2025年EU食品添加物年次レポート:18品目が承認、微生物製法・代替甘味料の申請が急増
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EU 情報検索プラットフォーム「Open EFSA」の公開情報及び欧州委員会(EC)が公布する法規に基づき、CIRSは2025年のEU食品添加物(Food additive、以下「FA」)の申請動向を集計・分析し、企業各位の参考資料として整理しております。

2025年12月31日時点におけるEU食品添加物申請・審査動向は図1の通りです。

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図1 2025年EU食品添加物申請審査動向

EUにより承認された食品添加物

2025年、欧州委員会(EC)は計18品目の食品添加物を承認し、全ては既存品目の改正申請となります(一覧は表1参照)。

規則 (EC) No 1331/2008第3条(1)に基づき、食品添加物リストはECが自主的に更新するほか、企業またはEU加盟国からの申請により更新されます。従いまして、申請区分は新規食品添加物申請、既承認品目の仕様改正申請、既承認品目の再評価申請の3種類となります。

2025年の承認実績は改正申請が中心となっており、新規添加物に比べ既存品の使用基準・品質規格改正の方が審査期間が短縮される傾向にあります。ただし、いずれの申請区分であっても、EUガイドラインを十分に踏まえ、申請資料の要件を満たすことで審査を円滑に進めることが可能となります。

表1 2025年EC承認食品添加物一覧

NO.

法規番号

承認日

物質名

申請区分

1

(EU) 2025/651

2025.04.02

脂肪酸モノ・ジグリセリド(E 471)

Mono- and diglycerides of fatty acids (E 471)

仕様改正申請

2

カルナウバロウ(E 903)

Carnauba wax (E 903)

3

レシチン(E 322)

Lecithins (E 322)

4

脂肪酸(E 570)

Fatty acids (E 570)

5

(EU) 2025/652

2025.04.02

イワヤロイチミセス・リポリティカ発酵ステビオール配糖体

Steviol glycosides produced by fermentation using Yarrowia lipolytica

仕様改正申請

6

(EU) 2025/666

2025.04.04

カルボキシメチルセルロースナトリウム

Sodium carboxy methyl cellulose

再評価申請

7

セルロースガム(E 466)

Cellulose gum (E 466)

8

セルロース(E 460)

Cellulose (E 460)

9

メチルセルロース(E 461)

Methyl cellulose (E 461)

10

エチルセルロース(E 462)

Ethyl cellulose (E 462)

11

ヒドロキシプロピルセルロース(E 463)

Hydroxypropyl cellulose (E 463)

12

ヒドロキシプロピルメチルセルロース(E 464)

Hydroxypropyl methyl cellulose (E 464)

13

エチルメチルセルロース(E 465)

Ethyl methyl cellulose (E 465)

14

架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム

Cross-linked sodium carboxy methyl cellulose

15

架橋セルロースガム(E 468)

Cross linked cellulose gum (E 468)

16

架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム

Enzymatically hydrolysed carboxy methyl cellulose (E 469)

17

(EU) 2025/1150

2025.06.11

アスコルビン酸ナトリウム(E 301)

Sodium ascorbate (E 301)

仕様改正申請

18

(EU) 2025/1337

2025.07.10

ポリビニルポリピロリドン(E 1202)

Polyvinylpolypyrrolidone (E 1202)

仕様改正申請

 

EUに書類受領・申請受理された食品添加物

2025年、欧州食品安全機関(EFSA)は新規FA申請資料を2件受領・受理しました。

羅漢果抽出物(Monk fruit extract)について受領日と受理日がいずれも2025年内となるため、計3品目が対象となります(表2参照)。

表2 2025年EU受領・受理食品添加物一覧

NO.

物質名

申請区分

申請機能

受領日

受理日

1

タマリンドシード多糖

Tamarind seed polysaccharide

新規FA申請

乳化剤

増粘剤

安定剤

2024.03.23

2025.05.27

2

羅漢果抽出物

Monk fruit extract

新規FA申請

甘味料

2025.01.08

2025.06.23

3

遺伝子組換えモニリエラ・ポリニス CD16243 由来キシリトール(E 967)

xylitol (E 967) obtained from a genetically modified Moniliella pollinis strain CD16243

仕様改正申請

甘味料

2025.09.15

/

 

EFSAが科学的意見を公表した食品添加物

2025年EFSAは計14 品目について科学的意見を公表し、内訳は新規FA申請3品目、既存品仕様改正2品目、既存品再評価9品目となります。

表3 2025年EFSA科学的意見公表食品添加物一覧

申請区分

物質名

科学的意見

新規 FA 申請

ハグア(ゲニピン・グリシン)ブルー

Jagua (genipin-glycine) blue

機能:着色料

申請使用条件において安全性に問題なし

D-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000 コハク酸エステル

D-α-tocopheryl polyethylene glycol-1000 succinate

機能:乳化剤

申請使用条件において安全性に問題なし

濃縮エンドウ繊維(FIPEA)

Pea fibre concentrate (FIPEA)

機能:安定剤・固結防止剤・小麦調整剤・起泡剤

申請使用条件において安全性に問題なし

仕様改正申請

ソルビタンモノステアレート

Sorbitan monostearate

改正後使用条件において安全性に問題なし

ステビア葉由来レバウジオシド M

Rebaudioside M from stevia leaves

改正後品質規格において安全に使用可能

再評価申請

酸素、水素、ネオテーム、アセスルファム K、プルラン、ブタン、イソブタン、プロパン、脂肪酸モノ・ジグリセリド

Oxygen, Hydrogen, Neotame, Acesulfame-K, Pullulan, Butane, Isobutane, Propane, Mono- and diglycerides of fatty acids

いずれも申請使用条件において安全性に問題なし

CIRSまとめ

2025年の食品添加物申請動向では、化学合成品以外にタマリンド多糖、羅漢果抽出物、濃縮エンドウ繊維、ステビア由来レバウジオシドMなど植物由来素材が多数を占めます。世界的な低糖・健康志向を背景に代替甘味料の申請が活発化し、消費者の選択肢拡大につながっています。

また、微生物製法による食品添加物が改正申請の重要な分野となっており、承認済みイワヤロイチミセス発酵ステビオール配糖体や、科学的意見が公表された遺伝子組換え酵母由来レバウジオシドMが代表例です。合成バイオテクノロジーの発展に伴う微生物菌株安全性評価ニーズに対応し、EFSAは新たな「食品連鎖に用いる微生物菌株安全性評価ガイドライン」を公表。詳細な科学的基準を定め、企業申請を円滑かつ効率的に支援しています。

注:データ集計上、誤記・漏れが生じる可能性があります。本文の数値は参考情報とし、EU 当局の公式発表を優先してください。内容に不備がございました場合、CIRSは皆様からのご指摘を歓迎いたします。