一、2025年新食品原料 受理・承認状況概要
中国国家衛生健康委員会(NHC)および中国国家食品安全リスク評価センター(CFSA)の公式サイト情報を基に、2025 年における新食品原料の申請受理、パブリックコメント、正式承認、審査終了などのデータを集計した結果は以下の通りです。

図 1 2025年新食品原料受理・承認状況概要
二、2025年新食品原料 受理詳細
2025年、中国NHCが公表した新食品原料の受理件数は計53品目(国産43品目、輸入10 品目)です。植物性原料および微生物菌株は相変わらず申請の注目分野であり、このほかフザリウム・ベネナータムタンパク質を中心とする新規タンパク質、及び機能性素材のエルゴチオネインが複数回受理されました。詳細は下表の通りです。
受付日 | 受付番号 | 名称 |
2025.01.06 | 衛食新申字(2025)第0001号 | 植物ステロール |
2025.01.17 | 衛食新申字(2025)第0002号 | オキアミオイル |
2025.01.22 | 衛食新申字(2025)第0003号 | 褐藻オリゴ糖 |
2025.01.24 | 衛食新申字(2025)第0004号 | 天山雪蓮細胞培養物 |
2025.01.24 | 衛食新申字(2025)第0005号 | エルゴチオネイン |
2025.01.24 | 衛食新申字(2025)第0006号 | L-テアニン |
2025.02.05 | 衛食新申字(2025)第0007号 | シルクフィブロインタンパク質 |
2025.02.06 | 衛食新申字(2025)第0008号 | N-アセチルノイラミン酸 |
2025.02.06 | 衛食新申字(2025)第0009号 | β-ラクトグロブリン(非動物由来) |
2025.02.07 | 衛食新申字(2025)第0010号 | フザリウム・ベネナータムタンパク質 |
2025.02.08 | 衛食新申字(2025)第0011号 | ラクトバチルス・パラカゼイ N1115 |
2025.02.10 | 衛食新申字(2025)第0012号 | L-エルゴチオネイン |
2025.02.11 | 衛食新申字(2025)第0013号 | 青銭柳葉抽出物 |
2025.02.14 | 衛食新申字(2025)第0014号 | ヤマトリコロビ BCRC35669 菌糸体 |
2025.02.18 | 衛食新進申字(2025)第0001号 | ビフィドバクテリウム・ビフィダム BGN4 |
2025.03.03 | 衛食新申字(2025)第0015号 | グリーンコーヒー豆抽出物 |
2025.03.11 | 衛食新申字(2025)第0016号 | ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種インファンティス YLGB-1496 |
2025.03.20 | 衛食新申字(2025)第0017号 | L-α-グリセロホスホリルコリン |
/ | 衛食新申字(2025)第0018号 | N-アセチルグルコサミン |
2025.03.24 | 衛食新進申字(2025)第0002号 | プロアントシアニジン |
2025.04.22 | 衛食新申字(2025)第0019号 | 青銭柳葉抽出物 |
2025.04.27 | 衛食新申字(2025)第0020号 | タウロコール酸類複合体 |
2025.05.09 | 衛食新申字(2025)第0021号 | 納豆菌 VB205 |
2025.05.21 | 衛食新申字(2025)第0022号 | フザリウム・ベネナータム TB01 菌株発酵菌糸体タンパク質 |
2025.05.21 | 衛食新申字(2025)第0023号 | 藤茶ポリフェノール |
2025.05.22 | 衛食新進申字(2025)第0003号 | グルコシルヘスペリジン |
2025.05.23 | 衛食新申字(2025)第0024号 | N-アセチルノイラミン酸 |
2025.05.23 | 衛食新申字(2025)第0025号 | クロレラ・ピレノイドーサ(黄色) |
2025.05.23 | 衛食新進申字(2025)第0004号 | ツナアンセリン |
2025.06.03 | 衛食新申字(2025)第0026号 | 青銭柳葉抽出物 |
2025.06.19 | 衛食新申字(2025)第0027号 | オキアミオイル |
2025.06.24 | 衛食新進申字(2025)第0005号 | バナナフラワー |
2025.06.26 | 衛食新進申字(2025)第0006号 | ストレプトコッカス・サリバリウス K12 |
2025.06.26 | 衛食新進申字(2025)第0007号 | ストレプトコッカス・サリバリウス M18 |
2025.07.09 | 衛食新申字(2025)第0028号 | L-エルゴチオネイン |
2025.07.18 | 衛食新申字(2025)第0029号 | L-エルゴチオネイン |
2025.07.18 | 衛食新申字(2025)第0030号 | コーン発酵物 |
2025.07.28 | 衛食新申字(2025)第0031号 | 発酵菌糸体タンパク質(フザリウム・アクミナタム) |
2025.09.15 | 衛食新進申字(2025)第0008号 | 乳オステオポンチン |
2025.09.17 | 衛食新申字(2025)第0032号 | L-エルゴチオネイン |
2025.09.18 | 衛食新申字(2025)第0033号 | L-エルゴチオネイン |
2025.09.18 | 衛食新申字(2025)第0034号 | L-β-ガラクトグルカン |
2025.10.11 | 衛食新申字(2025)第0035号 | γ-ポリグルタミン酸 |
2025.10.23 | 衛食新進申字(2025)第0009号 | ビルベリー抽出物 |
2025.10.24 | 衛食新申字(2025)第0036号 | フンカク多糖 |
2025.10.29 | 衛食新申字(2025)第0037号 | エルゴチオネイン |
2025.11.03 | 衛食新申字(2025)第0038号 | エルゴチオネイン |
2025.11.14 | 衛食新申字(2025)第0039号 | 不活化アッカーマンシア・ムシニフィラ YGMCC2645 |
2025.11.17 | 衛食新申字(2025)第0040号 | オタネニンジン細胞培養物 |
2025.11.24 | 衛食新申字(2025)第0041号 | ナンコウギンカ |
2025.11.24 | 衛食新申字(2025)第0042号 | ピラカンサ果実(乾燥品) |
2025.12.02 | 衛食新進申字(2025)第0010号 | ピキア・クルイベリイ |
2025.12.18 | 衛食新申字(2025)第0043号 | フザリウム・ベネナータムタンパク質 |
三、2025年新規食品原料 承認詳細
2025年、国家衛生健康委員会(NHC)は「三新食品」の形で計4件の公告を発表し、新食品原料、新規食品添加物、新規食品関連製品を合わせて計 65 品目を承認しました。そのうち新規食品原料については、2025年通年で15品目が承認、13 品目が審査終了リストに収載、23 品目のパブリックコメントが実施されました(うち7 品目は同年中に正式承認済み)。
新食品原料承認状況(15 品目) | ||
公表日 | 公告番号 | 承認された新規食品原料 |
2025.02.10 | ステビアポリフェノール、レモンマートル葉、マキベリーアントシアニン、小麦極性脂質、β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸カルシウム | |
2025.05.07 | 桜花ポリフェノ—ル、黒麦花粉 | |
2025.07.02 | D-プジコース、サッカロマイセス・セレビシエ CNCM I-3799、ビフィドバクテリウム・アニマリス・ラクティスBLa80、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種インファンティス LMG11588、ヒアルロン酸ナトリウム(抽出法) | |
2025.11.27 | フザリウム・ベネナータムタンパク質、エルダーベリーアントシアニン、オリーブ果実ポリフェノール | |
新食品原料審査終了リスト追加状況(13 品目) | ||
収載日 | 審査終了となった新食品原料名称 | |
2025.01 | ピロロキノリンキノン二ナトリウム(2 品目)、グルタチオン酵母粉末(後にグルタチオン高含有酵母に名称変更)、梁河滇皂荚 | |
2025.05 | N-アセチルノイラミン酸、紅棗葉(後に棗葉に名称変更) | |
2025.07 | N-アセチルグルコサミン | |
2025.09 | D-プジコース(2 品目) | |
2025.11 | コーン発酵物 | |
2025.12 | オキアミオイル(2 品目) | |
2025.12 | 羅漢参 | |
パブリックコメント公表状況(23 品目) | ||
公表時間 | パブリックコメントの新食品原料 | |
オリーブ果実ポリフェノール、サッカロマイセス・セレビシエ CNCM I-3799 | ||
ルテインエステル、D-プシコース、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス BLa80、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種インファンティス LMG11588 | ||
カメリナ種子油、エルダーベリーアントシアニン | ||
クチナシ油、香玉牡丹花、褐藻オリゴ糖、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種インファンティス YLGB-1496、ピーナッツ外皮プロアントシアニジン、β-ラクトグロブリン(発酵法)、フザリウム・ベネナータムタンパク質 | ||
ボタン種子油、イワテブドウ葉ポリフェノール、青銭柳葉ポリフェノール、L-テアニン(発酵法)、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス XLTG11、フザリウム・アクミナタムタンパク質、クロレラ・ピレノイドーサ、植物ステロール | ||
※ 青字物質:2025年12月30日時点で承認済みの物質
四、2025年新食品原料申請の動向と特徴
上記の統計データを基に、CIRSが2025年の新食品原料登録申請の動向と特徴をまとめます。
1. 企業の申請件数が急増、審査スピードが加速
2025年通年の新食品原料受理総件数は53件に達し、2024年比で77%増加しました。そのうち国産原料が43品目と大部分を占めています。パブリックコメント物質は23品目公表され、同77%増しました。計15品目が承認され、サクラポリフェノール、レモンマートル葉、フザリウム・ベネナータムタンパク質などは受付から承認までわずか9ヵ月で完了しました。この傾向は、企業の新食品原料への参入意欲が高いことを示すとともに、審査機関が申請資料を厳格に審査しつつも審査ペースを加速させていることを裏付けています。
2. D-プジコースに注目集まる:遺伝子組換え微生物由来新食品原料が初めて承認
合成バイオテクノロジーにより生産された2種類のD-プジコースの承認は、本年の新食品原料における最も重要なニュースであり、遺伝子組換え微生物由来の新食品原料が「ゼロからの突破」を達成したことを示します。同時に代替甘味料市場に革新的な選択肢を提供しました。公告公表後、すぐに別の2品目のD-プジコースが審査終了リストに収載され、現在までに適法に許可されたD-プジコース製品は計4品目となっています。
3. プロバイオティクスに新たに3品目追加、活用シーンが拡大
サッカロマイセス・セレビシエ CNCM I-3799(食品使用可能菌株リスト収載)、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス BLa80、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種インファンティス LMG11588(乳幼児食品使用可能菌株リスト収載)の正式承認により、プロバイオティクス市場がさらに拡充され、対象別の健康食品開発に多様な原料基盤を提供しました。
4. 植物性原料が承認物質の半数を占める
2025年通年で計15品目の新食品原料が承認され、うちステビアポリフェノール、レモンマートル葉、マキベリーアントシアニン、小麦極性脂質、サクラポリフェノールなど植物性原料(植物抽出物を含む)は8品目にのぼります。これは企業が天然素材の申請に傾いていることを示すとともに、食品市場における天然素材への注目トレンドにも合致しています。
5. 新規タンパク質・エルゴチオネインなど人気素材が集中的に複数回受理
植物性原料(植物抽出物)やプロバイオティクスのほか、フザリウム・ベネナータムタンパク質に代表される新規タンパク質や機能性成分のエルゴチオネインが本年の申請ホットスポットとなりました。特にエルゴチオネインは受付記録が8回に達し、食品市場において革新的なタンパク源や生理活性成分への高い関心と強いニーズがうかがえます。
CIRSは長年にわたる「三新食品」申請実績と多数の承認事例を有しています。本年においては、D–プジコースの申請代行機関として遺伝子組換え微生物物質の申請に豊富な経験を有し、代行を担当したフザリウム・ベネナータムタンパク質プロジェクトは受付から承認までわずか9ヵ月という高効率なスケジュールを実現しました。これからも、各種「三新食品」の申請実績を基に、各企業の「三新食品」申請業務に対して専門的かつ効率的、高品質・迅速な技術サービスを提供します。三新食品申請に関するご質問は、企業各位からのお問い合わせをお待ちしております。
注:データ集計にあたり、疏漏や誤りが含まれる可能性があります。本記事のデータは参考用とし、政府部門の公式発表情報を優先してください。不適切な点があれば、CIRSは皆様からのご指摘を歓迎いたします。
