CIRSグループ要約:2026年6月10日、韓国食品医薬品安全処(MFDS)は「化粧品安全性評価資料作成ガイドライン」を発表し、化粧品責任販売業者が製品の流通・販売前に安全性評価資料を作成する際の詳細な指針を示した。CIRSグループが本ガイドラインの主な内容をまとめた。
2026年6月10日、韓国食品医薬品安全処(MFDS)は「化粧品安全性評価資料作成ガイドライン」を公表した。本ガイドラインは、韓国における化粧品安全性評価制度の導入に向けた重要な関連文書である。韓国では、2028年から化粧品安全性評価制度を段階的に義務化する予定であり、本ガイドラインは、企業や安全性評価担当者が制度開始に向けた準備を進める際の指針となるものである。
背景
化粧品安全性評価とは、通常または合理的に予見可能な使用条件下において、化粧品が人体に対して安全であることを、科学的根拠に基づいて証明するための手続きをいう。EU、米国、中国などの主要市場では、すでに長年にわたり化粧品安全性評価制度が導入・運用されている。韓国も、国際化粧品規制協力機構(ICCR)への加盟以降、化粧品分野における国際的な規制調和を継続的に推進してきた。
韓国化粧品法によれば、化粧品責任販売業者(輸入代理販売を目的とする責任販売業者を含む)は、製品の流通・販売前に、製品ごとに安全性評価資料を作成し、安全関連の学歴または経験を有する「安全性評価担当者」による審査を経て保管しなければならない。韓国は2028年から化粧品安全性評価の義務化制度を段階的に実施する計画であり、すでに支援プログラムも用意されている。企業および評価担当者が作成要件を理解できるよう、MFDSは本ガイドラインを策定し、安全性評価資料の構成および作成方法を明確にした。
ガイドラインの構成
本ガイドラインは以下の4部構成となっている。
Ⅰ. 総論(目的、背景、関連法規)
Ⅱ. 安全性評価資料の作成
Ⅲ. 附属資料
Ⅳ. 参考文献
安全性評価資料作成要件の詳細
1. 製品情報
製品情報には、製品名または製品コード、製品の種類および使用方法、化粧品製造業者および責任販売業者の名称・住所などを含める。製品標準書または輸入管理記録書に上記情報がすでに含まれている場合は、それらで代替することができる。
2. 化粧品安全性評価報告書
安全性評価報告書は資料の中心的な要素であり、以下の内容を含む。
2.1 化粧品の安全性情報
- 定性的・定量的組成:全原料の名称、組成成分名、含有量(重量パーセント)および配合目的。香料については香料名と供給元情報を記載することができる。製造業者が完全なデータを提供する場合、正確な配合量の代わりに配合範囲を用いることができる。
- 製品および原料の物理化学的特性および安定性:製品の性状、剤形、色、におい、粘度などのほか、原料の分子式、分子量、溶解度、分配係数などを含む。製品の安定性評価は、MFDSの「化粧品安定性試験ガイドライン」を参照し、使用期限および開封後使用期限を設定する必要がある。
- 微生物学的品質:製品の微生物学的リスクの感受性に応じて、以下の3区分に分類される。①微生物リスクが低い製品(アルコール含有量が70%を超える製品、pHが極めて高いまたは低い製品など)は、微生物限度試験および防腐効力試験を免除できる。②使い捨て製品などの低リスク製品は、微生物限度試験のみを実施すればよい。③その他の製品は、微生物限度試験と防腐効力試験の両方を実施しなければならない。ISO 11930、ISO 29621など国際規格を参照すること。
- 不純物および包装材料に関する情報:原料および製品の製造過程で意図せず生成する物質に関する情報、ならびに内容物と直接接触する包装容器の安全性および物質移行性に関する評価を含む。
- 製品の使用方法:使用部位、使用頻度など詳細な使用方法。
- ばく露評価:使用目的、使用部位、使用頻度、使用量、使用期間などを総合的に考慮してばく露シナリオを設定し、人体が接触する化粧品成分のばく露量を定量化する。MFDSの「化粧品ハザード評価ガイドライン」を参照する必要がある。
- ばく露量の算出および安全マージン(MOS):成分含有量およびばく露情報に基づいて全身ばく露量または局所ばく露量を算出し、毒性情報と組み合わせて安全マージン(Margin of Safety)を算出する。
- 毒性情報に基づくハザード判定:急性毒性、皮膚および眼粘膜刺激性ならびに皮膚感作性、反復投与毒性、生殖発生毒性、遺伝毒性、発がん性、光毒性などのエンドポイントに関する情報を網羅する。毒性データがない場合は、QSARなどの代替手法を用いて毒性予測を行うことができる。
- 有害事例情報:化粧品の流通・使用過程で把握された有害事例情報および当該事例に対して講じられた是正措置に関する情報を含む。
2.2 安全性評価の結論および安全な使用方法
すべての安全性情報を総合的に評価した上で、製品が通常または合理的に予見可能な使用条件下において人体に対して安全であるか否かを明確にする。また、使用方法や使用上の注意など、表示事項に関する提言を行う。
2.3 安全性評価担当者の署名および資格証明
安全性評価担当者は法定の資格要件に基づき資格証明を提出しなければならない。
ポイントまとめ
- ガイドラインの性質:本ガイドラインは公衆向けの手引きであり、対外的な法的効力を有するものではなく、MFDSの一般的な解釈を示すものにすぎない。企業は国際的に権威のあるデータや科学文献を代替根拠として用いることができる。
- 国際規格の参照:本ガイドラインは、OECDテストガイドライン、ECHA登録文書、SCCS意見書、ISO規格、中国NIFDCの技術規範など、国際的に通用する規範を幅広く引用している。
- 代替・簡素化の仕組み:成分が類似し、かつ包装材料が同一である製品については、既存の安定性試験データや微生物評価データを活用して重複する試験を省略することができる。これにより、企業のコンプライアンス対応に伴う負担やコストの軽減が期待される。
- 動物実験禁止:本ガイドラインは、韓国において動物実験を実施した化粧品の販売が禁止されていることを踏まえ、安全性評価に当たっては、QSARやin vitro試験などの代替手法を優先的に活用すべきであるとしている。
- 香料に関する特別要件:香料については、IFRA証明書などアレルギーの可能性に関する資料を提供する必要があり、アレルゲン表示規定への適合性についても確認する必要がある。
CIRSからのヒント
韓国の化粧品安全性評価制度は2028年から段階的に実施される予定であり、関連する化粧品企業は以下の点に特に留意する必要がある。
- 評価要件を事前に把握する:企業は本ガイドラインの内容に留意し、安全性評価資料の構成、各部分の作成要件、および認められる代替手段を理解し、今後のコンプライアンス対応に向けた知識を整えておくべき。
- 製品安全ファイルの整備:企業は本ガイドラインの要求事項を参照しながら、製品の処方情報、原料規格書、安定性試験データ、微生物検査報告書などの基本資料を事前に整理し、安全性評価に備えること。
- 制度の進捗状況に留意:MFDSは「化粧品安全性評価導入支援プログラム」などの施策を通じて企業の制度移行を支援している。企業は、制度導入に向けたスケジュールや関連動向を継続的に確認し、適切な対応を進める必要がある。
「化粧品韓国輸出の規制対応プロセス」に関する詳細は、以下をご参照ください:
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