ここ数年来、社会経済の発展に従って、危険化学品の輸送はますます頻繁になります。危険化学品の安全輸送は社会で関心が寄せられています。特に、化学工業、物流業により高く注目されます。法規更新につれて、危険化学品という概念が何度も提出されますが、危険化学品は危険物と同じような意味ですか?危険物として輸送する場合には、登録を免除することができますか?その包装及び書類に何か違いがありますか?ここで、CIRSによりご説明させて頂きます。
一、危険化学品と危険物との区別
危険化学品と危険物とは、言い方に同じような『危険』という文字がありますが、その定義及び判定分類が違います。
(一)危険化学品 『危険化学品安全管理条例』(国務院令第591号)第三条により、危険化学品とは、害毒、腐食、爆発、燃焼、助燃等の性質を持ち、人体、施設、環境に対して危害がある猛毒化学品及びその他の化学品を指すものです。具体的に『危険化学品目録』(2015版、2828項目)に収録される化学品及び確認原則を満足する化学品という二つの分類に分けられます。『化学品分類及びラベル規範』(2013)GB30000.2~30000.29シリーズ国家標準により、28類95個危険類別の中から、最も危険性が大きな81個類別を選別されて、危険化学品の確定原則としました。ほかの14個類別は危険性が比較的に低いので、危険化学品管理に納入されません。詳細は表1をご覧ください。
(二)危険物 GB6944-2012 『危険物分類及び品名番号』により、危険物(危険物品又は危険品と呼ぶ)とは、爆発、燃焼、害毒、感染、腐食、放射性などの性質を持ち、輸送、貯蔵、生産、経営、使用及び処理する場合に、人体危害、財産損害又は環境汚染を引き起こしやすいので、特別注意が必要になる物質及び物品を指すものです。その危険性或いは主な危険性により下記9種類に分けられます。一、爆発類;二、高圧ガス;三、引火性液体;四、可燃性物質、燃性しやすい物質、水反応可燃性物質;五、酸化性物質及び有機過酸化物;六、毒性物質及び感染性物質;七、放射性物質;八、腐食性物質;九、ほかの有害性物質及び物品、環境に対して危害がある物質。
上述定義により、同時に危険化学品と危険物に属する化学品があります。例えば、引火性液体又は可燃性物質等です。危険化学品に納入されますが、危険物に属しない化学品もあります。主な原因は、多くの非急性危害、例えば健康及び環境に対する亜慢性危害が危険物分類基準に納入されません。例えば、呼吸器又は皮膚感作性、発がん性、生殖毒性、特定標的臓器毒性(単回/反復)、眼に対する重篤な損傷性/刺激、吸入毒性、生殖細胞変異原性などです。危険化学品に納入されないが、危険物範囲に属する化学品もあります。感染性物質、放射性物質さらに鉛蓄電池、リチウム電池などです。
表1 危険化学品判定原則における81種類の危険クラス
危険及び危害クラス | 分類 | |||||||
物理 危険 | 火薬類 | 不安定 爆発物 | 1.1 | 1.2 | 1.3 | 1.4 | 1.5 | 1.6 |
引火性高圧ガス | 1 | 2 | A(化学不安定高圧ガス) | B(化学不安定高圧ガス) |
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エアゾール | 1 | 2 | 3 |
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酸化性ガス | 1 |
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高圧ガス | 圧縮ガス | 液化ガス | 冷凍液化ガス | 溶解ガス |
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引火性液体 | 1 | 2 | 3 | 4 |
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引火性固体 | 1 | 2 |
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自己反応性物質及び混合物 | A | B | C | D | E | F | G | |
自然発火性物質及び混合物 | 1 | 2 |
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自然発火性液体 | 1 |
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自然発火性固体 | 1 |
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水反応可燃性物 | 1 | 2 | 3 |
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金属腐食性物質 | 1 |
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酸化性液体 | 1 | 2 | 3 |
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酸化性固体 | 1 | 2 | 3 |
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有機過酸化物 | A | B | C | D | E | F | G | |
健康 危害 | 急性毒性 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
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皮膚腐食性刺激性 | 1A | 1B | 1C | 2 | 3 |
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眼に対する重篤な損傷性/刺激 | 1 | 2A | 2B |
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呼吸器又は皮膚感作性 | 呼吸器感作物質1A | 呼吸器感作物質1B | 皮膚感作物質1A | 皮膚感作物質1B |
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生殖細胞変異原性 | 1A | 1B | 2 |
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発がん性 | 1A | 1B | 2 |
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生殖毒性 | 1A | 1B | 2 | 添付分類(哺育毒性影響) |
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特定標的臓器毒性-単回ばく露 | 1 | 2 | 3 |
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特异性靶器官毒性-反復ばく露 | 1 | 2 |
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吸入毒性 | 1 | 2 |
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環境 危害 | 水生環境有害性 | 急性1 | 急性2 | 急性3 | 長期1 | 長期2 | 長期3 | 長期4 |
オゾン層への有害性 | 1 |
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オレンジ字:危険化学品に収録される分類; 黒字: 危険化学品に収録されない分類。 |
二、危険物の包装標識及び標札
危険物はUN規格で包装しなければなりません。その包装方式は下記のような基本的な要求があり:
(1)包装及び容器の材質、種類は当該危険物の性質に適応しなければなりません。
(2)包装材料及び容器が耐圧強度があり、その構造と密封装置が輸送過程中の正常衝撃、振動、押し出し又は摩擦を耐えられること。
(3)包装緩衝材又は吸収材が入れること。
(4)包装件の規格重さ及びサイズが積み下ろし又は運搬条件に合致すること。
(5)外装に規定される表示標識及び標札が貼り付けること。
(一)UN規格包装標識
534.規格包装標識の表示数字及びアルファベットは特定な意味を示します。(例)
(二)輸送標札
危険物包装は輸送する際、輸送標識を貼り付けなければなりません。危険物を収納する輸送物として、実際輸送している場合には、輸送標識だけではなく、危険物の包装方式により、安全標札の貼り付けも必要になります。
組み合わせ包装:内装に安全標札を貼り付け、外装に輸送標識を貼り付ける。(例)
図1 組合せ包装
単一包装:安全標札及び輸送標識が貼り付けなければなりません。同じ外側面又は別々の場所に貼り付けることができます。
図2 単一包装
三、危険物輸送
現在、輸送関係分野で、特定資格を持つ車両で危険化学品を輸送すれば、その危険化学品は危険物を指します。逆に、普通貨物と見なされます。危険物を判定し、適切な包装方式を選択し、さらに正確な包装標識を貼り付ける後、輸送する前には、輸送機関の輸送資格を特別に審査しないとはいけません。輸送必要になる危険物の分類を含むかどうか、輸送車両としてその運送できる危険物類別に合致するかどうかについて、ご確認します。
四、有限数量及び特別数量
上述は一般危険物の包装、標識、標記及び輸送資格に対して要求ですが、有効的に輸送費用を減らすことができますか?
国連『危険物輸送に関する勧告 モデル規則』(下記『モデル規則』と略称)により、少量輸送と適用除外量輸送という二つの方式を定めます。『モデル規則』により、少量輸送の規定基準は、危険物として、限定された量が耐える丈夫に包装され、同種類のより大きな数量で包装される輸送物と比べて、その危険性が低いので、ある程度で危険物輸送の制約規定を免除することができます。適用除外輸送の規定基準は、危険物として(物品を含まず)、わずかの数量が評価合格した包装方式で強く耐える丈夫に包装され、内装容器ごとに入れる危険物の数量及び外装容器に入れる危険物の総量を限定され、同種類の多大な数量で包装される輸送物と比べて、その危険性が遥かに低いので、適用除外量輸送可能と定めますが、『モデル規則』に規定しているトレーニング、分類、包装など要求に合致しなければなりません。
2009年、国家標準化管理委員会により危険物少量輸送及び適用除外量輸送の標準について編制し始めました。3年間をかかり、正式に『少量危険物及び包装要求』(GB28644.2-2012)、『危険物適用除外数量及び包装要求』(GB28644.1-2012)という二項の国家標準を発布し、2012年12月1日より正式に実施します。
・LQ、GB28644.2-2012、危険物有限数量及び包装要求
(1)書類 少量危険物の輸送について、航空運送と海上運送を利用する場合には、輸送書類の危険物説明に「少量」或いは「LTD QTY」の文字を表示しなければいけません。ほかの輸送方式を利用する場合には、『モデル規則』5.4.1の危険物輸送書類要求に免除することができます。
(2)標識 航空運送を除き、危険物を入れる輸送物には正式品名及び国連番号を表示しなくても問題がないが、図3のような標識が必要です。航空運送の場合、危険物を収納している輸送物は図4のように標識しなければなりません。
少量危険物を入れる容器は箱又は木枠のような保護外装の中に置く場合、外側から容易に視認できない場合には、外表面に「オーバーパック」又は「OVERPACK」の文字を明確に表示しないといけません。同時に、上述した図3と図4というように標識しなければなりません。
(3)免除
a.図4のような標識を貼り付ける危険物を収納している輸送物は、包装規定に合致することを認められ、図3のような標識で表示する要求がありません。
b.少量危険物基準で包装される輸送物は、同じ車両或いはコンテナに収納されると、ほかの分離措置が免除することができます。
c. 少量危険物基準で輸送する際、『モデル規則』1.4の安全規定、『モデル規則』7.2.4の陸運送、鉄道運送及び内河運送についての安全規定に免除することができます。
・EQ、GB28644.1-2012、危険物適用除外量包装要求
適用除外輸送に合致する危険物は、E1~E5で表示され、詳細が表2をご参考します。
表2 適用除外量コードE1~E5の意味
コード | 内装容器当たりの最大量 | 外装容器当たりの最大量 (固体はグラム、液体及びガスはml又は混合包装の場合はグラム及びml) |
1. | 30. | 1000. |
1. | 30. | 500. |
1. | 30. | 300. |
1. | 1. | 500. |
1. | 1. | 300. |
同一のコンテナに異なる番号で表示される適用除外危険物が収納されている場合は、要求が一番厳しい番号の基準で各外装容器の数量を限定します。貨物車両、鉄道貨車又は複合輸送貨物コンテナの輸送物の収納個数は、1000 個以下としなければならない。
包装される輸送物は、1.8mの高さから落下試験及び24H積み重ねる荷重試験で評価されないとはいけません。内装容器の破裂又は漏らすことがないように確認し、使用に深刻な影響が出ないように保障します。
(1)標識 適用除外危険物を輸送する場合、恒久的で明確に示さないとはいけません。(図5)各危険物の主な危険クラス又は割り当てられている区分を表示しなければなりません。荷送人又は荷受人の氏名は輸送物表側のどこにも表示されない場合には、その情報を標識に示す必要があります。
適用除外危険物が収納している外包装の表面に、明瞭に視認できる場合を除いて、図5のように表示しなければなりません。
図5 適用除外危険物標識
注1、外枠及び形象は同色、黒又は赤で、下地は白又は対照的な色で表示する
注2、*危険クラス又は割り当てられている区分をこの位置に示す
注3、**荷送人又は荷受人の氏名は輸送物表側のどこにも表示されない場合には、この位置に示す
(2)書類 適用除外危険物を輸送し、輸送書類に添付されている場合には、「適用除外危険物」という文字及び輸送物の個数を表示しないとはいけません。
(3)免除 適用除外危険物を輸送する際、下記a)、b)という二の方面を除いて、本基準規定に合致する場合には、ほかの輸送要求を免除することができます。
a) 危険物輸送を担当する従業者に対してトレーニング要求;
b) 危険物分類、分類手順及び包装組標準。
五、まとめ
危険化学品の輸送について、まず、当該危険化学品は危険物リストに収載されるかどうかを判断しなければなりません。『危険物品名リスト』(GB12268-2012)により判断することができます。次、危険物の輸送数量及び『少量危険物包装要求』(GB26844.2-2012)、『適用除外危険物包装要求』(GB26844.1-2012)を参考し、適切な輸送方式を選択します。続きまして、上述した判断結果により、正確な包装材料で包装します。例えば、UN規格で包装必要かどうかについて判断し、規定通りに包装標識或いは標札を貼り付けます。又、ある程度の免除できる基準で少量危険物又は適用除外危険物として輸送することができるかどうかを判定します。最後に、輸送資格を持っている輸送機関を選択します。
注意しなければならないのは、少量危険物又は適用除外危険物としての輸送が、現時点、国家標準にて明確に定めます。法規又は条例の中にまだ収載されません。『危険貨物道路運送規則』に少量危険物又は適用除外危険物輸送を提出したが、2016年より意見を求める原稿を打ち出し、正式版がまだ発布しません。けれども、前の叩き台にて規定により、少量危険物輸送は8トン/車という総量を限定し、適用除外危険物輸送は1000個以下の収納個数を限定しています。その限定基準も企業に特別注意しないとはいけません。もう一方、中国郵便法により、危険化学品の郵送と速達が全般的に禁止られます。実際に輸送する場合、海上運送と航空運送は国際通行している規定通りに危険物を輸送します。関係要求に合致するものに対して、少量危険物また適用除外危険物として輸送可能です。