2024年版「特殊医学用途調整食品通則」(意見募集稿)四つの修訂要点
Source: CIRS

2024年1月18日、中国国家衛生健康委員会(NHC)と中国国家市場監督管理総局(SAMR)は「特殊医学用途調整食品通則」(意見募集稿)を公布しました。今回社会意見募集の時間は2024年1月18日から2024年2月29日までです。

現行の2013年版「GB 29922 食品安全国家標準 特殊医学用途調整食品通則」に比べて、今回の社会意見募集稿は主に製品類別、技術要求、ラベル表示、他の要求という四つの方面を修訂します。詳細は以下の通りです。

1. 製品類別の修訂

表1 特殊医学用途調整食品の製品類別

類別

現行標準

修訂内容

全栄養処方食品

1~10歳向けの全栄養処方食品

10歳以上向けの全栄養処方食品

新増:部分栄養調整型全栄養処方食品

例えば、 

  1. 高脂肪低炭水化物全栄養処方食品。脂肪のエネルギー供給率は≥40%。
  2. 高蛋白質全栄養処方食品。蛋白質のエネルギー供給率は≥20%。
  3. 高エネルギー密度全栄養処方食品。即食状態下エネルギー密度≥1.5kcal/mL。

特定全栄養処方食品

付録Aに列記する13類

調整:12類を保留。元標準にての「食物蛋白アレルギー全栄養処方食品」を「部分栄養調整型全栄養処方食品」に分類。

新増:その他。製品創新を励まし、元標準の閉鎖性を解決。

非全栄養処方食品

栄養素処方、増稠処方、流動食処方、電解質処方、アミノ酸代謝異常処方

1. 新増(類別):

特定疾病非全栄養処方。

ほか類。例えば、非特定疾病非全栄養処方。

2. 新増(処方):

膳食繊維処方。

手術前炭水化物処方。

3. 蛋白質処方は細化:元標準にての「蛋白質(アミノ酸)処方」を五つの処方に細化。それぞれは蛋白質処方、必須アミノ酸処方、分岐鎖アミノ酸処方、アルギニン処方、グルタミン処方。

2. 技術要求の修訂

技術要求の修訂は、現行技術要求を更に細化、補充する同時に、一部栄養素の含有量要求を調整することです。詳細は以下の通りです。

表2 特殊医学用途調整食品栄養成分の技術要求

類別

主要修訂内容

全栄養処方食品

  1. エネルギー計算:特殊医学用途調整食品中の膳食繊維は「8kJ/g」でエネルギー値計算することを明確。もし、ほか物質のエネルギー供給が総エネルギーの5%及び以上を占める場合、総エネルギーに計入する必要。
  2. 選択可能な成分とその含有量について要求を追加:1歳~10歳向けの全栄養処方食品はビタミンK2、1,3-ジオレイン酸-2-パルミチン酸グリセリド、ルテイン、ラクトフェリン、カゼインホスホペプチドを追加。10歳以上向けの全栄養処方食品はビタミンK2、EPA(エイコサペンタエン酸)+DHA、CaHMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸カルシウム)を追加。
  3. 一部栄養素の含有量を修訂:1歳~10歳向けの全栄養処方食品、そのビタミンA下限値を「75.0 µgRE/100kcal」から「35.0 µgRE/100kcal」に下げる。DHAとARAの含有量表示を「%(総脂肪酸)」から「mg」に修訂し、含有量上限値も相応的に修訂。
  4. 一部栄養素の測定方法を更新:例えば、脂肪酸、ビタミンA、ビタミンDなどの指標は更新後の国家標準に基づいて修訂。
  5. その他:ビタミンEの含有量要求について、備考に「1 mg dl-α-トコフェロール=0.74 mgα-TE(α-トコフェロール当量)」の説明を追加。

非全栄養処方食品

  1. 蛋白質処方の蛋白質含有量は、製品全体の70%及び以上でなければならない(液体製品の蛋白質含有量は総乾物質の65%及び以上でなければならない)。4つのアミノ酸処方それぞれの相応アミノ酸含有量は、製品全体の70%及び以上でなければならない。
  2. 脂肪(脂肪酸)処方:原料の由来、応用の溶解性、脂肪酸の構成、ほか原料の使用などの技術要求を追加。
  3. 炭水化物処方:不溶性食物繊維への制限を追加。
  4. 増稠処方:炭水化物の添加は、エネルギーや栄養成分の提供を目的としてはならない。他の栄養素を追加添加してもならないことを明確。
  5. 電解質処方:「炭水化物および/またはペプチドを基礎とする」に修訂。つまり、ペプチド類を基礎として添加できることを追加。
  6. 流動食処方:「エネルギー供給を目的として脂肪添加してはならない」と明確。蛋白質の由来とそのエネルギー供給率要求を明確。
  7. 手術前炭水化物処方:エネルギー密度、電解質、浸透圧などの技術指標を規定。

3. ラベル表示の修訂

  • 膳食繊維の表示要求を追加。また、その種類(可溶性/不溶性)も表示する必要。
  • 増稠処方製品について、溶解後の技術指標表示要求を追加。例えば。溶解後の相応えん下障害食品レベル、溶解温度、放置時間などの参数。
  • 一部製品について、浸透圧の表示要求を追加。流動食処方、電解質処方、手術前炭水化物処方、アミノ酸代謝異常処方の製品は、製品即食状態の浸透圧を表記する必要。他の製品は状況に応じて表示内容を選択できる。

4. ほか要求の修訂

  • 特定全栄養処方食品の管理要求を追加:特定全栄養処方食品は、全栄養処方食品が目標対象者の栄養需要を満たせない場合にのみ、標準や栄養処方の制定が必要であることを明確。国家標準がまだ制定していない特定全栄養処方食品について、その安全性と応用効果は科学検証が必要であることを明確。
  • 半固体の特殊医学用途調整食品の微生物限量要求を追加し、液体と同様に商業的無菌を達成しなければならない。
  • 特殊医学用途調整食品の香料使用規定を更に明確。適用対象者が1〜3歳であれば、GB 2760に定める後期乳児及び幼児用調製食品の香料使用規定に適合しなければならない。適用対象者が1〜3歳を含まない場合、GB 2760に定める食用香料を使用できる。

以上は、「特殊医学用途調整食品通則」(意見募集稿)の修訂要点について紹介です。中国特殊医学用途調整食品(FSMP)の登録や法規制対応について、詳しくはこちらにてご確認ください。

 

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