CIRS要約:国家薬品監督管理局(NMPA)は、『化粧品安全技術規範』の改訂内容の実施に関する公告を正式に公布しました。7月に公表された意見募集稿と比較すると、正式版では一部の内容が更新・調整されています。CIRSでは、正式版の内容を整理するとともに、旧版との相違点を比較・解説しました。皆様のご参考になれば幸いです。
2026年10月8日、国家薬品監督管理局(NMPA)は、『化粧品安全技術規範』の改訂内容の実施に関する公告を発表しました。本公告では、化粧品(歯磨きを含む)の使用禁止・制限原料および使用許可原料のリスト、微生物・有害物質の限度値、試験方法などについて、登録・届出済みの製品、技術審査中の製品、今後申請を予定している製品のそれぞれに適用されるコンプライアンス要件を明確化しています。7月に公表された意見募集稿と比較すると、今回の正式版では、一部の表現が整理・明確化されたほか、試験方法の違いが試験結果や判定に影響する場合の取扱いルール、技術審査中の香料に関するコンプライアンス要件など、重要な事項が新たに追加されています。

全文は以下のとおり
国家薬品監督管理局による『化粧品安全技術規範』の改訂内容の実施に関する公告(2026年第99号)
『化粧品安全技術規範』(以下『規範』)の改訂状況に基づき、化粧品(歯磨きを含む)の使用禁止・制限原料および使用許可原料リストの調整、微生物および有害物質の限度値の調整、試験方法の追加・更新等の実施について、次のとおり公告する。
一、登録・届出済み製品の登録・届出情報の変更・更新について
(一) 『規範』の改訂により、使用禁止・制限原料および使用許可原料リストが調整された場合
『規範』の改訂前に登録・届出済みの製品について、改訂後の『規範』の要求事項に適合させるため、処方やラベル等を調整する必要がある場合、登録者・届出者は、『規範』の改訂内容の実施前に変更申請を行うことができる。
関連原料を溶剤・充填剤等の基質原料に置き換える場合、または関連原料の使用量を減らす場合、登録者・届出者は、原料の調整内容を説明し、安全性評価を実施すればよく、登録・届出検査を実施する必要はない。原料の調整が製品の効能に影響を及ぼす可能性がある場合は、効能評価を再実施し、その結果に基づいて製品名称やラベル等の関連事項を変更しなければならない。
香料を変更する場合、登録者・届出者は、変更後の香料について安全性評価を実施するとともに、中国の関連国家標準または国際香料協会(IFRA)の基準への適合を証明する資料を提出しなければならない。
上記以外の処方調整については、登録者・届出者は、登録・届出検査を再実施し、安全性評価を行ったうえで、変更申請を行わなければならない。
(二) 『規範』の改訂により、微生物・有害物質の限度値が調整された場合
『規範』の改訂により、微生物・有害物質の限度値が変更された場合、登録者・届出者は、登録・届出済み製品について自己点検・評価を実施しなければならない。
従来の登録・届出資料に含まれる検査報告書、評価結果等が改訂後の『規範』の要求事項に適合している場合、登録者・届出者は、『規範』の改訂内容の実施前に、当該製品に適用される基準を自ら維持・更新することができる。この場合、製品の登録・届出資料を保管し、後日の確認に備えるものとする。
従来の登録・届出資料に含まれる検査報告書、評価結果等が改訂後の『規範』の要求事項に適合していない場合、登録者・届出者は、製品の製造工程や品質管理措置などを調整する方式により、該当する登録・届出検査を再実施し、改訂後の要求事項に適合した場合は、『規範』の改訂内容の実施前に変更申請を行うことができる。
(三) 『規範』の改訂により、試験方法が追加・更新された場合
『規範』の改訂により、製品の品質・安全性に関する試験方法が追加・更新された場合、登録者・届出者は、登録・届出済み製品について自己点検・評価を実施しなければならない。
従来の登録・届出資料に記載された試験方法が、改訂後の試験方法と比較して、試験結果およびその判定に影響を及ぼさない場合、登録者・届出者は、改訂内容の施行前に、当該製品に適用される基準を自ら維持・更新することができる。この場合、製品の登録・届出資料は保管し、後日の確認に備えなければならない。
従来の登録・届出資料に記載された試験方法が、改訂後の試験方法と比較して、試験結果およびその判定に影響を及ぼす場合、登録者・届出者は製品の製造工程、品質管理措置等を調整する方式により、該当する登録・届出検査を再実施し、改訂後の要求事項に適合した場合は、『規範』の改訂内容の実施前に変更申請を行うことができる。
日焼け止め、シミ取り・美白、脱毛予防の効能試験方法の調整に関し、『規範』の改訂内容の実施前に登録検査を実施済みの製品は、調整後の方法に従って効能試験をやり直す必要はない。
二、技術審査中または申請予定の製品の登録・届出について
『規範』の改訂内容の実施前に登録・届出検査を実施済みの製品については、当該検査報告書を登録・届出の際に使用することができる。
技術審査中の特殊化粧品については、登録者は補充資料の提出段階で、『規範』の改訂に伴う使用禁止・制限原料および使用許可原料の調整を行うことができる。調整対象の原料が溶剤・充填剤等の基質原料である場合、または関連原料の使用量を減らす場合、登録者は原料の調整内容を説明し、安全性評価を実施すればよく、登録検査を実施する必要はない。原料の調整が製品の効能に影響を及ぼす可能性がある場合は、補充資料の提出時に、原料調整後の効能評価試験に関する資料を提出しなければならない。調整対象の原料が基質原料以外である場合、登録者は登録検査および安全性評価を再実施し、関連資料を提出しなければならない。香料を変更する場合、登録者は変更後の香料について安全性評価を実施するとともに、中国の関連国家標準または国際香料協会(IFRA)の基準への適合を証明する資料を提出しなければならない。
以上、公告する。
意見募集稿との対比
2026年7月15日、国家薬品監督管理局は『「化粧品安全技術規範(2015年版)」の改訂内容の実施に関する公告(意見募集稿)』を公表し、意見募集は2026年7月21日に締め切られました。今回の正式版の公告内容に基づき、CIRSは正式版と従来の意見募集稿との内容の相違点を整理しました。
章・内容 | 意見募集稿(2026年7月15日) | 正式版(2026年第99号) | 相違点の説明 |
|---|---|---|---|
公告の序文 | 『化粧品安全技術規範(2015年版)』(以下『規範』)の最近の改訂状況を踏まえ、使用禁止・制限原料および使用許可原料リストの調整、微生物・有害物質の限度値の調整、試験方法の追加・更新等の実施について、次のとおり公告する。 | 『化粧品安全技術規範』(以下『規範』)の改訂状況に基づき、化粧品(歯磨きを含む)の使用禁止・制限原料および使用許可原料リストの調整、微生物および有害物質の限度値の調整、試験方法の追加・更新等の実施について、次のとおり公告する。 | |
一、章タイトル | 一、上市済み製品の登録・届出情報の変更・更新について | 一、登録・届出済み製品の登録・届出情報の変更・更新について | |
一(一) 第1段落 | 『規範』の改訂前に登録・届出済みの製品について、改訂後の『規範』の要求に基づき処方やラベル等を調整する必要がある場合、化粧品登録者・届出者は『規範』の改訂内容の実施前に変更申請を行うことができる。 | 『規範』の改訂前に登録・届出済みの製品について、改訂後の『規範』の要求に基づき処方やラベル等を調整する必要がある場合、登録者・届出者は『規範』の改訂内容の実施前に変更申請を行うことができる。 | |
一(一) 第2段落 | 関連原料を溶剤・充填剤等の基質原料に置き換える場合、または関連原料の使用量を減らす場合……処方変更内容を説明し安全性評価を行えばよく、登録・届出検査は不要。ただし、調整した成分が製品の効能に影響を及ぼす場合は、効能評価をやり直し、その結果に基づき製品名称、ラベル見本等の関連内容を変更する。 | 関連原料を溶剤・充填剤等の基質原料に置き換える場合、または関連原料の使用量を減らす場合……原料調整の内容を説明し安全性評価を行えばよく、登録・届出検査は不要。原料の調整が製品の効能に影響を及ぼす可能性がある場合は、効能評価をやり直し、その結果に基づき製品名称、ラベル等の関連内容を変更する。 | |
一(二) 第2段落 | 従来の登録・届出資料中の検査報告、評価結果等が改訂後の『規範』の要求を満たすことができる場合……製品が適用する基準を自ら維持・更新することができ、製品の登録・届出資料は保管し後日の確認に備える。 | 従来の登録・届出資料中の検査報告、評価結果等が改訂後の『規範』の要求に適合する場合……『規範』の改訂内容の実施前に、製品が適用する基準を自ら維持・更新することができ、製品の登録・届出資料は保管し後日の確認に備える。 | |
一(二) 第3段落 | ……改訂後の『規範』の要求を満たすことができない場合……製品の製造工程、品質管理措置等を調整する方法により、登録・届出検査を再実施し、要求に適合すれば変更申請を行うことができる。 | ……改訂後の『規範』の要求に適合しない場合……製品の製造工程、品質管理措置等を調整する方式により、該当する登録・届出検査を再実施し、改訂後の要求に適合すれば、『規範』の改訂内容の実施前に変更申請を行うことができる。 | |
一(三) 第1~2段落 | ……登録・届出済み製品が改訂後の『規範』の要求に適合しているかを自己点検・評価により確認しなければならない。要求に適合する場合は、『規範』の改訂内容の実施前に、製品が適用する基準を自ら維持・更新し、関連する安全性評価資料、検査報告等は保管し後日の確認に備える。 | ……登録・届出済み製品について自己点検・評価を実施しなければならない。従来の登録・届出資料に記載された試験方法が、改訂後の試験方法と比較して、試験結果およびその判定に影響を及ぼさない場合、登録者・届出者は、改訂内容の施行前に、当該製品に適用される基準を自ら維持・更新することができる。製品の登録・届出資料は保管し、後日の確認に備えなければならない | |
一(三) 新設段落 | 従来の登録・届出資料に記載された試験方法が、改訂後の試験方法と比較して、試験結果およびその判定に影響を及ぼす場合、登録者・届出者は製品の製造工程、品質管理措置等を調整する方式により、該当する登録・届出検査を再実施し、改訂後の要求事項に適合した場合は、『規範』の改訂内容の実施前に変更申請を行うことができる。 | 正式版で新設 | |
一(三) 最終段落 | 日焼け止め、シミ・そばかす対策(美白)、脱毛予防の効能試験方法の調整に関し、『規範』の改訂内容の実施前に登録済みの製品は、調整後の方法に従って効能試験をやり直す必要はない。 | 日焼け止め、シミ取り・美白、脱毛予防の効能試験方法の調整に関し、『規範』の改訂内容の実施前に登録検査を実施済みの製品は、調整後の方法に従って効能試験をやり直す必要はない | |
二、第2段落 | 技術審査中の製品について、化粧品登録者が補充資料の段階で、『規範』の改訂に係る使用禁止・制限原料および使用許可原料を調整することを認める。調整する関連原料が基質原料である場合、または関連原料の使用量を減らす場合は、処方変更の内奥を説明し安全性評価を行えばよく、登録検査は不要。ただし、調整した成分が製品の効能に影響を及ぼす場合は、補充資料の提出時に、処方変更後の相応の効能試験資料を提出しなければならない。調整する関連原料が基質原料以外の場合は、登録検査と安全性評価をやり直し、関連資料を提出しなければならない。 | 技術審査中の特殊化粧品については、登録者は補充資料の提出段階で、『規範』の改訂に伴う使用禁止・制限原料および使用許可原料の調整を行うことができる。調整対象の原料が溶剤・充填剤等の基質原料である場合、または関連原料の使用量を減らす場合、登録者は原料の調整内容を説明し、安全性評価を実施すればよく、登録検査を実施する必要はない。原料の調整が製品の効能に影響を及ぼす可能性がある場合は、補充資料の提出時に、原料調整後の効能評価試験に関する資料を提出しなければならない。調整対象の原料が基質原料以外である場合、登録者は登録検査および安全性評価を再実施し、関連資料を提出しなければならない。 | |
二、新設文 | 香料を変更する場合、登録者は変更後の香料について安全性評価を実施するとともに、中国の関連国家標準または国際香料協会(IFRA)の基準への適合を証明する資料を提出しなければならない。 | 正式版で新設 |
留意すべきポイント
本公告は、原料リスト、安全限度値、試験方法という三つの中核的な観点を軸に、登録・届出済み製品、審査中の製品および申請予定の製品に対して、区分ごとに異なる移行期のコンプライアンス方針を設けています。また、技術審査中の香料のコンプライアンス資料に関する要求、従来の検査報告の効力、日焼け止め・シミとり/美白・脱毛予防の効能試験の移行期間といった重要なルールを一層明確にしました。化粧品の登録者・届出者には、既存製品のコンプライアンス自己点検を速やかに実施し、処方の最適化、資料の更新、安全性評価などを事前に計画し、対応の準備を万全にされることをお勧めします。
CIRSは今後も中国国内の化粧品政策・法規の動向を引き続き追跡し、専門的な法規解説とコンプライアンスソリューションを提供してまいります。関連する業務のご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
弊社の中国化粧品コンプライアンスサービス
- 中国化粧品の登録・届出(中国台湾を含む)
- 中国新原料の登録・届出
- 中国歯磨きの届出
- 中国化粧品の安全性・効能試験
- 域内責任者
- 安全性評価報告書
- 処方・ラベル・原料のレビュー
- 法規コンサルティング/レポート/研修
- 化粧品の通関
詳細情報:
https://www.nmpa.gov.cn/xxgk/ggtg/hzhpggtg/jmhzhptg/20261008111927165.html
