この度、CIRSは遺伝子組換え微生物を用いた新食品原料及び食品添加物の申請について、申請範囲と要否判定、製品分類、申請ルートと審査期間、試験および資料要件、技術的必要性に関する検討など実務上の課題について、これまでのプロジェクト事例と最新の規制動向を交えて一つひとつ解説し、企業が自社状況に照らして迅速に参照できるよう期待しております。
申請範囲と要否判定
Q:最終製品に生菌が含まれていない場合でも申請は必要ですか。
A:必要です。製品が遺伝子組換え微生物を利用して製造されている限り、申請義務が生じます。生菌の有無は製品を第1類または第2類(さらに第3類、第4類)に区分し、資料要件や申請手続きを決定するものであり、「申請必須」という前提は変わりません。
Q:食品添加物がGB 2760のリストに既に収載されているが、製造プロセスを遺伝子組換え微生物に変更する場合、微生物関連資料のみ準備し、添加物の資料を免除できますか。
A:できません。「遺伝子組換え微生物の安全性評価資料+添加物資料」の2セットをまとめて提出する必要があり、毒性試験も免除不可です(急性毒性3項目、遺伝毒性試験、90日反復経口毒性試験、催奇形性試験が基本要件となります)。製造プロセスの変更により、わずかな安全性への影響が生じる可能性があります。受容菌・供与菌の由来が既承認公告と完全に一致していても、各社の遺伝子操作方法が異なるため、ケースごとに個別申請が必要です。
Q:同一の生産菌株で製造した複数の製品について、それぞれ個別に申請する必要がありますか。
A:はい。最終製品を単位として申請するため、製品ごとに申請が必要です。
Q:既承認製品について、生産性向上などを目的とした菌株の最適化・スクリーニングを実施した場合、再申請が必要ですか。
A:ケースバイケースで判断します。遺伝子改変プロセスに変更が生じ(生産菌株自体が変更された)場合は、規定に基づき再申請が必要です。
Q:半合成原料(天然植物抽出中間体+化学合成または微生物合成)の申請で留意すべき要点は何ですか。
A:製造プロセスから判断します。中間体を出発原料とする場合、中間体が原料由来となります。化学合成工程では不純物に留意、微生物合成工程では微生物の安全性を確認し、遺伝子組換え微生物を使用する場合はその安全性評価資料を作成する必要があります。
製品分類と残留試験
背景:遺伝子組換え微生物由来製品は4種類に分類されます。第1類精製製品(構造が明確、外来DNAおよび改変微生物を含まない。アミノ酸、HMO、ビタミンなど)。第2類複合製品(化学的性状が完全には明確でないが、外来DNAおよび改変微生物を含まない。酵素製剤が多い)。第3類不活化微生物製品(新規遺伝子を含むが増殖・遺伝子伝達できない。熱不活化発酵剤など)。第4類生きた微生物製品(新規遺伝子を含み増殖・遺伝子伝達可能。生きた発酵菌株など)。現在の申請の主流は第1類・第2類です。
Q:「4種の残留試験がすべて必須」とは具体的に何を指しますか。
A:第1類、第2類製品の場合、4種の残留試験とは通常以下を指します。①外来DNA残留の非検出確認。②生菌残留の非検出確認。③外来タンパク質残留:タンパク質系製品と非タンパク質系製品で申請要件が異なる(非タンパク質系製品は外来タンパク質残留試験を実施する必要がある)。④廃棄物残留:環境への組換え菌(遺伝子組換え微生物)排出に関する安全性評価。
申請ルートと審査期間
Q:国家衛生健康委員会と農業農村部による「共同審査」は並行して実施されますか、それとも順番に実施されますか。
A:段階的に順次実施されます。第1類・第2類製品は共同審査不要で、国家衛生健康委員会(NHC)へ直接申請します(微生物関連資料と最終製品資料を1つの卷宗にまとめて提出)。第3類・第4類製品は先に国家農業農村部(MARA)による遺伝子組換え微生物の安全性評価を通過した後、新食品関連資料を提出するため、審査期間が大幅に長くなります。
Q:遺伝子組換え微生物(合成生物学)の申請は通常の申請と比較して、審査期間が大幅に長引きますか。
A:長引きません。第1類・第2類は従来製品と同じ申請ルート・審査フロー(国家衛生健康委員会(NHC)受付→食品安全リスク評価センター(CFSA)による技術審査。技術専門家会議は2か月に1回開催)。資料作成期間約10か月の主な用途は毒性試験であり、微生物関連試験はこの10か月の間に並行して準備可能で、追加の期間を消費しません。最速で約2年、一部プロジェクトは18か月で完了可能で、EU・オーストラリア・ニュージーランドよりスピードが速いです。
毒性試験
Q:HMOなどの原料は海外で多数承認(FDA GRAS、EFSA)されていますが、国内申請で毒性試験を免除できますか。
A:免除できません。遺伝子組換え微生物製品はケースごとの個別申請であり、各社の菌株構築技術が異なるため、自社原料に対して個別に評価を実施する必要があります。海外で多数承認実績があっても、毒性試験の実施は必須です。
Q:海外で汎用されているread-across、コンピュータ毒性予測(QSAR)など代替手法は、中国の食品毒性評価で認められますか。
A:現在のところ、実施する毒性試験の代替とはなりません。新食品原料・添加物の申請には規定に沿った毒性試験を実施する必要があります。欧米においても代替不可で、一般的に少なくとも2種類の遺伝毒性試験と90日反復経口毒性試験(OECD 408)が求められます。
Q:OECD GLPに準拠した試験を国内ラボで実施、試験所の資格がメキシコ発行の場合、EUノベルフード申請は可能ですか。専門家から疑義を受けますか。
A:推奨しません。EFSAに明確な要件があり、メキシコの資格は認められません。OECD加盟国またはEUが認定した試験所で試験を実施することを推奨します。
試験・検査とサンプル要件
Q:毒性試験以外に必須の試験は何がありますか。
A:2つの資料セットに分かれます。
微生物評価セット:最終製品中の外来遺伝子残留非検出確認、生産菌(遺伝子組換え微生物)残留非検出確認(2つの核心的定性試験)、廃棄物残留試験、非タンパク質製品の外来タンパク質残留試験、バイオインフォマティクス解析、遺伝的安定性、菌株同定、全ゲノムシーケンス、関連遺伝子解析、表現型の薬剤耐性試験、動物病原性試験、必要に応じて毒素産生試験など(詳細はガイドラインを参照)。
最終製品セット:成分分析・品質規格(3ロット試験)、毒性試験。製品特性に応じて分析法バリデーション、構造同定などを実施。食品添加物の場合は技術的必要性比較試験も必要です。
Q:検査サンプルは実験室スケールの小試作品でよいですか、それともパイロットスケール以上が必要ですか。
A:パイロットスケール以上を推奨します。パイロット品は品質が安定し、商業生産により近いため、3ロットの品質規格試験および毒性試験の結果も安定します。
Q:微生物関連の検査報告のうち、食品添加物と飼料添加物の申請で共用可能なものはありますか。
A:同一菌株の場合、以下が共用可能:菌株同定データ(種同定+全ゲノムシーケンスによるバイオインフォマティクス解析)、外来目的遺伝子発現タンパク質のアミノ酸配列が一致する場合の外来タンパク質バイオインフォマティクス安全性解析(抗栄養性、毒性、アレルゲン性)、廃棄物中の組換え菌排出安全性評価。菌株同定と廃棄物環境排出評価レポートは共用が認められる可能性が高く、当局が1セットの資料を受け入れるため、費用と期間を削減できます。
申請資料の作成と資料の再利用
Q:海外で承認済みの遺伝子組換え微生物製品について、どの申請資料を中国申請に直接活用できますか。
A:まず海外申請資料について事前分析を推奨します。製造プロセス、規格などは中国の要件に合わせて再整理する必要があります。最も重要なのは毒性試験データが中国の要件に適合するか評価し、直接利用可能か判断することです。
Q:最終製品が天然由来製品と構造が完全に一致する場合、既存の安全性資料を参照できますか。
A:天然製品の既存安全性資料は補足資料として討論に活用できますが、本製品に対して実施すべき安全性評価試験(毒性試験、品質規格、成分分析など)の代替にはなりません。例えばHMOは母乳中の物質と構造一致を証明する必要があり、必要な資料は省略できません。
Q:遺伝子操作資料はどこまで詳細に記載する必要がありますか。企業秘密の問題は生じますか。
A:菌株改変状況を明確に記載し、導入した目的遺伝子、導入方式(ゲノム組込み/プラスミド導入)、導入技術(直接形質転換/CRISPR-Cas9など)、外来目的遺伝子配列などを記述する必要があります。資料は国家食品安全リスク評価センター(CFSA)に提出され、国家衛生健康委員会(NHC)が審査を行い、厳格な秘密保持規定が適用されます。専門家が外部に情報を漏らすことはないため、過度に心配する必要はありません。
技術的必要性検討
Q:新規食品添加物の技術的必要性検討では、適用可能な全食品区分の試験を実施する必要がありますか。
A:原則として対象区分をカバーする必要があり、10区分申請するのに1区分のみ試験を実施することは認められません。区分が非常に多い場合は実情に基づき合理的に選別可能ですが、大きなカテゴリーは網羅する必要があります。可能な限り全区分実施を推奨します。風味飲料、乳飲料などで実際の差異が存在します。
特定物質の申請
Q:非遺伝子組換えバクテリオファージは現在、食品添加物(保存料)区分で申請可能ですか。
A:まず当該物質の海外での使用承認状況、特にEU・米国で保存料として食品に使用されているか確認します。十分な使用実績があれば申請可能です。添加物申請の最初のステップは実行可能性分析(申請基準の要件+海外承認事例による裏付け)です。欧米に承認先例があれば実行可能性は高く、詳細なケース分析を推奨します。
Q:酵素製剤の申請と構造が明確なその他物質の申請で、調査内容・資料要件に差異は生じますか。
A:第1類・第2類の分類は製品の最終的な性状を反映するだけで、申請要件に差を生じさせません。差異は機能特性から生じます。酵素製剤の技術的必要性評価では変換能力と効率(例:D-アロース3-エピメラーゼによる果糖からアロースへの変換)を検討する必要があります。品質分析では酵素活性測定も核心的な評価項目の一つとなります。
CIRS食品事業部は、専門的な中国「三新食品」技術チームを有し、三新食品(新食品原料、新食品添加物、新食品接触物質)申請分野に豊富な経験と多くの成功事例を有し、遺伝子組換え微生物素材の多数の承認成功事例を保有し、申請代理経験は業界の先頭に立ちしています。三新食品申請に関するご相談は随時承っております。
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