2023年上半期新食品原料(新資源食品)登録申請および認可状況の分析
Source: NHC

2023年上半期、中国国家衛生健康委員会(NHC)は「三新食品」の形式で2件の公告(2023年第12023年第3)を公布し、新食品原料、新規食品添加物、新規食品接触物質を含む総計42件の新規物質を認可しました。中に、新食品原料は3件あります。

また、中国国家衛生健康委員会(NHC)および中国国家食品安全リスク評価センター(CFSA)の公開情報によりますと、2022年上半期に、中国当局は、

  • 6件の新食品原料登録申請を受理
  • 12件の新食品原料社会意見募集稿(パブリックコメント)をリリース
  • 3件の新食品原料登録申請について「不認可」の決定を出す
  • 2件の食品原料を審査終止

CIRS2023年上半期中国新食品原料の受理状況および審査認可状況を紹介します。

1. 2023年上半期に登録申請を受理した新食品原料(6件)

2023年上半期、中国NHCは総計6件の新食品原料登録申請を受理しました。それぞれの技術審査状態は以下の通りです。

NO.

受理時間

受理番号

名称

技術審査状態

1

2023.02.02

食新申字(2023)0001

ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩

2023.04.23

社会意見募集

2

2023.02.15

食新申字(2023)0002

エリンギ菌糸体

2023.06.20

不認可決定

3

2023.03.09

食新申字(2023)0003

枯草菌

まだ社会意見募集を開始しない

4

2023.03.24

食新申字(2023)0004

フザリウム・べネナタムTB01菌株発酵菌糸体蛋白

2023.06.20

不認可決定

5

2023.04.06

食新申字(2023)0005

N-アセチルグルコサミン

まだ社会意見募集を開始しない

6

2023.05.10

食新申字(2023)0006

ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩

まだ社会意見募集を開始しない

2. 2023年上半期に社会意見募集(パブリックコメント)を開始した新食品原料(12件)

2023年上半期、総計12件の新食品原料はCFSAの技術審査を通過し、社会意見募集を開始しました。

ここに、社会意見募集した、まだ正式認可していない10件の新食品原料をまとめます。「ブルーベリーアントシアニン」、「ライムギ花粉」という2件の新食品原料は社会意見募集した後に既に正式認可しましたので、本文の第三部分にまとめます。

(1) 緑茶カテキン(公告草案)

名称

緑茶カテキン

英語名称

Green Tea Catechins

基本情報

基源植物由来:ツバキ科ツバキ属チャ(Camelliasinensis (L.) O. Ktze.

製造工程

緑茶を原材料として、アルコール抽出、濃縮、分離、精製、酵素分解、濃縮、乾燥などの工程で製造される。

摂取推奨量

300 mg/

説明

  1. 使用範囲および最大使用量:飲料0.6g/kg、固体飲料は溶解後の液体重量に従って換算;キャンデー0.2g/kg
  2. 乳幼児、妊婦および乳母は不適用となり、ラベル及び説明書に不適用対象者および摂取制限量を記載しなければならない。
  3. 品質規格および食品安全指標は付録にてご確認。

社会意見募集期日

2023.01.12

 (2) 卵殻膜エキス(公告草案)

名称

卵殻膜エキス

英語名称

Eggshell membrane extract

基本情報

由来:鶏卵殻膜

製造工程

卵殻を原材料として、殻膜分離(殻廃棄)、滅菌、加水分解、混合、乾燥、研磨などの工程で製造される。

摂取推奨量

500 mg/

説明

  1. 乳幼児、妊婦、乳母、鶏卵にアレルギー者は不適用となり、ラベル及び説明書に不適用対象者および摂取制限量を記載しなければならない。
  2. 品質規格および食品安全指標は付録にてご確認。

受理期日

2021.09.17

受理番号:卫食新进申字(2021)0006

社会意見募集期日

2023.01.12

3)文冠果種仁(公告草案)

名称

文冠果種仁

英語名称

Yellowhorn seed kernel

基本情報

由来:ムクロジ科, キサントセラス属文冠果(Xanthoceras sorbifolium Bunge)の種子

製造工程

文冠果種子を原材料として、乾燥、磁選、脱殻、選別などの工程で製造される。

摂取推奨量

20 g/

説明

  1. 使用範囲は乳幼児食品を含まない。
  2. 食品安全指標は中国現行食品安全国家標準中の「ナット及び種子類食品」の規定に従って執行。

受理期日

2021.03.29

受理番号:卫食新申字(2021)0006

社会意見募集期日

2023.03.10

4)文冠果葉(公告草案)

名称

文冠果葉

英語名称

Yellowhorn leaf

基本情報

由来:ムクロジ科, キサントセラス属文冠果(Xanthoceras sorbifolium Bunge)の若葉

製造工程

文冠果若葉を原材料として、熱処理、揉捻、乾燥などの工程で製造される。

摂取推奨量

6 g/

説明

  1. 乳幼児、児童(14歳以下)、妊婦、乳母は不適用となり、ラベル及び説明書に不適用対象者を記載しなければならない。
  2. 食用方式:泡飲。
  3. 食品安全指標は公告草案の要求に合致。

受理期日

2022.06.06

受理番号:卫食新申字(2022)0006

社会意見募集期日

2023.03.10

5)酵母プロテイン(公告草案)

名称

酵母プロテイン

英語名称

Yeast protein

主要成分

酵母プロテイン

製造工程

サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae)を菌種として、炭素源、窒素源および他の発酵用栄養物質を添加し、培養、発酵、遠心分離後に菌体原料を収集取得、その後、核酸除去、遠心分離、酵素分解、抽出、純化、分離、滅菌、乾燥などの工程で製造される。

説明

  1. 乳幼児、妊婦、乳母は不適用となり、ラベル及び説明書に不適用対象者を記載しなければならない。
  2. 食品安全指標は公告草案の要求に合致。

受理期日

2022.07.26

受理番号:卫食新申字(2022)0008

社会意見募集期日

2023.03.10

6)桃膠(公告草案)

名称

桃膠

英語名称

Peach gum

基本情報

由来:バラ科スモモ属植物モモ(Prunus persica (L.) Batsch)

製造工程

モモから分泌したゲル状物を原材料として、摘み取り、選択、晒し、洗浄、乾燥などの工程で製造される。

摂取推奨量

30 g/

説明

  1. 乳幼児、妊婦、乳母、生理期女子は不適用となり、ラベル及び説明書に不適用対象者および食用制限量を記載しなければならない。
  2. 食品安全指標は公告草案の要求に合致。

受理期日

2022.05.07

受理番号:卫食新申字(2022)0004

社会意見募集期日

2023.04.23

7)タイガーナッツ(公告草案)

名称

タイガーナッツ

英語名称

Tiger nut

基本情報

由来:カヤツリグサ科カヤツリグサ属植物ショクヨウガヤツリ/タイガーナッツ(Cyperus esculentus L. var. sativus Boeck.

食用部位:地下茎

説明

食品安全指標は中国現行食品安全国家標準「ナッツと種子類食品」の規定に従って執行。

受理期日

2022.09.05

受理番号:卫食新申字(2022)0010

社会意見募集期日

2023.04.23

8)ロイコノストック・メセンテロイデス亜種クレモリス(公告草案)

名称

ロイコノストック・メセンテロイデス亜種クレモリス

英語名称

Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris

説明

  1. 「食品に使用可能な菌種リスト」への収載を認可し、使用範囲は乳および乳製品、果物野菜製品、穀物製品の発酵加工を含み、乳幼児食品を含まない。
  2. 食品安全指標は公告草案の要求に合致。

受理期日

2021.11.23

受理番号:卫食新申字(2021)0014

社会意見募集期日

2023.04.23

9)ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩(公告草案)

名称

ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩

英語名称

Pyrroloquinoline quinone disodiumPQQsalt

基本情報

CAS NO.122628-50-6

分子式:C14H4N2Na2O8

分子量:374.17

構造式:

製造工程

メチロボラス・グルコソトロフス(Methylovorus glucosotrophus)を発酵菌種として、発酵、抽出、純化、結晶、乾燥などの工程で製造される。

摂取推奨量

20 g/

説明

  1. 使用範囲及び最大使用量:飲料(40 mg/kg、固体飲料は溶けた後の液体重量で換算)
  2. 乳幼児、妊婦及び乳母は不適用となり、ラベル及び説明書に適用除外者を記載しなければならない。
  3. ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩含有量の試験方法は付録にてご確認。
  4. 食品安全指標は公告草案の要求に合致。

受理期日

2023.02.02

受理番号:卫食新申字(2023)0001

社会意見募集期日

2023.04.23

10)イェルバ・マテ(公告草案)

名称

イェルバ・マテ

英語名称

Yerba Mate

基本情報

由来:モチノキ科モチノキ属植物イェルバ・マテ(Yerba Mate)の葉

製造工程

イェルバ・マテの葉を原材料として、摘み取り、焙煎、みじん切り、乾燥などの工程で製造される。

説明

  1. 乳幼児、妊婦、乳母は不適用となり、ラベル及び説明書に不適用対象者および食用制限量を記載しなければならない。
  2. 食用方式:沖泡飲用
  3. 食品安全指標公告草案の要求に合致。

受理期日

2022.11.02

受理番号:卫食新进申字(2022)0004

社会意見募集期日

2023.06.21

3. 2023年上半期に正式認可した新食品原料(3件)

2023年上半期、正式認可した新食品原料は総計3件あります。詳細は以下の通りです。

1)ロイコノストック・シュードメセンテロイデス

名称

ロイコノストック・シュードメセンテロイデス

ラテン名称

Leuconostoc pseudomesenteroides

他の情報

  1. 「食品に使用可能な菌種リスト」への収載を認可する。使用範囲は発酵乳、風味発酵乳、チーズ、発酵型含乳飲料と乳酸菌飲料(非固体飲料)となり、乳幼児食品を含まない。
  2. 食品安全指標公告草案の要求に合致。

受理期日

2021.04.19

受理番号:卫食新进申字(2021)0002

社会意見募集期日

2022.06.29

公告認可期日

2023.03.02

2023年第1公告

2)ブルーベリーアントシアニン

名称

ブルーベリーアントシアニン

英語名称

Blueberry Anthocyanins

基本情報

由来:ツツジ科スノキ属ブルーベリー(Vaccinium corymbosum L.

製造工程

ブルーベリー果実を原材料として、酵素分解、水抽出、純化、濃縮、乾燥などの工程で製造される。

摂取推奨量

800 mg/

説明

  1. 使用範囲および最大使用量:乳および乳製品(調製乳と風味発酵乳:0.8g/kg。調製粉乳は溶解後の液体重量に従って換算し、チーズ、プロセスチーズ、チーズ製品、コンデンスミルクは生乳原料の倍数に従って換算);飲料類(液体飲料:0.8g/kg、固体飲料は溶解後の液体重量に従って換算);ゼリー14g/kg;カカオ製品、チョコレートとチョコレート製品(代カカオ製品および製品を含む)14g/kg;キャンデー40g/kg;冷凍飲料8g/kg;ベーカリー食品4g/kg;酒類4g/kg
  2. 乳幼児、妊婦および乳母は不適用となり、ラベル及び説明書に不適用対象者および摂取制限量を記載しなければならない。
  3. 品質規格および食品安全指標は付録にてご確認。

受理期日

2021.10.26

受理番号:卫食新申字(2021)0012

社会意見募集期日

2023.01.12

公告認可期日

2023.05.06

2023年第3号公告

3)ライムギ花粉

名称

ライムギ花粉

英語名称

Rye Pollen

基本情報

由来:イネ科ライムギ属ライムギ(Secale Cereale L.

製造工程

ライムギを基源植物として、花粉採集、乾燥、分離などの工程で製造される。

摂取推奨量

1.5 g/

説明

  1. 乳幼児、妊婦、乳母、花粉にアレルギー者は不適用となり、ラベル及び説明書に不適用対象者および摂取制限量を記載しなければならない。
  2. 品質規格および食品安全指標は付録にてご確認。

受理期日

2021.10.25

受理番号:卫食新进申字(2021)0008

社会意見募集期日

2023.01.12

公告認可期日

2023.05.06

2023年第3号公告

4. 2023年上半期に審査終止した食品原料(2件)

2023年上半期、審査終止目録に新規収載した原料は2件あり、関連した審査終止意見は以下の通りです。

現時点、審査終止目録に収載した原料は総計70件あります。新食品原料登録の申請企業にとって、「審査終止」中の「普通食品として管理」、「実質同等」及び「地方伝統食用習慣」という結果を取得したら、「認可取得」と同様です。

1)黒砂糖オリゴ果糖(「オリゴ果糖(黒砂糖由来)」に名変えされた)

製品名称

黒砂糖オリゴ果糖(「オリゴ果糖(黒砂糖由来)」に名変えされた)

審査意見

オリゴ果糖(黒砂糖由来)は、黒砂糖由来のショ糖を原材料として、GB2760に従って使用認可するフルクトシルトランスフェラーゼを触媒として製造される。オリゴ果糖は既に国家標準があり、本物質を食品原料として使用する場合、色沢は赤褐色となり、オリゴ果糖含有量(ドライベースで計算)は「45g/100g」となり、灰分は「3.0g/100g」となり、色度と透過率は規定無し、ほかの指標はオリゴ果糖の国家標準(GB/T23528)の相関内容に従って執行する。

受理期日

2022.06.09

受理番号:卫食新申字(2022)0007

2)鶏肉イミダゾールジペプチドパウダー(「鶏肉濃縮粉」名変えされた)

製品名称

鶏肉イミダゾールジペプチドパウダー(「鶏肉濃縮粉」名変えされた)

審査意見

鶏肉濃縮粉は鶏肉を原材料として、煮製、濾過、濃縮、乾燥などの工程で製造され、新食品原料の範疇に属しない。審査終止して普通食品として管理することを勧める。食品安全指標は中国現行食品安全国家標準中の「調味品」の規定に従って執行する。

受理期日

2021.11.15

受理番号:卫食新进申字(2021)0009

5. 2023年上半期に「不認可」した食品原料(3件)

中国国家衛生健康委員会(NHC)の公開情報によりますと、2023年上半期、中国NHCは総計3回の「不認可」決定を出します。詳細は以下の通りです。

NO.

原料名称

受理時間

受理番号

審査過程および結論

1

ペリプロカ葉

2022.08.11

食新申字(2022)0009

2022.10.18 新食品原料審査意見告知書発出

2023.02.07 行政許可不認可決定書

2

エリンギ菌糸体

2023.02.15

食新申字(2023)0002

2023.04.17 新食品原料審査意見告知書発出

2023.06.20 行政許可不認可決定書

3

フザリウム・べネナタムTB01菌株発酵菌糸体蛋白

2023.03.14

食新申字(2023)0004

2023.04.17 新食品原料審査意見告知書発出

2023.06.20 行政許可不認可決定書

まとめ

新食品原料登録申請では、受理から社会意見募集までの段階は最も時間が掛かり、企業が一番関心を寄せるステップとも言えます。2023年上半期、僅かな半年でCFSAは総計4回の新食品原料に関する社会意見募集稿をリリースし、技術審査を通過した新食品原料は12件まであり、数から見ると2022年全年の4倍になります(2022年全年は総計3回新食品原料に関する社会意見募集稿をリリースし、3件の新食品原料に関わる)。そして、周期から見ると、受理した後、ほとんどの新食品原料は1年以内に技術審査通過して社会意見募集開始します。新食品原料登録の要求に関する申請企業の認知度は深め、申請資料の準備は完備的で、中国当局の審査評価は加速化し、審査の全般周期は短縮していることが見られます。

また、2023510日、中国NHCは「『三新食品』目録及び適用的な食品安全標準について公告」(2023年第4)をリリースし、2009年から2021年まで公告認可した総計98件の新食品原料(菌種は除く)を含み、新食品原料目録及び適用的な食品安全標準について18ヶ月の猶予期間を設定します。具体的な適用標準及び更新指標について、CIRS開発した食品原料及び添加物ワンストップ検索プラットフォーム「食規査」にて確認できます。「食規査」の主要機能と特徴について、詳しくはこちらにてご確認ください。

注:中国国家行政機構改革で各政府機関のウェブサイドはデータ移行中のため、データ統計する時は漏れる可能性があります。当文章の統計件数は参考までです。詳細は政府機関のウェブサイド情報をご確認ください。

 

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