要約: 『新規化学物質環境管理登記弁法(改定草案)』(旧12号令の改定)が生態環境部において審議され、原則可決されました。現在は部内での審議通過の段階であり、今回の審議バージョンの草案全文はまだ一般開示されていません。今後は会議での意見を踏まえた修正、および部長の署名手続きを経て、正式に部令の形式で公布される見通しです。今回の改定は『生態環境法典』の施行に伴うものであり、登記主体、登記タイプ、免除範囲などが大幅に調整され、新規化学物質の製造・輸入をはじめとする関連事業者は、コンプライアンス義務の変更に備え、継続的な情報収集が求められます。
2026年10月15日、生態環境部は部務会議を開催し、『新規化学物質環境管理登記弁法(改定草案)』(以下「『弁法』」)および『固定汚染源排汚許可分類管理名録(改定草案)』(以下「『名録』」)を審議し、いずれも原則可決しました。両文書は会議での意見に基づき修整・補完された上で、部長による署名を経て正式に部令の形式で公布される予定であり、新規化学物質の製造・輸入および関連企業の登記実務にも直接的な影響が生じることになります。
会議では、各改定の狙いについて以下の通り示されました。
- 『弁法』の改定: 新化学物質の登記手続きをより厳格・明確化し、新規汚染物質の発生源でのリスク管理を徹底するとともに、有害物質からグリーン化学品への代替を後押しする。
- 『名録』の改定:汚染物質排出許可制度の改革を深め、リスクに応じた区分・階層管理を推進。「一証式(許可証の一元管理)」を軸に環境影響評価制度との連携を強化し、固定汚染源に対する監視・指導体制を補完する。
改定プロセスの経緯
現行の『新化学物質環境管理登記弁法』(生態環境部令第12号)は2021年1月1日より施行されています。その後、2026年8月15日に施行された『中華人民共和国生態環境法典』との整合性を図るため、生態環境部は2026年6月11日に『弁法(改定意見募集稿)』を公表し、同年7月12日まで意見募集を実施しました。この段階で、登記主体、登記区分、免除範囲、ポリマー管理、サプライチェーン責任のあり方など、制度の根幹に関わる再構築案が示されています。
続いて同部弁公庁は2026年8月4日、『新化学物質環境管理登記に関する通知』を発令。同年8月15日をもって従来の「備案(届出)」の新規受付を停止し、備案事項を「登記」手続きへ統合・一本化することで、新『弁法』施行に向けた移行期間の運用基盤を整えました。
一方、現行の『固定汚染源排汚許可分類管理名録(2019年版)』についても長年運用が続いており、生態環境部は2025年12月5日から2026年1月5日にかけて改定案の意見募集を実施していました。
部務会議での「原則可決」の位置づけ(草案全文は未公表)
今回の公式発表にある「審議の上、原則可決」というステータスは、部令としての正式公布を意味するものではありません。あくまで部内会議における方針決定の段階であり、今回審議された最新バージョンの本文は現時点で公表されておりません。現在確認できるテキストは、以前公表されたパブリックコメント用の意見募集稿のみです。両文書とも、以前に意見募集稿が公布されており、今回の部務会議では意見募集稿に基づき寄せられたフィードバックに基づき改定を完了させました。部務会議での原則可決後、文書は会議意見に基づいてさらに修整され、部長による署名を経て、初めて正式な部令として一般開示されます。CIRSでは引き続き当局の動きをフォローし、確定情報が入り次第、速やかに最新動向をお伝えしてまいります。
CIRSのアドバイス
今回の部務会議の決定を踏まえ、新化学物質を取り扱う製造・輸入企業におかれましては、以下の点に注意して対応を進めることをお勧めいたします。:
1. 実務判断は「正式公布テキスト」を根拠とすること:今回可決された最新草案は未公開であり、以前の意見募集稿からどの程度修正・追加が行われたかは未知数です。登記区分の選定や免除要件の該当性判断といった重要な決定にあたっては、意見募集稿のみで先走って判断せず、正式公布される最終テキストを確認した上で最終決定を行ってください。
2. 改定の方向性を踏まえた事前の影響評価:意見募集稿で示された見直し方針(登記主体、登記区分、免除範囲など)をベースに、自社で扱う該当物質の洗い出しを進めておくことが有効です。正式施行時にスムーズへ移行できるよう、あらかじめ想定される影響を整理しておくことを推奨いたします。
3. 既存の「備案(届出)」ステータスの再確認:2026年8月15日以降、備案手続きは廃止され、登記手続きへの移行運用が始まっています。自社で保持している備案物質が現行制度下でどのような扱いになっているかを今一度確認し、過渡期におけるコンプライアンスの連続性を確保してください。
4. 『名録』の改定動向にも併せて注意を払うこと:汚染物質の排出を行う事業者は、『名録』の正式公布後、自社の属する業界カテゴリー(重点管理・簡易管理・登記管理など)にどのような変更が生じるかを確認し、必要に応じて排汚許可証の新規申請や変更手続きをタイムリーに行ってください。
関連情報
CIRSでは、12号令の改定プロセスに関して以下の解説記事を公開しております。
1. 【重要】生態環境法典の施行に伴い、新規化学物質登録制度が抜本的見直しへ(2026年6月12日):https://jp.cirs-group.com/with-the-enforcement-of-the-environmental-code-the-registration-system-for-new-chemical-substances-will-undergo-a-fundamental-overhaul
2. 【ご注意】備案から「登記」への移行に伴う4つの重要変更点 ――『生態環境法典』施行に伴う実務運用の変更と企業への対応アドバイス:https://jp.cirs-group.com/four-key-changes-associated-with-the-transition-from-notification-to-registration
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