2022年7月1日、中国国家食品安全リスク評価中心(CFSA)はCFSA技術審査を通過した8件の新規食品添加物を公表し、社会意見募集を開始しました。中に、新規食品工業用酵素製剤は4件あり、新規食品栄養強化剤は2件あり、使用範囲拡大する食品工業用加工助剤は2件あります。意見募集締切日は2022年7月29日です。
1. 今回の社会意見募集に関わる食品添加物
新規食品工業用酵素製剤(4件)
NO. | 酵素製剤名称 | 由来 | ドナー |
1 | アミノペプチダーゼ Aminopeptidase | ニホンコウジカビ Aspergillus oryzae | ニホンコウジカビ Aspergillus oryzae |
2 | キシラナーゼ Xylanase | バシラス・リケニフォルミス Bacillus licheniformis | バシラス・リケニフォルミス Bacillus licheniformis |
3 | カルボキシペプチダーゼ Carboxypeptidase | ニホンコウジカビ Aspergillus oryzae | ニホンコウジカビ Aspergillus oryzae |
4 | デアミナーゼ Deaminase | ニホンコウジカビ Aspergillus oryzae | ― |
※ 食品工業用酵素製剤の品質規格要求は「GB1886.174 食品安全国家標準 食品添加剤 食品工業用酵素剤」の規定に合致しなければなりません。
使用範囲拡大の食品工業用加工助剤(2件)
NO. | 名称 | 英語名称 | 機能 | 使用範囲 |
1 | ジメチルポリシロキサン及びその乳液 | Polydimethyl siloxane and emulsion | 消泡剤 | コラーゲンケーシングの加工工程 |
2 | ステアリン酸マグネシウム | magnesium stearate | 潤滑剤 離型剤 防粘剤 | 発泡錠の圧縮工程 |
新規食品栄養強化剤(2件)
NO. | 名称 | 英語名称 | 食品分類番号 | 食品名称 | 使用量 |
1 | L-アラニン | L-Alanine | 13.01.03 | 特殊医学用途乳児調整食品 | 関連した特殊膳食用食品の標準を参考して執行 |
13.03 | 特殊医学用途調整食品(13.01に関わる品種は除外) | ||||
2 | L-アルギニン塩酸塩 | L-Arginine Hydrochloride | 13.01.03 | 特殊医学用途乳児調整食品 | 関連した特殊膳食用食品の標準を参考して執行 |
13.03 | 特殊医学用途調整食品(13.01に関わる品種は除外) |
※ 上記2件の食品栄養強化剤の品質規格要求および試験方法は公告原文を参照します。
2. 新しいアミノ酸類物質が特殊医学用途調整食品(FSMP)への意義
「GB 25596 食品安全国家標準 特殊医学用途乳児調整食品通則」に基づき、19件のアミノ酸は特殊医学用途乳児調整食品に使用可能です。そして、「GB 29922 食品安全国家標準 特殊医学用途調整食品通則」に基づき、21件のアミノ酸は特殊医学用途調整食品に使用可能です。
実に、今回の社会意見募集稿に関わるL-アラニン、L-アルギニン塩酸塩は既に上述二つの国家標準に収載されています。それでは、企業が新規食品栄養強化剤として再び申請する目的は何でしょうか。
CIRSの考えですが、その原因はアミノ酸の品質規格要求だと考えております。現行国家標準に基づき、これらのアミノ酸は確かにFSMPに使用可能ですが、執行できる品質規格標準がないので、FSMPへの使用は実際不能です。そして、新規食品栄養強化剤として正式認可された後、中国国家衛生健康委員会(NHC)の認可公告は相応したアミノ酸の品質規格要求を規定します。これが物質の執行標準です。つまり、L-アラニン、L-アルギニン塩酸塩が正式認可された後、FSMPへの使用は実際可能になります。
中国国家衛生健康委員会(NHC)政務大庁の公開情報から見ると、去年年末から現時点まで、新規食品添加物として登録申請したアミノ酸は15件以上があります。現時点、L-アラニン、L-アルギニン塩酸塩以外、他の物質はまだ審査評価中です。ですので、申請した使用範囲も確認できません。ただし、何れのアミノ酸が正式認可された後、中国NHCはその品質規格要求を公布することは確実的です。アミノ酸を原料としてFSMP製品(例えば、PKU製品)を製造したい企業にとって、これは絶好なニュースに違いません。
CIRSはこれらのアミノ酸の審査評価状況をフォローしていきます。
受理期日 | 受理番号 | 名称 |
2021.11.16 | 卫食添新申字(2021)第0055号 | L-アルギニン塩酸塩 |
2021.11.16 | 卫食添新申字(2021)第0056号 | L-アルギニン-アスパラギン酸 |
2021.11.16 | 卫食添新申字(2021)第0057号 | L-アルギニン |
2021.11.18 | 卫食添新申字(2021)第0059号 | L-アラニン |
2022.03.03 | 卫食添新申字(2022)第0008号 | L-アラニン |
2022.03.08 | 卫食添新申字(2022)第0011号 | L-ロイシン |
2022.03.08 | 卫食添新申字(2022)第0012号 | L-イソロイシン |
2022.03.08 | 卫食添新申字(2022)第0013号 | L-バリン |
2022.05.26 | 卫食添新申字(2022)第0022号 | L-シスチン |
2022.05.26 | 卫食添新申字(2022)第0023号 | L-システイン塩酸塩一水和物 |
2022.05.26 | 卫食添新申字(2022)第0024号 | L-リシン酢酸塩 |
2022.05.26 | 卫食添新申字(2022)第0025号 | L-ヒスチジン |
2022.05.26 | 卫食添新申字(2022)第0026号 | L-トレオニン |
2022.05.26 | 卫食添新申字(2022)第0027号 | L-システイン塩酸塩 |
2022.05.26 | 卫食添新申字(2022)第0028号 | L-システイン |
2022.05.26 | 卫食添新申字(2022)第0029号 | L-フェニルアラニン |
2022.05.26 | 卫食添新申字(2022)第0030号 | L-リジン塩酸塩 |
2022.05.26 | 卫食添新申字(2022)第0031号 | L-ヒスチジン塩酸塩一水和物 |