欧州SCCS、化粧品におけるアセトフェノン使用に関する最終評価意見を公表
Source:

CIRS要約:2026年10月15日、EU SCCSは、アセトフェノンに関する最終評価意見を公表しました。成人および3歳以上の子どもが使用する化粧品において、最大配合濃度が100ppm(0.01%)以下であれば安全であると結論づけています。CIRSは、今回の最終意見の主な内容を整理しましたので、皆様のご参考になれば幸いです。

2026年10月15日、EU消費者安全科学委員会(SCCS)は、アセトフェノン(Acetophenone、CAS番号98-86-2)に関する最終評価意見(SCCS/1689/26)を公表しました。SCCSが2026年5月4日に公表した予備的意見と比べ、今回の最終意見では対象となる使用者の制限が新たに加わっており、更新箇所は以下に下線を付して示しています。

評価結論

  • 成人および3歳以上の子どもが使用する化粧品における安全濃度:100 ppm(0.01%)

提出されたデータを総合的に検討し、またアセトフェノンがCLP規則上の「生殖毒性区分1B」物質に分類される可能性があることを考慮したうえで、SCCSは、アセトフェノンが成人および3歳以上の子どもが使用する化粧品において、最大配合濃度100ppm(0.01%)以下であれば安全であると判断しています。この結論は、化粧品以外の暴露源も考慮したものです。

  • 天然複合物質(NCS):対象外

SCCSは今回、天然複合物質(NCS)全体の評価は行っていません。したがって、今回の安全性に関する結論は、アセトフェノンがNCSの構成成分として使用される場合に限られ、NCS全体には及びません。

評価の背景

2025年3月、欧州化学品庁(ECHA)のリスク評価委員会(RAC)は意見を公表し、アセトフェノンを「生殖毒性区分1B(H360FD)」に分類するよう勧告しました。欧州委員会がこの分類意見を採択すれば、EU化粧品規制第15条に基づき、アセトフェノンは原則として化粧品への使用が禁止されることになります。

ただし、同規制はCMR区分1B物質について例外の道も残しています。次の4つの条件をすべて満たす場合、化粧品での継続使用を申請できます。

  • 食品に関する安全要件に満たしていること。
  • 適切な代替原料が存在しないこと。
  • 曝露量が把握されている特定の用途の製品に使用されること。
  • 物質の総曝露量を考慮し、特に感受性の高い集団に重点を置いたうえで、SCCSによる評価において、化粧品への使用が安全であると判断されること

2025年9月、EUの化粧品業界は欧州委員会に対し継続使用を求める要請を行い、天然複合物質(NCS)中のアセトフェノンは100 ppm以下の濃度であれば安全に使用できることを裏付ける関連資料を提出しました。これを受け、SCCSが安全性評価を委託されました。

アセトフェノンについて

アセトフェノン(CAS番号98-86-2)は芳香族化合物で、化粧品では主に花のような香調を持つ香料成分として使用されます。精油、コンクリート、アブソリュート、レジノイド、バルサムなど、さまざまな植物抽出物(天然複合物質、NCS)に天然に含まれています。また、アセトフェノンはEUの食品添加物に関する規則(EU)No 872/2012にも収載されています。

留意すべきポイント

アセトフェノン、またはアセトフェノンを含むNCS原料を使用する企業は、次の点にご注意ください。

  • 処方の確認:製品にアセトフェノンが含まれているかどうかを確認してください(単独の香料成分としてか、精油などのNCS原料に由来するかを問いません)。この安全限度値が適用されるのは、成人および3歳以上の子どもが使用する化粧品に限られます。
  • 暴露レベルの評価:SCCSが示した100 ppmの限度値と照らし合わせ、現在の処方中のアセトフェノンの実際の含有量が適合しているかを評価してください。

CIRSは今後もEU SCCSの評価意見およびEU化粧品規制の動向を引き続き追跡し、専門的な法規解説とコンプライアンスソリューションを提供してまいります。関連する業務のご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

当社のEUコンプライアンスサービス

  • EU化粧品の処方およびラベルレビュー
  • EU化粧品責任者
  • 製品情報ファイル(PIF)の作成
  • 製品安全性報告書(CPSR)

詳細情報:

https://health.ec.europa.eu/latest-updates/sccs-final-opinion-safety-acetophenone-2026-10-15_en