2025年12月31日現在、中国国家衛生健康委員会(NHC)は「三新食品」の形で計4 件の公告(2025年第1号、2025年第3号、2025年第4号、2025年第7号)を発表し、新食品原料・新規食品添加物・新規食品接触物質を合わせて計65品目を認可しました。そのうち、使用範囲・使用量の拡大、品質規格の追加・改正を含む新規食品添加物は計31品目に達します。
CIRSは、2025年度中国における新規食品添加物の受理・審査・承認状況を詳しく総括します。
一、2025年度受理・意見公募・承認状況概要
2025年、国家衛生健康委員会(NHC)は新規食品添加物の申請を計106件受理しました。国家食品安全リスク評価センター(CFSA)は計56品目の新規食品添加物に関する意見公募(パブリックコメント)を実施しました。NHCは最終的に、新規食品添加物、使用範囲・使用量の拡大及び品質規格の追加・改正を含め31品目を正式承認しました。

二、2025年度新規食品添加物 受理状況(106品目)
2025年、NHCが受理した新規食品添加物申請は計106件にのぼり、うち38件に対し審査意見通知書が発行され、4件は行政不許可決定書が公示されています。

三、2025年度新規食品添加物 意見公募(技術審査通過してパブリックコメント)状況(56品目)
2025年、CFSAは計8回のパブリックコメントを行い、対象となった新規食品添加物は56品目で、前年比15品目の増加となります。
遺伝子組換え微生物を利用して生産される食品添加物、とりわけ母乳オリゴ糖(HMOs)関連製品は引き続き申請ホットスポットとなっています。また、生産製法の異なる同種物質については、当局が「品質規格の追加」の形式で審査・公示を行っています。
2025年度新規食品添加物意見公募(技術審査通過してパブリックコメント)状況概要
機能別 | 意見公募時間 | 物質一覧 |
新規品(20品目) | ||
新規食品栄養強化剤 (8品目) | ラクトース-N-テトラオース(3種生産菌株) 3-フコシルラクトース(2種生産菌株) | |
3-フコシルラクトース(1種生産菌株) | ||
ラクトース-N-テトラオース(1種生産菌株) 3-フコシルラクトース(1種生産菌株) | ||
ラクトース-N-テトラオース(1種生産菌株) | ||
3-フコシルラクトース(1種生産菌株) | ||
3'-シアリルラクトースナトリウム塩(3種生産菌株) | ||
新規食品工業用酵素製剤 (10品目) | グルコアミラーゼ | |
アミノペプチダーゼ、キシラナーゼ | ||
ブランチングエンザイム | ||
D-アロース-3-エピメラーゼ(2種生産菌株) デアミナーゼ | ||
スクロース1-フルクトシルトランスフェラーゼ グルコースイソメラーゼ | ||
キシラナーゼ セルラーゼ | ||
新規食品用香料 (1品目) | 2-メチル-1-(2-(5-(p -トリル)-1H-イミダゾール-2-イル) ピペリジン-1-イル) ブタン-1-オン | |
新規食品用加工助剤 (1品目) | 硝酸 | |
使用範囲・使用量拡大(17品目) | ||
使用範囲・使用量拡大の食品添加物 (7品目) | アスコルビン酸パルミテート(酵素法) | |
アドバンテーム アルギン酸カルシウム サンザンガム | ||
ジェランガム | ||
二酸化炭素 | ||
カードラン | ||
使用範囲・使用量拡大の食品栄養強化剤(6品目) | (6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸,グルコサミン塩 6S-5-メチルテトラヒドロ葉酸カルシウム | |
カゼインホスホペプチド | ||
2'-フコシルラクトース 6S-5-メチルテトラヒドロ葉酸カルシウム | ||
L-セレノメチルセレノシステイン | ||
使用範囲拡大の食品工業用加工助剤 (4品目) | キトサン | |
硫酸、酢酸エチル | ||
ベントナイト | ||
品質規格追加(19品目) | ||
品質規格追加の食品栄養強化剤 (12品目) | 2'-フコシルラクトース(3種生産菌株) | |
2'-フコシルラクトース(1種生産菌株) 炭酸カルシウム(海藻由来) | ||
2'-フコシルラクトース(2種生産菌株) ラクトース-N-ネオテトラオース(1種生産菌株) | ||
2'-フコシルラクトース(1種生産菌株) ラクトース-N-ネオテトラオース(1種生産菌株) | ||
2'-フコシルラクトース(2種生産菌株) D-パントテン酸カルシウム、イノシトール | ||
ラクトース-N-ネオテトラオース(1種生産菌株) ビタミン E(dl-α-酢酸トコフェロール) | ||
品質規格追加の食品添加物 (5品目) | ステビオール配糖体(酵素法) | |
ステビオール配糖体(酵素法) | ||
ステビオール配糖体(酵素法) | ||
リコピン | ||
ステビオール配糖体(酵素法) | ||
品質規格追加の食品用香料 (2品目) | 4-ヒドロキシ-2,5-ジメチル-3 (2H) フラノン アニスアルデヒド | |
四、2025年新規食品添加物 承認状況(31品目)
2025年、NHCが正式承認した新規食品添加物は計31品目、内訳は下表の通りです。
2025年度新規食品添加物承認状況概要
機能別 | 承認時間と公告番号 | 物質一覧 |
新規品(13品目) | ||
新規食品栄養強化剤 (3品目) | 2025.2.10 | 2'-フコシルラクトース(2種生産菌株) フラクトオリゴ糖 |
2025.11.27 | β-アラニン(2種生産菌株) | |
新規食品添加物 (1品目) | 2025.2.10 | ジブチルヒドロキシトルエン(BHT) |
新規食品工業用酵素製剤 (8品目) | 2025.2.10 | ホスホジエステラーゼⅠ リパーゼ |
2025.5.7 | ペルオキシダーゼ キシラナーゼ | |
2025.7.2 | アミノペプチダーゼ キシラナーゼ グルコアミラーゼ | |
2025.11.27 | ブランチングエンザイム | |
新規食品用香料 (1品目) | 2025.2.10 | ヒドロキシシトロネラール |
使用範囲・使用量拡大(11品目) | ||
使用範囲・使用量拡大の食品添加物 (4品目) | 2025.2.10 | カードラン ステビオール配糖体(酵素変換法) |
2025.5.7 | 酸化マグネシウム | |
2025.7.2 | アスコルビン酸パルミテート(酵素法) | |
使用範囲・使用量拡大の食品栄養強化剤 (3品目) | 2025.5.7 | 2'-フコシルラクトース |
2025.11.27 | (6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸グルコサミン塩 6S-5-メチルテトラヒドロ葉酸カルシウム | |
使用範囲拡大の食品工業用加工助剤 (4品目) | 2025.5.7 | 過酸化水素 |
2025.7.2 | 硫酸 キトサン 酢酸エチル | |
品質規格要求追加(6 品目) | ||
品質規格要求追加の食品添加物 (6品目) | 2025.5.7 | ラクトース-N-ネオテトラオース(1種生産菌株) |
2025.7.2 | 2'-フコシルラクトース(3種生産菌株) | |
2025.11.27 | 2'-フコシルラクトース(1種生産菌株) ステビオール配糖体(酵素変換法) ステビオール配糖体(発酵法) 炭酸カルシウム(海藻由来) | |
品質規格要求改正(1品目) | ||
品質規格要求改正の食品添加物 (1品目) | 2025.7.2 | L-トレオン酸マグネシウム |
CIRSの見解
2025年、食品添加物の受理件数及び意見公募件数は2024年を上回り、承認品目数は前年並みとなりました。
本年度の申請・審査の中心は遺伝子組換え微生物生産素材であり、母乳オリゴ糖(HMOs)・酵素製剤・酵素変換法ステビオール配糖体をはじめ、遺伝子組換え微生物由来のリコピン、パントテン酸カルシウムなども技術審査通過して意見公募し、食品添加物分野における合成生物学の発展勢いが顕著に表れています。
中でもHMOsは引き続き業界注目の人気素材です。既承認の2'-フコシルラクトース、ラクトース-N-ネオテトラオースは、新規生産菌株による意見公募・承認が相次ぎ、2'-フコシルラクトースは乳幼児用穀物補助食品・缶詰補助食品へ使用範囲が正式拡大されました。また3-フコシルラクトース、ラクトース-N-テトラオースなど複数の新規品が度重なる意見公募し、中国国内の乳児用調製食品に対する栄養強化ニーズの高さがうかがえます。
注目すべき点として、2025年の不承認案件は38件に達し、2024年の6件から大幅に増加しています。審査手続きの効率化を推進する一方で、当局は申請資料の科学性・完全性・真実性に対する要求を一層厳格化しています。企業は申請準備を万全に整え、専門的かつ充実した資料により技術審査に対応する必要があります。
CIRSは長年にわたり三新食品の申請実績を有し、遺伝子組換え微生物素材の多数の承認成功事例を保有しております。三新食品の申請に関するご相談は、企業各位からのお問い合わせをお待ちしております。
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