中国新食品原料と食品添加物の申請についてQ&A形式の実務ガイド
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近年、精密栄養とバイオ製造産業の急速な発展に伴い、活性プロバイオティクス、植物エキス、代替タンパク質などの新食品原料が次々と登場し、食品イノベーションが加速しています。しかし、新食品原料または新食品添加物を中国国内で流通させるには、中国国家食品安全リスク評価センター(CFSA)による評価と中国国家衛生健康委員会(NHC)の承認を先に取得しなければなりません。1件の申請には通常2年以上を要し、資料作成、試験、申請書類、審査に伴う追加資料提出など、いずれかの段階で不備が生じると、審査期間が倍増する可能性があります。

この度、CIRSは十数年にわたる申請実務経験と多数の成功事例をもとに、申請フロー、資料・試験要件を体系的に解説し、企業から寄せられた頻出質問に回答して内容をQ&A形式に整理します。

 

申請前に理解すべき4つの基本概念

Q:食品原料はどのように管理されていますか。

A:中国の食品原料はポジティブリスト方式で管理され、各種国家基準、公告、リストに分散して記載されています。これには普通食品原料(各種GBまたは公告)、薬食同源リスト、新食品原料承認リスト、審査終了目録、食品・乳児用食品・健康食品に使用可能な菌種リストなどが含まれます。リストが分散して検索が煩雑なため、CIRSのワンストップ検索ツール「食規査(https://www.chinafooddb.com/ja)」を利用すると、中国で使用が認められている全ての食品原料・食品添加物を一括検索できます。

Q:新食品原料とは何ですか。

A:中国において伝統的な食用習慣のない下記4種類の物品を指します:①動物・植物・微生物。②動物・植物・微生物から分離された成分。③元の構造が改変された食品成分。④その他新たに開発された食品成分。同時に、食品原料としての属性を備えている必要があります。すなわち経口摂取可能、必要な栄養特性を備え、無毒無害で人体に急性・亜急性・慢性またはその他潜在的なリスクを引き起こさないことです。

Q:新食品添加物とは何ですか。

A:食品添加物もポジティブリスト管理が採用され、GB 2760(食品添加物使用基準)と GB 14880(食品栄養強化剤使用基準)が該当します。新食品添加物とは、この二つの国家基準および国家衛生健康委員会の承認公告に記載されていない品種を指します。既に収載されている品種であっても、使用範囲または使用量を拡大する場合は申請する必要があります。拡大申請の場合、資料要件は比較的簡略化されます。

Q:いつ申請が必要ですか。関連機関はどの機関ですか。

A:上位法令は「食品安全法」です。新食品原料または新食品添加物を生産・使用・輸入する場合は、国家衛生健康委員会(NHC)の安全性評価に合格し公告が発行された後でなければ使用できません。関連規程として「新食品原料安全性審査管理弁法」及び申請・受理関連規定、「食品添加物新種管理弁法」及び申請・受理規定があります(なお、当局にて改定作業が進行中であり、CIRSは動向を継続的に注視します)。

主な監督機関は3機関です:①国家衛生健康委員会政務ホールは受理業務及び受理通知書など文書の送付を担当。②国家食品安全リスク評価センター(CFSA)は技術審査を実施し、専門家会議を組織し評価結論を作成。③国家衛生健康委員会(NHC)が最終的な行政審査を行い、承認公告を外部に発行します。

 

申請資料と試験:準備すべきもの

Q:申請資料には何が必要ですか。

A:新食品原料は計9項目、食品添加物は計7項目の資料が必要で、多くの共通点があり:申請書、名称関連情報、生産プロセス、執行基準、国内外の研究利用状況、安全性評価資料など。輸入製品には追加で2種類の証明書が必要:輸出国(地域)の生産または販売証明書、及び生産企業審査・認証証明書。

相違点は以下の通り:新食品原料は栄養属性に重点が置かれ、安全性評価報告(成分分析、衛生学試験、毒性試験を含む)を提出し、資格を有するリスク評価機関に安全性評価意見書を作成してもらう必要があります。食品添加物については技術的必要性の証明が最重要となります。例えばある酸化防止剤が油脂の酸化を確実に遅延させ、既承認の同類製品より優れていることを示す使用効果資料などです。

Q:どのような試験を実施する必要がありますか。

A:主に3つの区分に分かれます:①成分分析・衛生学試験(新食品原料)または品質規格試験(食品添加物)、いずれも3バッチの試験を実施。②毒性試験、大半のケースで急性経口毒性試験、3種類の遺伝毒性試験、90日間経口毒性試験、催奇形性試験が必要。物質の特性や海外での承認状況に応じて選定し、一部の酵素製剤、香料または十分な海外根拠のある物質は毒性試験の一部を省略可能な場合があります。③その他試験。検査法を自社開発する場合は分析法バリデーションを実施。微生物系原料の場合は菌種同定、全ゲノムシーケンス、薬剤耐性評価、毒素産生能評価などを実施します。

Q:90日毒性試験に10月から1年も掛かるのはなぜですか。

A:90日とはラットへの投与期間のみを指します。投与前に飼料製作と試験デザインを完了させる必要があり、90日間投与終了後に28日間の回復期間を設けます。その後、数月をかけて病理学的解析を行い、最後にデータ整理、報告書作成・審査を実施します。一連の工程で通常10~12月を要し、申請前準備の中で最も時間を要する工程です。

Q:分析法バリデーションはどのように実施すれば合格となりますか。

A:自社開発の検査法については、3機関の第三者機関によるバリデーションと報告書作成が必要です。企業自身の実施は分析法確認にとどまり、審査では認められません。本分析法は公開される参照法となるため、要求水準が厳格です。

 

申請周期とフローの落とし穴回避

Q:資料準備から承認までどのくらいの期間が掛かりますか。

A:順調な場合、通常約2年です。詳細を分解すると、資料ギャップ分析は1月以内、申請資料作成と試験手配は最低10月必要です。新食品原料のリスク評価報告作成にはさらに3~6月(添加物は不要)必要です。提出後5営業日で受理可否判定されます。リスク評価センターは約2月に1回専門家会議を開催、通常1~2回の追加資料提出が発生し、技術審査は約2~6月です。パブリックコメント開始から正式承認まで約4~6月です。米国GRASは受理に数月、EU Novel Foodは審査に9月、追加資料提出中は計測停止となることと比較すると、中国当局の審査効率は高いと言えます。資料が十分に整っていれば技術審査は半年以内に完了可能です。

Q:どの工程が審査遅延の最大要因になりやすいですか。

A:資料の不備、記載の矛盾、生産プロセス・品質規格の詳細の不備、毒性試験の未実施などは、追加資料要求を引き起こし期間を長引かせます。専門家の審査時間には限りがあるため、資料は論理が明確、内容が完全、記載に矛盾がないように整える必要があります。また試験プログラムは事前に確定し実施することです。審査後に毒性試験を追加すると、毒性試験自体に数月かかるため避けるべきです。

Q:申請過程で現地調査は実施されますか。

A:実施される確率は非常に低く、大半の申請では実施されません。専門家が特殊な製法や特殊状況に疑問を持った場合に限り実施される可能性があります。申請用サンプルは中試規模以上とし、生産プロセスの実行性を確保しておくとより安定です。

 

申請判断に関する頻出Q&A

Q:新食品原料承認後、製造プロセスはどの程度変更すると再申請が必要ですか。

A:新食品原料は公告制で管理され、公告に記載されたプロセス記述(例:特定原料から抽出・乾燥・精製して得る)に沿っていれば、一部パラメータの調整程度では変更申請不要です。ただし、原料の変更(グルコースから他物質への切替など)、またはプロセスタイプの根本的変更(化学合成から微生物発酵生産への変更など)がある場合は再申請が必要です。遺伝子改変微生物を使用して生産する場合、公告に生産菌株番号・供与株情報が記載され、個別案件ごとの申請となります。

Q:植物抽出系新食品原料の場合、種同定は必要ですか。

A:必要です。国内の専門同定機関に委託し、同定報告書を取得してください。

Q:GB 2760/GB 14880に該当せず、医薬品・薬食同源にも該当しない物質は、全て新食品原料として申請可能ですか。

A:明確に申請不可なケース(GB 2760/GB 14880、薬局方の収載物質など)を除外した上で、個別に実行可能性を評価する必要があります。物質が食品原料属性を備えるか、国内外での承認状況などを総合的に判断して初めて申請可否を決定します。CIRSでは顧客相談の第一段階で実行可能性調査を実施し、後段階で多大な時間・コストの無駄が発生することを防ぎます。

Q:新食品原料・食品添加物・栄養強化剤のいずれを申請すべきか、どのように判断しますか。

A:用途が核心です。食品添加物(GB 2760)は加工プロセス目的(防腐、酸化防止、着色、安定化など)で使用され、申請時に技術的必要性資料を提出する必要があります。食品原料は栄養属性を目的として使用します。栄養強化剤(GB 14880)は新食品原料と混同されやすいですが、最も本質的な区分は、当該物質がGB 14880の既存区分(アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど)に収載されているかどうかです。収載されていればGB 14880に基づいて申請、そうでない場合は新食品原料を優先的に検討します。

Q:米国・EUで承認済みの製品であれば、国内申請時に資料または試験を免除できますか。

A:資料は免除できませんが、試験は海外承認状況と強く関連します。米欧などで承認済みの場合、毒性試験は急性毒性、3種遺伝毒性、90日経口毒性、催奇形性試験で足ります。海外承認実績がない場合は、生殖毒性など追加試験が要求される可能性があります。海外の評価結果を活用する際は、プロセス・品質規格が海外と一致していることを確認する必要があり、物質名が同じだけで一致と判断してはなりません。

Q:技術的必要性試験は具体的にどのように実施しますか。

A:4つの側面から構成します:①技術的メカニズムの記述。②添加有無の比較試験で、添加することで効果が向上・維持されることを証明。③既承認の同機能添加物との比較で、同添加量で効果が優れる、または同効果で添加量が少ないことを示す。④その他補足資料(経済性、環境面でのメリット説明など)。

Q:新食品原料承認後、他メーカーが公告記載のプロセス・規格に適合すれば直接市販できますか。

A:中国の三新食品は公告制で管理され、公告に適合すれば生産・販売可能で、現時点で保護期間はありません。他メーカーは上市前に市場監督管理局が発行する生産許可証を取得する必要があります。微生物系原料は公告に菌株番号が記載されるため、他社が要件を満たすことは難しい一方、伝統的な植物抽出品は公告適合で上市しやすいです。市場的には、最初に承認を取得した企業には先行優位性と公的裏付けのメリットがあり、健康食品メーカーも承認通知書を要求するケースが多いです。

Q:既承認原料と実質的同等と自己評価した場合、毒性試験を省略または簡略化できますか。

A:実質的同等の結論は専門家が判断するもので、申請経路は依然として新食品原料新種となり、毒性試験なしでは受理されません。毒性試験の範囲は国内外承認状況、プロセスの一致性などを総合評価して決定し、多くの場合90日経口毒性試験または催奇形性試験が相変わらず必要です。一部のケースでは28日経口毒性試験のみとすることを検討できますが、審査後に追加試験を要求されるリスクがあるため慎重な判断が必要です。

 

その他実務 Q&A

Q:食品添加物のみを含む普通食品(例:キャンディ)は上市できますか。

A:対応国家基準の定義に適合するかがポイントです。例えばキャンディの国家基準が甘味料などを主原料とすることを認め、全ての原料がポジティブリストに収載、使用量・使用範囲が要件に適合していれば普通食品として上市販売可能です。

Q:微生物系新食品原料の衛生学試験はどの基準を参照しますか。

A:食品用菌種に関する国家GB基準を参照可能です。また欧米の同種微生物向け基準を参考に、追加の微生物衛生指標を設定し試験を実施することもできます。

Q:食品中の当該添加物の検査法は企業が自ら開発する必要がありますか。

A:まず国家基準または業界基準の分析法の有無を確認し、存在すればそれを活用可能です。存在しない場合は自社開発が必要となり、分析法バリデーションが伴うため作業量が増加します。

Q:毒性試験の投与量は推奨1日摂取量の300倍に設定しなければなりませんか。

A:原則として300倍とする必要があります。推奨摂取量が非常に大きい場合(上限なしまたは25~30 g/日など)、動物の摂取限界があるため、動物に投与可能な最大量で実施します。mgレベルの物質については300倍を適用、GB 15193を参考にしてください。

Q:受理不可・承認不許可または審査終了となるのはどのような場合ですか。

A:受理は形式審査で、資料が完全かつ定義に適合した場合に限り受理されます。例えばGB 2760収載物質を新食品原料として申請した場合は受理されません。技術審査では安全性の検討が十分かが重点となり、毒性データが不十分だと承認不許可となる可能性があります。タンパク質系原料の場合はタンパク質品質評価、安全性評価、アレルゲン性評価などが必要で、記載の矛盾も疑義を招き承認不許可となることがあります。承認不許可となった場合でも、資料を整備すれば再度申請可能です。

審査終了は新食品原料に特有の結論で、実質的同等と判定される、または普通食品として管理可能となった場合に適用されます。企業は速やかに結論通知書を取得し生産販売可能となり、承認公告を待つより約半年短縮でき、多くのケースでメリットがあります。新食品添加物には審査終了の制度は現時点で存在しません。

Q:健康食品原料と新食品原料の研究要件にはどのような違いがありますか。

A:現在、新食品原料の申請範囲に健康食品自体は含まれません(ヒアルロン酸ナトリウムは経緯上の例外)。健康食品を最終製品として申請する場合は迂回的な経路となります。新食品原料管理弁法に基づいて原料の安全性評価資料を作成し、健康食品最終製品の登録申請と併せて市場監督管理部門に提出、中国当局の専門家審査を経て、最終的に市場監督管理局が製品単位で承認します。原料サプライヤーは新食品原料申請に適し、健康食品最終製品企業はブルーキャップ登録と併せて健康食品新原料経路を検討するとよいです。

Q:製品が海外生産の場合、申請者は国内企業でなければなりませんか。

A:輸入新食品原料または新食品添加物の申請者は国内企業である必要があり、企業の中国国内子会社を申請者とするのが優先的です。生産者は海外企業のままで構いません。中国国内子会社がない場合は国内パートナーまたは輸入業者を申請者とできます。

Q:国内の資格機関(CMAなど)で実施した分析法バリデーションは、海外申請で利用できますか。

A:基本的に利用可能です。米国は第三者や特定資格を強制せず、分析法バリデーションの科学的合理性を重視します。EUも同様です。プロジェクト立ち上げ時に申請対象国を明確にし、試験と分析法バリデーションを複数国の申請に対応するよう一括計画することを推奨します。

CIRS食品事業部は、専門的な中国「三新食品」技術チームを有し、三新食品(新食品原料、新食品添加物、新食品接触物質)申請分野に豊富な経験と多くの成功事例を有し、申請代理経験は業界の先頭に立ちしています。三新食品申請に関するご相談は随時承っております。

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