NDI申請の基本内容
Q:どのような物質がNDIを申請できますか?
大前提として、原料が米国法令で定める6種類の食事成分の定義に適合する必要があります(ビタミン、ミネラル、ハーブまたはその他の植物、アミノ酸、食事摂取量を増やすことで食事を補う物質、上記5種の濃縮物・代謝物・成分・抽出物または組成物)。定義に適合しない場合は申請不可です。過去5年、多くのNDI申請が「定義不適合」を理由にFDAから却下されています。申請前に第三者機関による事前適性評価を実施し、コストの無駄を防ぐことを推奨します。
Q:FDAのNDI返信書をどう読めばよいですか。申請成功と判断する基準は?
- NDIは手続き上の届出制度であり、GRASのような「has no question」や「承認(approved)」の記載はありません。
- 成功判定:返信書がファイル受領および90日後のファイル公開のみを事務的に通知し、成分の同一性・安全性・食事成分区分に対して疑義を提示しなかった場合、FDAが受理を認めたとみなします。
- 不成功:資料不備、安全性への疑義、原料が食事成分定義に適合しない、原料同一性情報不足などが明記された場合は不通過となります。
Q:NDI申請の毒性試験データは公表文献でなければならないか?公開文献を引用可能か?
- 公開文献の引用は可能で、独自の毒性試験費用を削減できます。
- 企業が独自に実施した毒性試験データは企業秘密として、FDAに申請時に機密扱いを申請すれば外部公開・学術雑誌への掲載は不要です。これはNDIとGRASの大きな相違点の一つです(GRASでは主要な安全性データが公開可能である必要があります)。
審査期間・再申請
Q:NDIの法定75日審査期間は固定か?資料が不完全な場合はどうなる?再申請は可能か?
- FDAファイル受理後の法定審査期限は75日間で、企業からの補足質疑応答期間もこの75日に含まれます。
- 75日以内に完全な補足資料を提出できない場合、FDAは資料不備と判定し、今回の申請は無効となります。
- 資料を整えれば再提出可能で、新しいNDIN番号が付与されます。ただし、FDAサイトに前回の不受理履歴が残るため、初回申請時に万全な資料を準備し、ネガティブな履歴を回避することを推奨します。
企業単独申請
Q:他社が既にNDI申請に成功している場合、そのNDIN番号を流用して米国輸出できるか?
不可です。NDIは企業別の個別申請制度で、原料製法・品質規格など核心情報は機密申請可能であり、他社の申請ファイルを共有・流用できません。同一物質であっても製造業者ごとに個別申請が必要です(例:NMN原料をA社が申請済みでも、B社は独自にNDI申請が必要)。
試験関連(安定性・毒性・試験所資格)
Q:NDI申請に安定性試験は必須か?
法令上の強制要求はありません。ただし製品自体の安定性が不良な場合、FDA審査時に安定性データを求められる可能性が高いため、事前に安定性試験を実施しておくことを推奨します。
Q:GRAS/NDI申請で一般的に必要な毒性試験項目は?
原則、遺伝毒性試験+ラット90日亜慢性経口毒性試験となります。
申請主体・製剤・複合原料申請
Q:原料のみ製造し、自社の栄養補助食品完成品を持っていなくても NDIを単独申請可能か?完成品と紐付ける必要があるか?
可能です。原料メーカーはバルク原料として申請でき、下流の栄養補助食品での使用シーンを簡潔に記載するだけでよく、自社完成品は不要です。完成品を保有する企業は原料+完成品を一緒に申請することもできます。
Q:栄養補助食品で認められる剤形は?舌下錠など特殊剤形はNDI申請可能か?
- 適合する経口剤形:錠剤、ハードカプセル、ソフトカプセル、粉末、経口液剤
- 不可剤型:舌下投与、外用、注射など、通常の経口摂取以外の医薬的剤形では栄養補助食品としてNDI申請できません。
ODI(旧食事成分)とNDIの区別・免除ルール
Q:原料がODI(旧食事成分)かNDIかをどう判別するか?
- 分水嶺は「栄養補助食品健康教育法(DSHEA)」発効日の1994年10月15日です。
- ODI判定:1994.10.15以前に米国で食事成分として販売実績がある場合、NDI 免除可能です。販売履歴・宣伝資料などの証跡を保管する必要があります。業界団体の参考ODIリスト(FDA公式文書ではなく参考用)が存在します。
- NDI判定:ODIに該当せず、GRASによる食品サプライチェーン免除、その他法定の使用根拠がない新規の食事成分です。
Q:原料がGRAS認定を取得していれば、栄養補助食品用途でNDIを直接免除できるか?
直接免除はできません。以下2条件を両方満たした場合のみ免除となります。
- GRAS認定を取得済み
- 当該原料が既に通常食品(キャンディ、飲料、チョコレートなど)に上市・適用され、食品サプライチェーンに実在すること(GRAS取得のみで通常食品への上市実績がない場合は、NDI免除条項は適用されない)
ファイル公開・返信書照会・製法変更
Q:NDIファイルはFDAサイトで完全公開されるか?GRASとの情報公開の違いは?
- NDI:ファイル受理90日後にサイトで公開されますが、企業が機密指定した情報(独自毒性データ、製造プロセス、品質管理規格など)はマスキングされ非開示となり、機密保持が可能です。
- GRAS:資料全体が公開され、主要な安全性データは業界から閲覧可能である必要があります。
Q:NDIの公式返信書はどこで確認できるか?
FDAサイトのNDIN番号リストより、該当原料番号をクリックすると返信書全文を参照可能です。
合成生物学・発酵由来原料のNDI申請可否
Q:合成生物学・遺伝子組換え微生物発酵で製造した原料はNDI申請可能か?
物質区分により判断します。
- 法定6種類の食事成分(ビタミン・ミネラルなど)に該当:化学合成・バイオ発酵を問わずNDI申請可能
- 植物抽出物中の活性成分を模倣したもので、天然植物由来のトレーサビリティがないもの:「植物由来食事成分」の定義に適合せず、直接NDI申請不可。代替策として「GRAS取得+通常食品上市実績」を作り、サプライチェーン実績により栄養補助食品用途のNDI免除を検討できます。
GRAS変更・混合物のGRAS申請
Q:FDA GRAS取得後、検査手法を変更した場合はどう対応するか?
Supplement(補足変更)をFDAに提出します。既存ファイルの大半の資料を流用でき、新規GRAS申請より簡素な手続きです。
Q:2種類の物質を物理混合した複合原料は、まとめてGRAS申請可能か?
- 天然由来の同時抽出による複合植物エキス:単一物質とみなし、一括申請可
- 独立した2原料を商業的に人工混合したもの:それぞれ個別にGRAS申請が必要。混合は下流の配合工程に過ぎないため、まとめて申請するとFDAに却下されやすいです。
Self GRAS・FDA GRAS・NDI申請経路の選択
Q:米国輸出をする場合、Self GRAS、FDA GRAS、NDIのどれを選ぶべきか?
用途で使い分け:
- 原料を通常食品(飲料、キャンディなど)に使用する場合:GRAS(Self GRASまたはFDA GRAS)のみ選択可
- 栄養補助食品のみに使用する場合、2択:①NDI直接申請(審査75日、機密保持可)②GRAS取得+通常食品上市によるNDI免除
Self GRASとFDA GRASの比較:
- Self GRAS:コストは低いが、今回の規制改正により将来的に廃止されるリスクがある
- 長期的な事業展開を考える場合はSelf GRASと並行してFDA GRASを申請し、法令変更リスクを回避することを推奨
NDIのメリット・デメリット:審査期間は短いが、資料作成の精度要求が高く、合格率は40~50%で、FDA GRASの合格率は約80%です。
その他総合質問
Q:NDI/GRAS申請に際し、FDAが国内工場へ現地査察に来ることはあるか?
大半のケースで現地査察は実施されません。ただし①FDAのランダム査察、②原料安全性の過去履歴に疑義がある・苦情リスクがある場合などは現地審査が手配される可能性があります。
Q:GRAS公示後、他社がファイルのパラメータを完全に一致させればそのまま使用できるか?
法令上は可能ですが、実務上のハードルは非常に高いです。GRASファイルは全公開されるものの、原料製法・品質規格などを100%一致させる必要があります。また海外バイヤーの多くはサプライヤー自身の独立したGRASを求めるため、業界で他社GRASを流用する事例は極めて少ないです。
CIRSのワンストップNDI申請サービスに含まれる内容は、原料適性判定、FDA事前相談予約、毒性試験プロトコル設計、NDIフルファイル作成、電子提出、FDA質疑対応、返信書解説、事後のコンプライアンス継続フォローまでを一貫して支援し、併せてグローバル多市場原料参入方案の策定もご提供します。
お問い合わせ:service@cirs-group.com
