化粧品企業の皆様にご注意:化粧品最終製品中の新規化学物質 登録管理対象化の可能性 ――生態環境部第12号令改正が化粧品企業に与える影響を解説
Source:

CIRS要約:近日、生態環境部第12号令の改正案が公表されました。化粧品業界にとって最も注目すべき変化は、化粧品が法規の「適用除外範囲」から外れたことです――これは、化粧品最終製品に含まれる新規化学物質が、将来的に新規化学物質環境管理登録の対象になる可能性があることを意味します。化粧品企業の環境コンプライアンスリスクと責任の境界は、大きく変化しつつあります。CIRSグループは、今回改正の主な内容、化粧品企業への影響、罰則等について解説します。ご参考ください!

2026年6月11日、生態環境部は「新規化学物質環境管理登録弁法(改正意見募集稿)」を公表しました。改正案では、適用範囲、登録申請者、法的責任などについて大幅な調整が行われています。同時に、地方でも関連措置が打ち出され、複数の生態環境違法行為が通報奨励の対象に入れています。

背景紹介

2020年に公布された現行「新規化学物質環境管理登録弁法」(生態環境部令第12号、以下「現行第12号令」)は、中国における新規化学物質環境管理の規則です。2026年6月11日、生態環境部は「新規化学物質環境管理登録弁法(改正意見募集稿)」、すなわち生態環境部第12号令の改正案(以下「改正版第12号令」)を公表しました。現在パブリックコメント募集段階にあり、意見募集の締切は2026年7月12日です。改正版第12号令は8月に「生態環境法典」との整合を図り施行される予定です。

化粧品が「適用除外範囲」から除外

改正前:医薬品(原薬を含む)、農薬(農薬原体を含む)、動物用医薬品(原薬を含む)、化粧品、食品、食品添加物、飼料、飼料添加物、肥料等の製品は第12号令の適用対象外とされていました。この規定は、これらの製品がいずれも他の管轄当局および関連法令の管理下にあることを踏まえて設けられたものです。

改正後:改正版第12号令によれば、上記の特殊製品も新規化学物質登録管理の範囲に含まれることとなり、製品の所属業界のみによって適用の可否が決定されることはなくなります。

この改正が実施されれば、医薬品、農薬、化粧品、食品等の関連サプライチェーンに関わる企業に直接的な影響を及ぼすこととなります。関連企業は、自社製品の輸入、原薬・原体の製造・輸入、ならびに添加剤の製造・輸入の各段階において、新規物質の登録義務について改めて確認・見直しを行う必要があります。

CIRS解説:現行第12号令の下では、化粧品完成品は、それに含まれる新規化学物質について生態環境部門の監督対象とはなりません。しかし、化粧品原料そのものが新規化学物質と判定された場合には、当該原料の生産者又は輸入者が登録をする必要があります。

改正版第12号令では上記の適用除外条項が削除され、化粧品完成品はもはや「適用除外範囲」に該当しなくなります。これは化粧品業界にとって、化粧品最終製品に含まれる新規化学物質も、将来的に登録管理の対象となる可能性があることを意味します。中でも最も直接的な影響を受けるのは輸入化粧品です。輸入化粧品に新規化学物質に該当する原料が含まれる場合、今後は輸入前に、化粧品自体の登録・届出に加え、当該新規化学物質についても事前に登録が必要となる可能性があります。これは輸入化粧品を取り扱う企業にとって、新たなコンプライアンス上の要件となることが予想されます。

立法の観点から見ると、法典では新規化学物質環境管理登録制度が明確化されており、特定の製品類型を適用対象から除外していないことから、あらゆる新規化学物質の環境リスクを一元的に管理する方向性が示されています。一方、化粧品はパーソナルケア製品であり、使用後には一部の難分解性成分が水域へ流入し、水生生物の体内に蓄積する可能性があります。さらに、使用頻度の高さや利用者数の多さを考慮すると、その環境への暴露は看過できません。このため、管理対象を「化粧品原料中の新規化学物質」から「化粧品最終製品中の新規化学物質」へと拡大することにより、規制の網羅性が一層高まると考えられます。

どれだけの化粧品原料が新規化学物質に該当するのか?

CIRS解説:中国既存化学物質名録(IECSC):中国国内で既に合法的に生産、輸入又は使用されている化学物質を識別するために用いられます。同名録は2003年に最初に公布され、その後複数回の補充・更新が行われています。名録(機密名録を含む)に収載されていない化学物質は「新規化学物質」とみなされ、初めて生産又は輸入する前に「新規化学物質環境管理登録弁法」に従って登録を行う必要があります。

中国既使用化粧品原料目録(IECIC):ある原料が化粧品新原料に該当するか否かを判断する際の重要な参考資料となります。

では、どれだけの化粧品原料が新規化学物質に該当するのか?

CIRSグループが自社開発したAIプログラムにより、中国既存化学物質名録(IECSC)と中国既使用化粧品原料目録(IECIC)の両名録を簡易照合したところ、データベース内でマッチしなかった物質は少なくとも1000種類以上がありました。

登録申請者の要件が厳格化、輸入化粧品に直接影響

改正前:現行第12号令では、中国国内へ新規化学物質を輸出する海外の製造企業または貿易企業も、国内代理人を指定することを条件に、申請者となることが認められていました。また、一定の場合には、加工使用者も申請者となることができました。

改正後:改正案では、中国国内で新規化学物質を製造または輸入する企業・事業者のみが登録申請者となることができることが明確化され、海外企業および国内の加工使用企業は、いずれも申請者となることができなくなります。

法的責任が大幅に強化

改正案は、新規化学物質に関する違法行為への処罰を生態環境法典の規定と整合させています。登録証を取得せずに、または登録証の要求事項に従わずに新規化学物質を製造・輸入する行為、ならびに登録証のない新規化学物質を使用して製品を生産する行為については、罰金額が大幅に引き上げられ、最高200万元に達するほか、是正に応じない場合の段階的処罰も強化されます。また、処罰対象は従来の生産・輸入段階にとどまらず、「使用」段階も明確に責任範囲に含まれることとなります。化粧品企業にとって、新規化学物質に関するコンプライアンスは、もはや登録申請時のみの課題ではなく、原料調達、輸入、研究開発、生産、さらには川下管理に至るまで、サプライチェーン全体を通じて対応すべき総合的な法的リスクとなっています。

関連の動向:地方で新規化学物質違反が通報奨励対象に

2026年6月5日より施行された「上海市生態環境違法行為通報奨励弁法」(沪環規〔2026〕3号)は、複数の生態環境違法行為を通報奨励の対象となっており、そのうち化粧品企業に直接関連するものには以下が含まれます:

(八)新規化学物質環境管理登録証の要求に従わずに新規化学物質を生産・輸入すること;登録証を取得せずに新規化学物質を生産・輸入すること、又は登録証のない新規化学物質を使用して製品を生産すること;重点管理対象の新規汚染物質の環境リスク管理措置の要求に従わずに、リスト中の化学物質を生産・輸入し、又はリスト中の化学物質を使用して製品を生産すること。

上記の行為について調査の結果、事実であることが確認され、生態環境部門が行政処罰を決定した場合、通報者は3,000元の奨励金を受け取ることができます。通報者が被通報企業の在職者である場合は、さらに1万元が加算されます。また、提供された情報に基づき公安機関による刑事立件に至った場合は、さらに3万元が加算されます。さらに、重大な生態環境違法行為の発生防止、重大な安全リスクの解消、または特に重大な事件の調査への協力において重要な貢献をした場合には、最高50万元の一時奨励金が支給されます。これにより、化粧品企業による新規化学物質の使用に伴うコンプライアンスリスクや、生産企業による汚染物質排出行為は、今後さらに厳格な監督管理の対象となることが予想されます。これにより、化粧品企業による新規化学物質の使用に伴うコンプライアンスリスクや、生産企業による汚染物質排出行為は、今後さらに厳格な監督管理の対象となることが予想されます。

新旧制度の移行期間に余裕なし

改正案では、現行の第12号令に基づき届出を完了した新規物質について、2026年12月31日までに新規則に従って改めて登録証の取得を申請しなければならないと規定されています。一方、それ以前に既に取得された登録証は、改正弁法の施行後も引き続き有効とされ、既に受理済みの登録申請については、現行弁法に基づき処理が継続されます。第12号令の下で届出を完了した新規物質の件数が膨大であることを踏まえると、既存案件の再申請は、企業のコンプライアンス対応および主管部門の審査効率にとって大きな課題となることが予想されます。企業は早急に既存案件を整理し、今後の対応計画を策定する必要があります。

既存物質の再申請であっても、化粧品最終製品に含まれる新規化学物質が登録対象となるという新たな変更であっても、対応の鍵となるのは、処方中の各原料が新規化学物質に該当するか否かを正確に特定することです。このニーズに応えるべく、CIRSグループは以下の2つのサービスを提供しています:

①化粧品処方新規化学物質スクリーニングサービス(精密マッチング)

処方審査、製品上市又は川下顧客審査の各段階において、企業が最も懸念するのは「処方の中に新規化学物質が潜んでいないか」という点です。CIRSグループは中国現有化学物質名録(IECSC)との照合に基づき、企業の処方に使用される原料を一件ずつ精査・マッチングし、新規化学物質に該当する可能性のある原料を特定します。該当する原料については、必要となる登録手続きの方向性およびコンプライアンス対応に関する提案を提供します。

②Global CosIng――IECSC×IECIC 二大目録セルフ照会

企業は、CIRSグループが自社開発した「Global CosIng」プラットフォームにログインし、「中国既存化学物質名録」(IECSC)と「既使用化粧品原料目録」(IECIC)の2つの目録を照合することで、自社で処方中の原料について、新規化学物質に該当する可能性があるかをスクリーニングすることも可能です。

CIRSからのヒント

新規化学物質の環境管理は、「部門規則」レベルから「法典」レベルへと移行しつつあり、規制の強化、責任範囲の拡大、ならびに社会的監督の強化が同時に進んでいます。これにより、化粧品業界が長らく直面してきた「環境コンプライアンスに対する要求が比較的緩やかである」という状況は、今後変化する可能性があります。化粧品および関連原料企業には、以下の対応を推奨します。

  • 「中国現有化学物質名録」(IECSC)との照合を行い、処方に含まれる原料のうち、新規化学物質に該当する可能性のあるものを特定すること。特に輸入化粧品の最終製品については、関連する登録義務を事前に評価すること。
  • 登録申請主体を明確にすること。海外企業は今後、登録申請者となることができず、輸入化粧品については国内輸入者が登録主体となる。
  • 既存の届出案件の再申請期限(2026年12月31日まで)に留意し、届出取消や登録制度への一本化が製品上市スケジュールに与える影響を事前に評価すること。

なお、改正案は現時点でパブリックコメント募集段階にあり、最終的な規制内容は正式公布される条文に基づきます。CIRSグループは今後も関連法規の改正動向を継続的に追跡し、専門的な法規解説および中国における新規化学物質・化粧品コンプライアンスソリューションを提供してまいります。関連サービスについてご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください!

私たちの中国化粧品コンプライアンスサービス

  • 中国化粧品登録・届出(中国台湾を含む)
  • 中国新原料登録・届出
  • 中国歯磨き粉届出
  • 中国化粧品安全性・効能試験
  • 国内責任者
  • 安全性評価報告書
  • 化粧品原料安全情報報送コード申請
  • 処方/ラベル/原料審査
  • 法規コンサルティング/レポート/トレーニング
  • 化粧品通関