2025年8月13日、中華人民共和国工業・情報化部（MIIT）科学技術司は公告を発表し、国家標準化管理委員会からの強制性国家標準の制定・改訂計画に基づき、「化学品安全情報ラベル作成規定」強制性国家標準（意見募集稿）の策定作業を完了したことを明らかにしました。同標準の「意見募集案及び策定説明文書」（別添1参照）を公示し、社会各層からの意見を広く求めています。
社会一般や関係機関は、「強制性国家標準意見フィードバック用紙」（別添2参照）に必要事項を記入の上、2025年8月14日から10月12日までの期間に、公式サイトに記載された方法で意見を提出することができます。
GB15258「化学品安全情報ラベル作成規定」（意見募集案）について
適用範囲
本規格は化学品安全情報ラベルに関する用語定義、表示内容、作成及び使用方法を規定する。化学品安全情報ラベルの作成・製作・使用に適用し、GB15258－2009を代替する。
作成原則
GB/T 1.1—2020「標準化業務方針 第1部：標準化文書の構成及び起草規則」に従って起草し、国連GHS（第10改訂版）の要求に基づき、かつ国内の実務状況を踏まえて制定する。
主な更新内容
- 危険化学品安全情報コードの追加：
ラベル要素に安全情報コードを追加した。また、国内で流通する危険化学品については、流通前に危険化学品安全情報コード又はそれと統合された他のQRコードの提供を義務化とする。
- 危険性説明の表示順序変更：
安全情報ラベル上の危険性表記は、全て物理的危険 → 健康有害性 → 環境有害性の順に並べる。
- 小容量化学品向けラベル規制の追加：
内容量が100mL以下の小容量化学品には簡易ラベルの使用を認める。また、包装形状・寸法や使用方法等の制約により安全情報ラベルを直接貼付できない化学品については、折り畳みラベルの使用を認める。
- 簡易ラベル要件の変更：
内容量が5mL以下の小容量化学品については、ラベル要素を化学品識別子のみに簡略化できる。ただし、その外装パッケージには全てのラベル要素を含む安全情報ラベルを貼付し、当該小容量化学品は未使用の時、当該外装に保管する旨を明示する必要がある。
- 折り畳みラベルの要件追加：
折り畳みラベルは、表紙ページ・本文ページ・裏ページで構成される。
- キット製品の外装における安全情報ラベルの要件追加：
キット包装の場合、キットの内装には安全情報ラベルを貼付する。外装には、キット名称、サプライヤー情報、緊急連絡先、資料参照指示に加え、キット内の各危険化学品の安全情報ラベルを貼付する必要がある。
さらに、外装の安全情報ラベルに記載する注意事項が多数に及ぶ場合、他の表示要素と分離し、各危険化学品の注意事項を外包装の同じ表面に集中表示することを認める。なお、安全保管措置に関しては重複表示を避け、1回の記載で足りるものとする。
外装の面積が不足し、全ての危険化学品の安全情報ラベルを個別に貼付できない場合、キット全体としての安全情報ラベルを貼付することを認める。ただし、ラベル要素には少なくとも化学品識別情報、警告表示、安全保管措置に関する注意事項、サプライヤー情報、緊急連絡先を含める必要があり、「同封の完全な安全情報ラベルを必ずご確認ください」という注意喚起を明記すること。
- 参考様式追加：
- 附属書A：折畳みラベルの見本
- 附属書C：キット外装ラベルの見本
- 削除項目：
- 2009年版附属書C「安全情報ラベル注意事項」を削除
国際規格・法規との対照分析
- 本規格の技術内容（ラベル要素）は、GHS（第10改訂版）と一致しており、新たに追加されたラベル要素「危険化学品安全情報コード」も、GHS（第10改訂版）第1.4.6.3項「非標準化情報または補足情報の使用」及び第1.4.10.5.4.2項「補足情報」の規定に適合している。すなわち、「標準化された危害情報の有効性と矛盾しない場合、さらなる情報を補足できる」とされている。
- EUの「物質及び混合物の分類・表示・包装に関する規則」（CLP規則）は2024年に最新改訂が行われ、化学品の危険有害性情報伝達をより充実させるため、デジタルラベルの規定が導入された。
- 米国「危害性情報伝達基準」（HCS）は2024年に改訂され、GHS第7改訂版との整合化が図られている。さらにGHS第8改訂版の要素の一部が取り入れられたほか、内容量3mL未満の超小容量化学品に対する安全情報ラベルの免除規定が新設された。
詳細情報：https://www.miit.gov.cn/gzcy/yjzj/art/2025/art_435cbba59de94112a034302e4e88e25c.html
別添：
関連ニュース
お問い合わせ