EU申請要件が厳格化!EFSA、食品成分申請に関する複数の行政ガイダンスを更新
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2025年11月27日、EFSA(欧州食品安全機関)は、新規食品(Novel Food)、食品改良剤(Food Improvement Agent:食品添加物、食品酵素、食品香料を含む)、ならびに飼料添加物(Feed Additive)に関する行政ガイダンスを集中的に更新しました。今回の更新は、単なるプロセスの整理にとどまらず、欧州連合(EU)が規制のハードルを引き上げる姿勢を明確に示すものといえます。

EUの行政ガイダンス(Administrative guidance)は、各種申請に対して明確な手続きの説明やプロセスの指針を提供するものであり、各申請段階、所管機関、提出書類の構成などの具体的な解説が含まれています。EFSAが今回ガイダンスを一斉に更新した主な狙いは、「書類の品質向上と、EFSAの処理効率の改善」にあります。技術的要件に加え、EUが行政的な手段を通じて質の低い申請を排除しようとしている姿勢が伺えます。

今回のガイダンス更新について、CIRSは企業が対応すべき重要事項を以下の通りまとめました。

 

3つの共通する変更点

1. 受理の判定:提出された書類に大幅な不備があり、かつそれに対する説明がないためにリスク評価が進められない場合、EUは追加資料の提出(補正要請)を行わず、当該申請を「不適用(不受理)」と判断します。

CIRSの視点:EUは「申請の透明性」を原則としており、申請の各段階における状況(不受理判断を含む)はEU公式ウェブサイト上で公表されます。不利な情報が公表されるのを避けるため、資料を十分に準備した上で提出することを推奨します。

2. 補正期間の延長制限:資料の補正段階において、極めて特殊な状況を除き、EFSAが受け入れる延長申請は最大2回までとなります。

CIRSの視点:これまでEUでは延長申請回数に明確な制限はなく比較的緩やかでしたが、今回の更新によりEFSAの審査周期がより厳格に管理されることになります。一方、企業側は試験の実施についてより迅速な判断を迫られます。毒性試験などの時間を要する試験は事前に完了させ、プロジェクトの工程を厳密に管理することを推奨します。

3. 毒性試験施設の適格性:提出する毒性試験は、OECD加盟国内、またはMAD制度を準拠したGLP試験施設で実施されたものでなければなりません。

CIRSの視点:今回の改定により、毒性試験を実施する試験施設の資格要件がより明確化されました。EU申請を予定する企業は、毒性試験施設の適格性を事前に確認する必要があります。

略語説明

GLP:Good Laboratory Practice、適正試験所基準

MAD:Mutual Acceptance of Data、データ相互受入制度

OECD:Organisation for Economic Cooperation and Development、経済協力開発機構

 

新規食品(Novel Food)に関する主な変更点

添付書類要件:新たにExcelテンプレートファイルが導入されました。申請者は、申請物質の特性データなどの関連資料を規定の形式で記入し、関連資料とともに書類一式として提出する必要があります。

CIRSの視点:本テンプレートは、成分分析や安定性試験データの提出形式を統一するものであり、試験施設の適格性、試験方法、検出限界/定量限界などを個別に明記することが求められます。適格性のない試験施設による検査項目の場合は、方法の妥当性確認(メソッドバリデーション)文書の提出が必要です。

 

まとめ

今回のガイダンス更新はすでに発効しており、EU申請における許容度が低下する中、企業はより短期間で、より高品質な資料を提出するという課題に直面しています。これらの規制要件に対応するため、以下の3点が重要となります。

  1. 十分な自己点検:技術書類の完全性確保と、EFSAの効率的審査を目的として、EFSAは物質ごとに必要資料チェックリスト(Checklist)を公表しています。申請前にこれらを参照し、不足の有無を確認することが重要です。
  2. 試験施設の選定:成分分析や安定性試験では、各試験項目の試験資格を確認し、資格を有しない項目については方法の妥当性確認を実施してください。毒性試験は、OECD GLP試験機関への委託が推奨されます。
  3. 試験の準備:申請過程で必要となる可能性のある時間を要する試験(保存期間研究、毒性試験など)は、補正期間不足による申請失効を避けるため、早めに準備してください。

注:EUの透明性規則に基づき、申請に関わる各試験は開始前にEUへの「事前通知(Pre-notification)」が必要です。通知がない、または遅延した場合、6ヶ月間の審査停止という行政罰が科される可能性があります。

本記事はガイダンス更新内容のすべてを網羅したものではありません。詳細な要件については、EU公式発表のガイダンスをご確認ください。

 

CIRS食品事業部について

CIRS食品事業部は2012年に設立され、これまでに1,000社を超える国内外の食品関連企業の「ワンストップ・コンプライアンス」業務を支援してきました。三新食品、米国GRAS、EU Novel Food、保健食品、特殊医学用途食品(FSMP)等の申請分野において、業界トップクラスの成功事例を有しています。当社は、専門的な技術力、多方面のリソース、グローバルネットワークを活かし、以下のサービスを提供しています

  • 中国三新食品申請(新食品原料、新規食品添加物、新規食品接触物質、合成生物学由来食品原料)
  • 米国GRAS認証
  • EU Novel Food申請
  • 中国保健食品の登録・届出
  • 中国特殊医学用途配方食品(FSMP)および乳児用調製粉乳の登録
  • 一般食品、試験、規制情報の追跡およびトレーニング

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