【重要】生態環境法典の施行に伴い、新規化学物質登録制度が抜本的見直しへ
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専門家解説:新規化学物質登録規則の改定により、登録申請者、登録タイプ、免除範囲、ポリマー管理、サプライチェーン責任などが全面的に再構築

CIRS工業化学品事業部

「生態環境法典」が2026年8月15日に施行されることに伴い、生態環境部第12号令「新規化学物質環境管理登録弁法」(以下「12号令」)についても、法典との整合性を図るため、体系的な改定作業が本格化しています。2026年6月11日、生態環境部から「新規化学物質環境管理登録弁法(意見募集案)」(以下「弁法(意見募集案)」)が公表され、各行政機関、団体、企業、個人を対象とした意見募集が開始されました。なお、意見募集の締め切りは2026年7月12日となっています。

「弁法(意見募集案)」の全体像を見ると、今回の改定は12号令の一部条文に対する局所的な技術修正にとどまらず、登録申請主体、登録タイプ、免除範囲、ポリマーの管理方法、高有害性物質の監督管理と法的責任など、多岐にわたる項目において全体的な再構築が行われていることが分かります。こうした抜本的な見直しの背景には、生態環境法典の発効に伴い、新規化学物質の環境管理における法的位置づけおよび制度設計の論理そのものが変化しているという事情があります。今回の改定の核心は、単に旧来の規則を新法典の下にそのまま踏襲することではなく、法典が求める責任主体、活動範囲、法的責任、およびリスク管理要件の再定義に沿って、現行制度を構造的に再調整することにあります。

CIRSグループの専門家チームは、新規化学物質環境管理における規制・政策の重要な法改正について、実務への影響が特に大きい10項目の変更点を抽出し、関連企業が迅速かつ正確に政策変更の内容を把握し、早期に対応策を講じられるよう、専門的なコンプライアンス支援とアドバイスを提供いたします。

(一)立法根拠の「生態環境法典」への統一と罰則の大幅強化

改定前(現行の12号令)は、関係法令に加え、『確実に保留すべき行政審査・承認項目に対する行政許可設定に関する国務院の決定』などが規制の法的基盤として依拠されていました。

改定後、「弁法(意見募集案)」においては、その立法根拠が「『中華人民共和国生態環境法典』などの法律法規に基づき、本弁法を制定する」へと直接的に調整されました。これにより、新規化学物質に関連する違法行為への罰則は、すべて「生態環境法典」の規定と完全に足並みを揃えることになります。

特に、登録証を取得せずに新規化学物質を製造・輸入した企業、登録証の要求に従わずに活動を行った企業、あるいは登録証未取得の新規化学物質を「使用」した企業に対する制裁金(過料)の金額は劇的に引き上げられ、最高で200万人民元(約4,000万円相当)に達します。さらに、是正命令に従わない場合の「累積罰(段階的な過料の加算)」はより厳格化されます。注目すべきは、処罰の対象が直接の製造・輸入段階にとどまらず、登録証未取得の新規物質を調達して製品を製造する「使用行為」までもが明確に責任範囲に組み込まれた点です。これにより、営業停止処分などの「営業上の制裁措置」の適用が大幅に強まることになります。また、その他の軽微な違法行為に対しても、制裁金の上限が10万人民元へと引き上げられています。

したがって、企業にとって新規化学物質のコンプライアンスは、単なる「登録申請という一時点のハードル」ではなく、調達、輸入、研究開発、販売、そして川下管理に至るサプライチェーンの全フェーズに内在する「総合的な法的リスク管理」として位置づけられることが必要です。

(二)海外企業および中国国内の加工使用企業は、登録申請者の対象外に

改定前(現行の12号令)では、中国国内へ新規化学物質を輸出する海外の製造企業または貿易企業が申請者となることが認められていました。ただし、その場合は中国国内で法的に登記され、独立して法的責任を負うことができる企業・機関を代理人として指定する必要がありました。また、すでに他の規制で管理されている製品が新規化学物質に該当し、かつ他の工業用途へ変更しようとする場合や、既存化学物質に対して新用途環境管理が実施されており、許可用途以外の工業用途に使用しようとする場合など、一部の特殊なケースにおいては、加工使用企業も申請者となることができました。

改定後、「弁法(意見募集案)」によれば、中国国内で新規化学物質を製造または輸入する企業・機関のみが登録申請者となることができます。これにより、海外企業および中国国内の加工使用企業は、いずれも新規化学物質の登録申請者となることができなくなります。

上記新規化学物質の登録申請者に関する調整は、「生態環境法典」における関連規定の記述と完全に揃えたものです。

海外企業が申請者になれないということは、監督管理の責任が、中国国内で直接的な法執行や継続的な責任追及が可能な「中国国内主体」へとより明確に帰属されることを示しています。多国籍企業にとって、新規化学物質登録のコンプライアンス方法は、従来の「海外企業が申請者となり、国内代理人を指定して共同で義務・責任を履行するスキーム」から、「国内の輸入企業が登録者となり、海外企業はデータ提供などのサポートのみを行うスキーム」へと移行することになります。これに伴い、役割分担、データの授受・ライセンス、秘密保持、およびコスト分担などのメカニズムの再構築を迫られることになります。なお、国内に複数の輸入企業が存在する場合は、それぞれの企業が新規化学物質登録を完了させる必要があります。

また、国内の加工使用企業が登録申請者となれなくなることで、製造・輸入企業は新規化学物質登録を行う際、サプライチェーンの川下におけるすべての加工使用企業の用途を網羅し、あらゆる用途シナリオにおけるリスク評価を完了させ、それぞれのリスク管理措置を講じる義務が生じます。予定している工業用途が登録申請された用途と一致しない場合、川下の加工使用企業は当該物質を加工・使用することはできません。

(三)特殊製品の適用除外カテゴリーの廃止、および科学研究用途の免除カテゴリーの新設

改定前、医薬品(原薬を含む)、農薬(農薬原薬を含む)、動物用医薬品(原薬を含む)、化粧品、食品、食品添加物、飼料、飼料添加物、肥料などの製品は、すでに他の主管部門および関連法規の規制対象であったことから、12号令の適用除外とされていました。

改定後、「弁法(意見募集案)」では、上記の製品についても新規化学物質登録の管理範囲に含まれることになり、単に製品が属する業界の区分だけで適用除外となる仕組みではなくなります。この改定がそのまま施行された場合、医薬品、農薬、化粧品、食品などの関連サプライチェーン企業への影響は極めてダイレクトなものとなります。該当企業は、製品の輸入、原薬や原体の製造・輸入、および添加物の製造・輸入の各ケースにおける新規物質登録義務について、改めて精査する必要があります。

一方、「弁法(意見募集案)」では、科学的研究、分析・テスト、計量・モニタリングなどの科学研究用途に対する免除規定を設ける方針が示されました。これは、今後の規制が、活動の目的やリスク暴露の特性に基づいて登録の要否を識別するアプローチへ転換することを強調しています。科学研究用途の免除は、企業や研究機関のイノベーション研究を後押しするものであるものの、事後の監督管理や査察に対応できるよう、該当機関においては用途証明、流通管理、および資料の保管体制を完全に構築しておくことが推奨されます。

(四)登録タイプの調整、および備案の廃止

改定前、12号令における新規化学物質登録のタイプには、「通常登録:10トン以上/年)」、「簡易登録:1トン以上10トン未満/年)」、および「備案(届出):1トン未満/年、または特定の条件を満たすポリマー)」の3つが存在していました。「備案(届出)」制度の最大のメリットは、資料要件が簡単、コンプライアンスに要する期間が極めて短い点にありました。申請者が備案資料を提出すると、オンライン登録システムから自動的に備案受領書が発行され、申請者はすぐにその内容に沿って新規化学物質の関連活動を開始することができました。これに対し、「通常登録」や「簡易登録」の申請では、いずれも技術審査の手続きを経て主管部門による行政承認決定を待つ必要があり、コンプライアンス期間が相対的長期に及びます。

改定後、「弁法(意見募集案)」によれば、「備案(届出)」タイプが完全に廃止され、新規化学物質の年間製造量または輸入量が1トン未満の場合は「簡易登録」を行う必要があり、1トン以上の場合はすべて「通常登録」の範囲に組み込まれます。ただし、新規化学物質の登録数量(トン数)を勘案すると、該当するトン数ごとの資料要求やデータ要件自体は、現行の12号令下の要求事項とおおむね一致しています。すなわち、登録タイプの調整による今後の主な変化は、必ずしも初期段階における登録資料や試験データ要件の爆発的な増加として現れるのではなく、むしろ「承認手続きの変更」として現れる可能性が高いと言えます。年間製造量または輸入量が1トン未満の新規化学物質のコンプライアンスは、従来の「資料を提出すれば活動を開始できる」仕組みから、「行政による承認結果を待たなければならない」仕組みへと移行します。

コンプライアンス管理の視点から見ると、これは企業の市場投入のペース(タイム・ツー・マーケット)、供給計画、および顧客への納期コミットメントに重大な影響を及ぼします。これまで「備案」に依存して市場の需要に迅速に対応していた企業にとって、時間的コストは、試験コストよりも早く表面化するボトルネックとなるでしょう。企業はプロジェクトの開始時期を前倒しし、登録戦略とビジネススケジュールの連携を再評価する必要があります。

(五)ポリマーに関する特別規定

改定前、12号令では、ポリマーの備案条件を満たし、かつ備案除外事由に該当しない場合は、申請トン数の制限なく「ポリマー備案」を行うことが可能でした。備案条件を満たさないポリマーについては、申請数量に応じて通常登録または簡易登録を行う必要がありましたが、ポリマーが規定の3つの判断基準を満たす場合、健康毒性・生態毒性データおよび環境リスク評価報告書の提出が免除できます。この制度は、膨大な数のポリマー製品に対し、高効率かつ行政介入の少ない市場参入ルートを提供していました。

改定後、「弁法(意見募集案)」によれば、ポリマーの登録タイプについても、完全に申請数量(トン数基準)のみで判断されることになります。ポリマーの申請量が1トン未満の場合は簡易登録、1トン以上の場合は通常登録が必要となります。登録資料およびデータ要件の面では、ポリマーに対する特別規定は引き続き維持されています。新規化学物質に該当するモノマーまたは反応物の含有量が2%を超えないポリマー、および低懸念ポリマーについては、一連の判断条件を満たすことを前提に、登録資料・データ要件の免除または簡素化が継続されます。しかしながら、ポリマーの「備案」タイプ自体が廃止されるため、登録手続き上、すべてのポリマーが行政承認の枠組みに組み込まれることになります。

この変更は、実務上少なくとも次の二つの面で多大なインパクトが生じると予想されます。まず、市場投入までのリードタイムの長期化です。たとえ簡素化・免除の要件を満たすポリマーであっても、今後は例外なく行政当局の審査・承認プロセスに組み込まれるため、従来の「備案(届出)」ルートのような迅速な市場参入は不可能になります。また、独自のノウハウや営業秘密の保護がより困難になる点です。特にポリマーの構造や組成の秘匿性に依存している製品では、自動発効であった従来の備案ルートがもたらしていた機密保持上の優位性が失われ、情報漏洩や開示のリスクが高まる恐れがあります。

(六)シリーズ登録の廃止

改定前、12号令では、同一の申請者が、分子構造が類似し、用途が同一または極めて近く、かつテストデータが類似している複数の新規化学物質をワンセットにして申請する場合、「新規化学物質環境管理シリーズ登録」を行うことができると規定されていました。実務上、この制度は申請企業が試験コストを抑制し、同類製品の組み合わせ登録を最適化するための重要な手段であり、一度に複数の同類物質の登録を完了させる有効なルートとして活用されていました。

改定後、「弁法(意見募集案)」では、このシリーズ登録の区分が廃止されます。原因として、主管部門は、一連の物質がシリーズ登録の条件に合致しているか否かの判断が、専門家の個別のケースバイケースの判断に強く依存することを懸念したとされています。企業が初期段階でコスト削減を優先してシリーズ登録を選択したものの、最終的に専門家によって系列の条件に不適合と判定された場合、登録タイプの再選択や試験データの追加提出を余儀なくされ、結果としてプロジェクト全体の進行が遅延するという弊害が指摘されていました。

制度設計のロジックから見ると、今回の調整は、主管部門が制度のグレーゾーンを排除し、登録ルートの予見可能性を高めようとしている姿勢の表れと言えます。類似物質間のデータ・クロスリファレンス(Read-Across)の許容性については、今後主管部門からさらなるガイドライン等の説明が待たれるところです。

(七)『名録』への不収載ルールの新設

改定前、12号令の規定では、通常登録証を取得した新規化学物質は、初回登録日から5年が経過した時点で、主管部門による公告を経て『名録』に収載される仕組みでした。高有害性化学物質、ならびに持久性(P)および生物蓄積性(B)、あるいは持久性(P)および毒性(T)、あるいは生物蓄積性(B)および毒性(T)を有する新規化学物質については、『名録』に収載される際に「許可用途」が明記され、新用途環境管理が実施されていました。

改定後、「弁法(意見募集案)」によれば、中国国内の累計年間製造・輸入量が10トン未満の物質、新用途環境管理が実施されている物質、特定の条件を満たすポリマーに該当する場合、常規登記証の取得から5年が経過したとしても、『名録』には収載されず、長期にわたり「新規化学物質」としての管理が継続される方針が示されました。

この改定が正式発効された場合、高有害性化学物質のみならず、持久性と生物蓄積性(PB)、持久性と毒性(PT)、または生物蓄積性と毒性(BT)を有する物質も、実質的に「継続規制の対象となる特殊物質」と同等の扱いとなります。これにより、企業のコンプライアンスコストは長期にわたり高水準で推移することが予想されます。さらに、現在「新汚染物質」の管理が継続的に強化されている政策トレンドを鑑みると、上記に該当する新規物質については、商業化による収益性の見通し、申請用途の拡大、および長期的なコンプライアンス投資について、根本的な再評価を行う必要があります。

(八)サプライチェーン内の情報伝達におけるエビデンス要求の強化

改定前、12号令においても、新規化学物質の製造者、輸入者、および加工使用企業に対し、川下ユーザーへと登録証番号、申請用途、環境・健康有害性特性、リスク管理措置、および環境管理要求などの情報を、最終的な加工使用企業に至るまで伝達することが義務付けられていました。しかし、その伝達方法やエビデンスの保存に関する具体的な要求事項はそれほど細かく規定されていませんでした。伝達は電子または書面形式で行うことができる旨、および伝達内容とそれを証明するエビデンスを適切にアーカイブして検査に備える旨が言及されているのみでした。

改定後、「弁法(意見募集案)」では、新規化学物質を製造・輸入・使用する企業や機関に対し、販売や委託などの契約条項において、登録証に記載された関連情報を川下ユーザーへ確実に伝達することを義務付けています。情報伝達のルートおよびそのエビデンス化について、より具体的な要求が突きつけられています。

さらに新たな要件として、該当企業は毎年3月31日までに、前年度の活動記録を「新規化学物質環境管理情報システム」へアップロードすることが求められます。これにより、従来の「〇年間保存」といった静的な保管義務が撤廃され、システム上のデジタル記録を通じた動的なリアルタイム監督管理へと移行します。

この変化の本質は、今後の新規化学物質登録後の情報伝達に対し、規制当局の監視の目が「義務を履行したか否か」という形式から、「完全、かつタイムリーに追跡可能な形で履行したことを、企業自ら立証できるか否か」へと拡張されるということです。特に「生態環境法典」において、新規化学物質の違法使用に対する罰則が大幅に強化されている背景を踏まえると、サプライチェーンにおける責任帰属のエビデンス化は、今後のコンプライアンス管理の重要な課題となります。

したがって、企業は販売、調達、法務、EHS、およびカスタマーサービスなどの複数の部門にまたがる標準化された情報伝達体制(標準テンプレート、受領書の回収フロー、トレーニング記録、異常発生時の処理プロセスなどを含む)を、速やかに構築することが急務となります。

(九)1〜10トンの登録資料要件は、国内の「累積登録総量」に依存する仕組みへ

「弁法(意見募集案)」によれば、登録申請量が1〜10トンの新規化学物質について通常登録を行う際、その登録資料およびデータ要件は、すでに登録が完了している同一物質の中国国内における「累積登録総量」に依存する仕組みが導入されます

また、申請する新規化学物質の全国累計年間製造・輸入量が10トン未満である場合は、新規化学物質汚染リスク評価報告書および汚染リスク管理措置の提出が免除され、高有害性物質であっても社会経済ベネフィット分析資料の提出義務はありません。

上記制度の導入は、市場参入の順番(先発か後発か)、競合他社の動向予測、およびプロジェクトの予算策定に直接的な影響を及ぼします。企業は申請書を提出する前に、自らの年間需要を評価するだけでなく、同一物質について他社がすでに登録を完了しているか、また他社がどの程度のトン数枠を消化しているかを可能な限り把握する必要が生じます。

(十)新旧制度の移行:残された時間は僅少、差し迫るタイムリミット

「弁法(意見募集案)」によれば、現行の『新規化学物質環境管理登録弁法』(12号令)に基づいて備案を完了済みの物質について、該当する申請者は2026年12月31日までに本弁法の規定に従い、改めて登録証を申請・取得しなければならないと規定されています。

統計によると、12号令の下で備案が完了している新規物質の数は17万物質以上にのぼります。これら既存のストックである備案済み物質は、例外なく簡易登録証または常規登録証への再申請を迫られることになり、これは企業のコンプライアンス実務だけでなく、規制当局の審査効率にとっても極めて大きな試練となります。企業は速やかに備案済み物質のスクリーニングを行い、新設される「科学研究用途の免除カテゴリー」に該当するか否かを確認し、登録実務のコストを最小限に抑える対策を講じる必要があります。

一方で、旧『新規化学物質環境管理弁法』(7号令)および現行の12号令に基づきすでに登録証を取得済みの物質については、本弁法の施行後も引き続き有効とされます。また、本弁法の発効前に12号令に基づいて正式に受理された登録申請についても、発効後は引き続き12号令の規定に沿って手続きを進めることが認められており、企業の登録実務におけるシームレスな移行への配慮もなされています。

しかしながら、「弁法(意見募集案)」では、本改定弁法の施行日を「2026年8月15日」とし、「生態環境法典」と同時施行する方針が明記されています。企業に与えられた猶予はわずかであり、ストック案件の包括的なリスク監査を進め、一刻も早くタイムラインに沿った計画を策定することが急務です。

  • 今後企業に求められる実務対応とコンプライアンス戦略

第一に、既存の案件に対する全面的な精査を速やかに完了させること。対象物質のカテゴリー、トン数帯、現在の進捗状況、登録申請主体、登録証のステータス、および川下の用途・流通ルートに至るまで現行の全案件を精査し、申請主体の変更、備案の廃止、あるいはポリマー登録ルートの調整によって、どのプロジェクトが最も深刻な影響を受けるかを早期に特定しなければなりません。

次に、ポリマーのコンプライアンス戦略を再構築すること。低懸念ポリマー、2%未満ポリマー、または1トン未満のポリマーに依存している企業は、今後の行政承認化のトレンドに伴う時間的コストの増加、データのギャップ、および営業秘密の保護スキームについて、速やかに評価を行う必要があります。

第三に、海外企業は、新たな法規制に対応した体制の再構築。新規則の施行後、海外企業は登録申請者となることができなくなります。今後の対応策としては、①特定の輸入企業を1社選定して登録を完了させた上で、川下の加工使用企業へ分売を行うか、あるいは、②製品を調達する川下の加工使用企業がそれぞれ個別に登録手続きを行うか、のいずれかを選択せざるを得なくなります。

第四に、サプライチェーン内の情報伝達およびエビデンスの保管体制の整備。今後は単に伝達するだけでなく、その追跡可能性が厳しく問われるため、SDS、売買契約書、技術合意書、および顧客への通知メカニズムと連携した、標準化された新規物質情報伝達テンプレートおよび受領確認書のシステムを早急に構築することを推奨します。

最後に、今後の正式稿の発表前後の動きを注視し、社内インパクト評価を実施すること。正式稿が発令されるタイミングを見計らい、登録申請主体、登録タイプ、ポリマー、新旧登録証の移行、新用途環境管理、およびトン数累積管理などのテーマに関する社内影響評価の準備を整え、中国市場への参入戦略や製品ポートフォリオを最適化できるようにしておく必要があります。

「生態環境法典」の施行日が迫る中、新規化学物質登録管理における規制・制度の改定作業は今後急速に進展し、確定されるものと想定されます。新規物質登録に関わる関連企業におかれましては、一連の規制動向を最重要課題として位置づけ、今後到来し得る大幅な制度変更に備え、時間的猶予およびコンプライアンス予算の確保を進められることを強くお勧めいたします。

CIRSグループは、関連法規や官庁動向を継続的にモニタリングし、最新の規制解説やコンプライアンス戦略に関する最適なソリューションをタイムリーに提供してまいります。今後も、弊社公式サイトおよび化学品規制情報プラットフォーム「化規通/ChemRadar」を通じて専門的な分析記事を随時配信しています。また、皆様のコンプライアンス実務のサポートとして、弊社が主催する本改定案に特化したシリーズセミナーへのご参加を心よりお待ち申し上げております。