認証を通過しました。詳細は以下の通りです。
類別 | 名称 | ラテン名 | 認証状況 |
藻類 | ヘマトコッカスプルビアリス | Haematococcus lacustris(Haematococcus pluvialis) | 製造のみ認証(for production purposes only) |
菌類 | バチルス・シルクランス | Bacillus circulans | 製造のみ認証(for production purposes only)と無細胞毒性認証(absence of cytotoxic activity) |
バチルス・パラリチェ二フォルミス | Bacillus paralicheniformis | 無毒素活性認証(absence of toxigenic activity)と菌類毒素産生能力無し認証(absence of bacitracin production ability) | |
ゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス | Geobacillus thermodenitrificans | 無毒素活性認証(absence of toxigenic activity) | |
ラクトバチルス・アルゲントラテンシス | Lactiplantibacillus argentoratensis(Lactobacillus plantarum subs. argentoratensis) | QPS認証(基本的に安全問題無し。しかも、元分類の「subs of L. plantarum」もQPS認証) | |
酵母 | オガタエア・ポリモルファ | Ogataea polymorpha | 製造のみ認証(for production purposes only) |
原文結論は以下の通りです。
由来:EFSAより公布したQPSリスト修訂意見
3. QPSリストが中国新食品原料登録申請への意義
中国では、食品用微生物に対して「リスト制」と「審査認可制」並行の方式で管理します。現時点は主に「食品に使用可能な菌種リスト」、「乳幼児食品に使用可能な菌種リスト」、「保健食品に使用可能なプロバイオティクス菌種リスト」及び伝統的に食品製造加工に使用される菌種を含みます。上記リスト以外の新規菌種は、新食品原料登録の手続きに従って申請、審査、認可、公示することになります。
微生物類新食品原料登録は、菌種の毒素産生性、薬剤耐性評価、国内外使用歴史、不良作用報告、臨床研究資料、膳食ばく露データ、国際認可状況などを含む十分的な安全性資料を提供する必要です。中に、EUのQPSリストは国際認可・応用の有力サポートだけではなくて、QPS評価に用いられる菌種総論は科学的、全面的、透明的なので企業の有力参考になれます。例えば、2021年に認可した新食品原料「ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス菌 亜種 ケフィラノファシエンス」、2022年に認可した新食品原料「ビフィドバクテリウムロンガム 亜種 ロンガムBB536」は、何れも先行してQPSリストに収載されています。
4. まとめ
2022年、中国国家衛生健康委員会(NHC)は「食品に使用可能な菌種リスト」、「乳幼児食品に使用可能な菌種リスト」の更新について公告(2022年第4号)を公布しました。中国NHC今回の更新は、リストを補充完善するだけではなくて、菌種および菌株の名称と分類も調整します。中国食品用微生物の管理はずっと国際を参考することが見られます。また、世界中に食品製造用菌種への研究も深くなる一方で、特に、腸健康分野に菌種の機能性もますます注目され、数多くのプロバイオティクス、ポストバイオティクス相関製品は出現します。(詳しくはこちらにてご確認ください)
上述紹介の通りに、中国の相関するリストに収載されていない微生物を食品製造に使用したい場合、まずは新食品原料登録を申請して認可取得しなければなりません。その時、申請企業は十分的な安全性資料を提供する必要です。そして、EUのQPS体系は申請企業に参考や根拠を提供できます。