2026年2月11日、欧州連合(EU)は、洗剤および界面活性剤に関する新規則 (EU) 2026/405 を正式に公布しました。本規則は、約20年にわたり施行されてきた旧規則 (EC) No 648/2004 を全面的に置き換えるものです。新規則では、界面活性剤の生分解性に関する最低要件の策定、自動食器洗い機用洗剤におけるリン酸塩およびその他のリン化合物の含有量制限、デジタル製品パスポート (Digital Product Passport, DPP) の導入、ならびに感作性香料に関する規定を含む新しいラベル表示ルールの確立が行われました。EUへ洗剤や界面活性剤を輸出する企業は、本規則への対応が不可欠となります。
生分解性
新規則では、界面活性剤の生分解性に対して厳格な要件を課しており、生分解性試験は認定された試験所で行う必要があります。試験方法によりますが、28日間で60%または70%以上の生分解率を達成することが求められます。
また、規定により、委員会は将来的に(移行期間後)、生分解性の要求範囲を洗剤製品に含まれる他の有機化学物質(成膜剤、カプセル外装など)へ全面的に拡大する権限が付与されています。
リン酸塩およびその他のリン化合物の含有量制限
家庭用洗濯洗剤について、標準的な作動状況および硬水条件下でのメインウォッシュサイクルにおける推奨使用量あたりの総リン含有量は、0.5g/回以下でなければなりません:
(i) 重負荷用洗剤(強力洗剤):「通常の汚れ」に対する推奨使用量に基づく。
(ii) デリケート衣類用洗剤:「軽い汚れ」に対する推奨使用量に基づく。
家庭用自動食器洗い機用洗剤については、総リン含有量を0.3g/回以下とする必要があります。
微生物管理要件
生きた微生物を含有する製品(プロバイオティクス洗剤など)が初めて規制対象となりました。添加される微生物は特定の安全基準(非病原性)を満たさなければならず、企業は当該微生物が安全であり、かつ薬剤耐性を生じさせないことを証明する必要があります。
デジタル製品パスポート(DPP)と授権代理人
EU市場に投入されるすべての洗剤および界面活性剤には、デジタル製品パスポートの備え付けが義務付けられます。EU域外の製造者は、DPPの維持管理および規制上の連絡窓口となるEU域内授権代理人を指名しなければなりません。
新しいラベル表示ルール
企業は物理ラベルまたはデジタルラベルを選択できます。ラベルには製品名、商標名、バッチ番号、固有フォーミュラ識別子(UFI)、使用説明書、洗剤または界面活性剤の含有量などを記載する必要があります。
新規則では、成分リストの全文など一部の非重要な情報をオンラインのデジタルラベルに移行することを認めています。ただし、アレルギー患者やデジタル環境に不慣れな層への配慮から、重要な安全情報(使用量、アレルゲン、緊急処置など)は引き続き物理ラベルに記載しなければなりません。
動物実験の禁止
新規則では動物実験を明確に禁止しており、代替試験法(NAMs)の使用を推奨しています。
その他
洗剤がEU殺生物性製品規則(BPR)の要件を満たさない限り、殺菌・抑菌効果を宣伝することは禁止されます。また、EUに輸出される洗剤および界面活性剤は、EU REACH規則およびCLP規則の関連要件にも適合する必要があります。
CIRSグループのアドバイス
EUへ洗剤や界面活性剤を輸出する企業は、新規則の施行に伴う最新動向をいち早く把握し、技術文書(適合宣言書、生分解性試験報告書、新ラベルなど)およびデジタル製品パスポートの準備を早期に進めることをお勧めします。
CIRSグループのサービス
- EU洗剤および界面活性剤規制に関するコンサルティング・トレーニング
- EU洗剤公式UFI申請、処方確認およびラベル作成
- 界面活性剤の生分解性試験報告書の作成
- EUデジタル製品パスポート(DPP)支援
- EU授権代理サービス人
- EU REACHおよびCLP規則へのコンプライアンス対応
