2025年03月21日、中国国家食品安全リスク評価センター(CFSA)は技術審査を通過した8件の新規食品添加物を公布し、社会意見募集を開始しました。中に、
- 新規食品工業用酵素製剤は2件:アミノペプチダーゼ、キシラナーゼ
- 新規食品栄養強化剤は2件:3-フコシルラクトース、ラクト-N-テトラオース
- 使用範囲、使用量拡大の食品添加物は1件:アスコルビン酸パルミチン酸エステル(酵素法)
- 使用範囲、使用量拡大の食品工業用加工助剤は2件:硫酸、酢酸エチル
- 品質規格要求修訂の食品添加物は1件:2'-フコシルラクトース
今回の意見募集締切日は2025年04月20日です。
新規食品工業用酵素製剤(2件)
酵素製剤 | 由来 | ドナー |
アミノペプチダーゼ Aminopeptidase | Trichoderma reesei | Aspergillus clavatus |
キシラナーゼ Xylanase | Trichoderma reesei | Fusarium verticillioides |
※ 食品工業用酵素製剤の品質規格要求は「GB1886.174 食品安全国家標準 食品添加剤 食品工業用酵素剤」の規定に合致しなければならない。
新規食品栄養強化剤(2件)
3-フコシルラクトース
名称:3-フコシルラクトース(3-FL)
英語名称:3-fucosyllactose,3-FL
機能分類:食品栄養強化剤
使用量、使用範囲
使用範囲 | 使用量 | 説明 |
01.03.02 調製粉ミルク(児童用粉ミルクに限り) 13.01.01 乳児調製食品 13.01.02 後期乳児及び幼児調製食品 13.01.03 特殊医学用途乳児調整食品 | 0.25-1.75 g/L (純品で計算。即食状態で計算。粉末製品は希釈倍数に基づいて使用量を換算) | 2'-フコシルラクトース、ラクト-N-ネオテトラオース、オリゴガラクトース、オリゴフルクトース、ポリフルクトース、ラフィノースと共に使用する時、該類物質の総量は「≤64.5 g/kg」となる。 |
品質規格要求
本品質規格要求は、乳糖などを原材料として、発酵、純化、乾燥などの工程で製造される3-フコシルラクトースに適用する。3-フコシルラクトースの製造菌は安全性評価に通過して付録Cの要求に合致しなければならない。
食品添加物 | 由来 | ドナー |
3-フコシルラクトース | Escherichia coli K-12 MG1655 | (Helicobacter spp.)a |
Escherichia coliBL21 (DE3) | (Bacteroides fragilis)a |
aは、「α-1,3-fucosyltransferase」のドナー
ラクト-N-テトラオース
名称:ラクト-N-テトラオース(LNT)
英語名称:Lacto-N-tetraose,LNT
機能分類:食品栄養強化剤
使用量、使用範囲
使用範囲 | 使用量 | 説明 |
01.03.02 調製粉ミルク(児童用粉ミルクに限り) 13.01.01 乳児調製食品 13.01.02 後期乳児及び幼児調製食品 13.01.03 特殊医学用途乳児調整食品 | 0.25-1.82 g/L (純品で計算。即食状態で計算。粉末製品は希釈倍数に基づいて使用量を換算) | 2'-フコシルラクトース、ラクト-N-ネオテトラオース、オリゴガラクトース、オリゴフルクトース、ポリフルクトース、ラフィノースと共に使用する時、該類物質の総量は「≤64.5 g/kg」となる。 |
品質規格要求
本品質規格要求は、乳糖などを原材料として、発酵、純化、乾燥などの工程で製造されるラクト-N-テトラオースに適用する。ラクト-N-テトラオースの製造菌は安全性評価に通過して付録Cの要求に合致しなければならない。
食品添加物 | 由来 | ドナー |
ラクト-N-テトラオース | Escherichia coli BL21 star(DE3) | (Neisseria spp.)a (Salmonella spp.)b |
Escherichia coli K-12 GI724 | (Neisseria spp.)a (Helicobacter spp.)b | |
Escherichia coli BL21(DE3) | (Salmonella enterica)b |
aは、「β-1,3-N-acetylglucosaminyltransferase」のドナー
bは、「β-1,3-galactosyltransferase」のドナー
使用範囲、使用量拡大の食品添加物(1件)
名称 | 使用範囲 | 最大使用量(g/kg) | 説明 |
アスコルビン酸パルミチン酸エステル(酵素法) | 13.01 乳幼児調製食品 13.02 乳幼児補助食品 | 0.05 | 油脂中のアスコルビン酸の量で計算 |
使用範囲、使用量拡大の食品工業用加工助剤(2件)
NO. | 名称 | 英語名称 | 機能 | 使用範囲 |
1 | 硫酸 | sulfuric acid | 破壁 | 藻類の破壁工程 |
2 | 酢酸エチル | ethyl acetate | 抽出溶剤 | 藻類由来の油脂の加工工程 (残留量≤20mg/kg) |
品質規格要求修訂の食品添加物(1件)
食品栄養強化剤 2'-フコシルラクトース
当物質の品質規格要求は中国国家衛生健康委員会(NHC)2023 年第 8 号公告に従って執行(付録Cの2'-フコシルラクトースの製造菌情報は除く)。当栄養強化剤の製造菌は以下の通り。
栄養強化剤 | 由来 | ドナー |
2’-フコシルラクトース | Bacillus subtilis 168 | (Bacillus subtilis )a (Escherichia coli)b (Helicobacter pylori)c |
Escherichia coli BL21(DE3) | (Helicobacter pylori )c (Escherichia coli O126)c | |
Escherichia coli K-12 MG1655 | (Helicobacter pylori)c |
aは、「mannose-6-phosphate isomerase」のドナー
bは、「phosphomannomutase、mannose-1-phosphate guanylyltransferase、GDP-mannose dehydratase、GDP-fucose synthase、lactose permease、sugar efflux transporter proteins」のドナー
cは、「α-1,2-fucosyltransferase」のドナー