2024年8月15日、国家の安全と利益を守り、国際的な不拡散義務を果たすため、中国商務部と中国税関総署は共同で2024年第33号公告を発表し、2024年9月15日よりアンチモンを含む特定品目に対して輸出管理措置を課すと発表しました。

公告によると、この輸出管理規制（許可なく輸出してはならない）の対象品目は、以下のアンチモン関連品目と超硬材料関連品目である：

輸出許可手続き

上記の品目を輸出する前に、輸出事業者は規定に従い輸出許可手続きを行い、管轄の省商務局を通じて商務部に申請を提出しなければなりません。申請時には、以下の関連書類の提出が必要となる：

1. 輸出契約書または協議書の原本、または原本と一致するコピーまたはスキャンしたコピー
2. 輸出品目の技術説明書または試験報告書
3. エンドユーザーおよび最終用途証明書
4. 輸入事業者及びエンドユーザーの紹介
5. 申請者の法定代理人、主な事業責任者及び担当者の身分証明書。

審査と決定

商務部は、法定期限内に審査を完了し、許可の可否を決定します。また、中国国家安全保障に関わる重要品目の輸出については、国務院に報告し、承認を得なければなりません。

輸出許可証明

許可を得ると、輸出事業者は商務部より輸出許可証を発行され、税関の手続きと監督を受けることになります。輸出許可証の申請・発行手続きおよび特殊状況の取り扱いは、「両用品目と技術輸出入許可証管理弁法」に従います。

税関手続き

輸出許可証を取得した後、輸出事業者は税関に輸出許可証を提示し、中華人民共和国関税法に基づき税関手続きを行い、監督を受けなければなりません。税関は、商務部発行の輸出許可書により、検査・通関手続きを行います。

規則違反に対する罰則

無許可輸出、許可範囲外輸出、その他違法な状況にある輸出事業者は、商務部または税関などの部門から法律に基づき行政処分を受け、犯罪に該当する場合は刑事責任を追及されます。

CIRSの考え

アンチモンは重要な工業原料として、難燃剤、蓄電池、ガラスセラミックス、化学製品、触媒、軍事分野などの製造に広く使用されており、「工業用グルタミン酸ナトリウム」と呼ばれています。アンチモン化合物、特に三酸化アンチモンは、その優れた難燃性から多くの産業で使用されています。 同時に、重要な半導体材料であるアンチモン化インジウムは、赤外線検出器やレーザーの分野でも発展の見込みがあります。

アンチモン関連品目の輸出規制はまた、中国のアンチモン資源保護政策の強化を示すものであり、中国の四大戦略資源の一つであるアンチモンの産業発展の展望は同政策によって強力に支えられています。

中国は世界最大のアンチモン生産・輸出国であり、アンチモン関連品目の輸出規制は世界のサプライチェーンに相当な影響を与えることが予想されます。アンチモン資源に依存している国や企業は新たな供給源や代替品を見つける必要があり、同時に予期せぬコストやリスクが増大します。